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2023年10月30日月曜日

大腸癌 入院日誌 2023年10月30日 月曜日

 入院日誌



1029日(日)

3:00 小便

ポケモン・ルーティン 詰将棋

5:10 起床 ジャージー上着

世界の中の日本建築

6:03 ラグビー World Cup 決勝戦 Newzeeland11-12South Africa SA優勝

6:40 体温36.2 菅原看護師

7:50-8:00 朝食 脂質制限常 ごはん200g 味噌汁 ナメコ・豆腐 鮭缶入り煮物 煮浸し のり佃煮 ジョア125

8:00 薬 オセルタミビル75mg1錠 セレコキシブ2

日本の中の世界建築

9:00 防災施設点検のため17:00まで停電 基本灯は30分で復旧、しかし、トイレの水は流れない。10:00 トイレに行って気づく。

11:40 体温 血中酸素濃度 血糖値 血圧測定 若先生登場 お尻から漏れているというとガーゼを当てるように指示 看護師さんに当ててもらう。右腰のガーゼは要らないとその場でとる。

将棋佐藤・北島戦 ABEMA

12:10 昼食 脂質制限常 ごはn200g 豆腐60 和風あんかけ サラダ ノンドレPフレンチ さつま芋レモン煮

世界の中の日本建築

17:10 薬 血糖値

17:30 通電 看護師交代 小沢看護師

17:30 大便

18:20 夕食 脂質制限常 ごはん200g 赤魚焼き魚30 おろし大根 しょうゆP 煮物 浸し すまし汁 バナナ 薬 セレコキシブ2

日本シリーズ第2戦

19:30 体温 血中酸素濃度95 血圧OK  小沢看護師

20:55 血糖値

 

1030日(月)

:00 ぽけもん 詰将棋

4:30 ストーマ処理 お尻から少しもれる

世界の中の日本建築VER.2

6:40 体温36.3  血中酸素濃度 血圧 血糖値 朝食後薬 オセルタミビル1錠(インフルエンザ) ロスパスタチンOD(コレステロール) 1錠 セレコキシブ2錠(痛み止め) 小澤看護師 富士山がきれいだと教えてくれる。

7:30-7:50 朝食 脂質制限常 ごはん200g 味噌汁 白菜・エノキ スープ煮 浸し しょうゆP のり佃煮 ジョア125

7:50 薬 オセルタミビル75mg1錠 セレコキシブ2

8:15 看護師藤沢? 交代挨拶 薬箱回収 

3人医師 回診 お尻チェック

ポケモン散歩

希望のコミューン

907号室は、これまで二人。新入院が一人加わる。

10:1545 シャワー すっきりしたあ!

11:40 体温 血中酸素濃度 血糖値 血圧測定

12:2035 昼食 脂質制限常 ごはn200g ケチャップ煮 ボイルサラダ ノンドレPフレンチ 大根煮物

世界の中の日本建築

14:00 美智子 保険手続き

15:00 ストーマ器具 取替実習

16:15 美智子 帰宅

17:00 ストーマ手配完了 藤澤看護師

17:30 看護師交代 成清 北?(男性)松沢病院コロナ病棟から移動 血糖値

18:20-35 夕食 脂質制限常 ごはん200g かれい塩焼き30/プロ スープ煮 蒸し南瓜 りんご 薬 セレコキシブ2

18:50 大塚チーム回診 お尻を見て、明日、縫うかもと。

19:30 体温 血中酸素濃度100 血圧136  看護師黒服

20:55 血糖値


2023年10月29日日曜日

da Vinci (医療ロボット) 

 

da Vinci (医療ロボット)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ペイシェントカート

da Vinci(ダビンチ)こと、da Vinci Surgical System(ダビンチ・サージカルシステム、ダビンチ外科手術システム)は、米国インテュイティヴ・サージカル社が開発したマスタースレイブ内視鏡下手術用の手術用ロボット。名称はレオナルド・ダ・ヴィンチにちなむ[1]

コンソール(左手前)

概要[編集]

胸腔ないし腹腔の内視鏡下手術用ロボットとして初めて開発された製品であり、患者への低侵襲な手術を可能にする。システムは、サージョンコンソール、ペイシェントカート、ビジョンカートなどから構成される。3つのアームと1つのステレオ3Dカメラを搭載し、アームのカセットを交換することで、様々な処置を行うことが出来る。術者は数m離れた場所に置かれたコンソールに座って操作を行う。両眼視で見る3Dモニターを使用して下向きの目線で操作を行うために術者の疲労が少なく、視野も広く奥行きの把握も良好とされる[2]。操作は直感的で手振れ防止機能もあるために、ロボットアームで毛筆で米粒に漢字を書くような細かい作業や、1円玉より小さな折り鶴を折ることもできる。アームの先端には、人間の手首に相当する関節があり、先端を自由に屈曲・回転させることが出来る。装着可能な鉗子は40種類以上あり、スケーリング(手元で6cmの動きが、鉗子2cmの動きにも設定可能)も可能である。

患者の横には吸引作業やカセットを交換したりする補助作業者が立つ。前立腺の全摘術では、出血量の削減、術後の尿路系トラブル(主に排尿障害)の減少、患者の手術満足度の向上などのメリットが確認されている[3]鉗子は40種類以上の形状を有する[4]。臨床実績は年間28万例に達する[5]

3Dカメラを8Kの高解像度カメラにしたり、手術前に3D-CTのデータを転用したVRで模擬手術の演習を行うなどの工夫も行われている[6]

欠点[編集]

一方、手ごたえ等の触感を感知する機能が無いために、縫合糸の操作等の手加減が難しく糸を引き千切ってしまったりすることもある。アームが臓器や腹壁に接触していればわかる膵損傷を合併して死亡した例が日本で報告されているが、通常の開腹手術でも起こり得るケースだった。開腹手術にしても、ロボット手術にしても、習熟度が重要である[7]。複雑な装置ゆえにトラブルも多く、広島大学の集計では約1/7の手術で、何らかのマイナーなメカニカルトラブルが発生していると報告されている。しかし、このトラブルとは安全機構であるセーフティーストップが働いたことを指す。

開発の歴史[編集]

元々は、1980年代末にアメリカ陸軍が国防高等研究計画局(DARPA)に開発を依頼したものである[8]。アメリカ本土またはアメリカ空母に滞在中の医師によって、遠隔操作で戦場の負傷者に対して必要な手術を行うことが目的とされた。しかし、湾岸戦争が予想より早く終結したために開発は軍の関与を離れ、以後民間で開発が続けられた。1999年に完成。2000年7月にアメリカ食品医薬品局(FDA)より承認された。

日本での利用[編集]

2000年3月に慶應義塾大学病院にアジアで初めて導入、その後、九州大学病院の消化器・総合外科(第二外科)とともに2001年から2002年に治験として62例の胸腹部の手術がなされた。2009年に厚生労働省薬事・食品衛生審議会で国内の製造販売が承認された。大阪市に本社を置く医療専門商社の株式会社アダチ(adachi Inc.)が総代理店を務めていたが、2014年6月26日に開発元の日本法人インテュイティブサージカル合同会社(Intuitive Surgical G.K.)に移管された。2012年4月前立腺がんの全摘出手術が初めて保険収載された[9][10]。当時は先進医療としての認可申請はされているものの、日本においては認可されておらず、医療費健康保険の対象となっていなかったが、2012年4月1日より前立腺癌の全摘手術のみ保険適用となった(2017年現在も前立腺癌全摘術のみが適応)。診療報酬制度により前立腺癌の手術では黒字になるものの、胃癌に使用した場合には赤字になる[11][9]。日本国内最初の大学病院内へのダビンチのトレーニングセンターは2012年4月に、宇山一朗をセンター長として藤田医科大学に開所された[2]。肺癌や消化器癌、婦人科手術にも使用されているが、保険適応が認められていない為に病院側または患者側の個人負担で使用される。日本ではSiモデルが2億4800万円、Si-eモデルが1億7000万円であり、2016年9月末現在で大学病院を中心に237台導入されている。2018年の診療報酬改定で、腹腔鏡下直腸切除・切断術などの12件の術式について承認された。

2018年5月20日には、TBS系テレビドラマ『ブラックペアン』第5話に「ダーウィン」の名称で登場している[12]

東京都杉並区にあるニューハート・ワタナベ国際病院は、2019年におけるロボット心臓手術執刀数において世界一となり、アメリカのintuitive surgical社より表彰を受けている[13]

バリエーション[編集]

  • da Vinci X
  • da Vinci Xi
  • da Vinci Surgical System Si
  • da Vinci Surgical System S
  • da Vinci Surgical System (Standard)

世界での普及と後続機[編集]

2016年までに米国2,501台、欧州644台、アジア476台、全世界で3,803台が導入されている。 中国は天津大、南開大、天津医科大の共同プロジェクトとして、da Vinciに瓜二つの「妙手A」という名称の手術ロボットを開発し、2010年7月天津市科学技術委員会が承認した[14]。また、東京工業大学が開発したEMAROや、Googleは2015年にJ&Jと手術支援ロボットの共同開発を発表している。

将来のロボット手術を見据えた試み[編集]

完全な無人の手術室にロボットだけ設置して手術を行う実験(ダビンチのアームの鉗子の交換や吸引は人間が行う)や、国際宇宙ステーション上のロボットアームを地上から操作するなどの実験などが行われている。

脚注

大腸癌 入院日誌 2023年10月29日 日曜日 9:00~17:30 停電

 入院日誌 



1029日(日)

3:00 小便

ぽけもん 夢将棋

5:10 起床 ジャージー上着

世界の中の日本建築

6:03 ラグビー World Cup 決勝戦 Newzeeland11-12South Africa SA優勝

6:40 体温36.2 菅原看護師

7:50-8:00 朝食 脂質制限常 ごはん200g 味噌汁 ナメコ・豆腐 鮭缶入り煮物 煮浸し のり佃煮 ジョア125

8:00 薬 オセルタミビル75mg1錠 セレコキシブ2

日本の中の世界建築

9:00 防災施設点検のため17:00まで停電 基本灯は30分で復旧、しかし、トイレの水は流れない。10:00 トイレに行って気づく。

11:40 体温 血中酸素濃度 血糖値 血圧測定 若先生登場 お尻から漏れているというとガーゼを当てるように指示 看護師さんに当ててもらう。右腰のガーゼは要らないとその場でとる。

将棋佐藤・北島戦 ABEMA

12:10 昼食 脂質制限常 ごはn200g 豆腐60 和風あんかけ サラダ ノンドレPフレンチ さつま芋レモン煮

世界の中の日本建築

17:10 薬 血糖値

17:30 通電 看護師交代 小沢看護師

17:30 大便

18:20 夕食 脂質制限常 ごはん200g 赤魚焼き魚30 おろし大根 しょうゆP 煮物 浸し すまし汁 バナナ 薬 セレコキシブ2

日本シリーズ第2戦

19:30 体温 血中酸素濃度95 血糖値 血圧OK  小沢看護師

20:55 血糖値


地域創造のリアリティーとストーリー,対談 宮崎清・布野修司,SPACE &,三菱レイヨン,198903

 




2023年10月28日土曜日

大腸癌 2023年10月28日 最後の管を抜く シャワー許可

 


入院日誌

1028日(土)

3:30 大便 小便

NETFLIX イ・ドゥナ

5:10 起床 ジャージー上着 着

5:25 ラグビー World Cup 三位決定戦 England 23-20Newzeeland 現在 このままEngland勝利

希望の都市コミューン第三部

7:10 体温36.4度 血中酸素濃度95 血糖値問題なし 血圧 三浦 排(漿)水

 

7:50-8:00 朝食 脂質制限常 ごはん200g 味噌汁 インゲン・玉葱 豆腐あんかけ 浸し たいみそ ジョア125

8:00 薬 粉 フェブ キススタット錠10mg 大建中湯2.5g 錠剤 セレコキシブ2錠 アムロピシン2錠 OD2.5mg エクア50mg カンテザルタン4mg オセルタミビル75mg1

 

8:35-50 ポケモン散歩 1F

希望の都市コミューン第三部

9:00 体温 血中酸素濃度 血糖値 血圧

10:00 ポケモン散歩 1F

10:30 大塚先生 管抜く

希望の都市コミューン第三部

大塚チーム 若手医師2人続いて回診 シャワー浴びていい 傷口を洗え ストーマの扱い取得なら退院OK

11:00 血糖値測定 小沢看護師

12:10 昼食 脂質制限常 食パン90g ジャムP トリツクネケチャプ 煮45/チンゲン カレー風味ピクルス ジュース

12:40 薬

希望の都市コミューン第Ⅲ部送付

ポケモン散歩

13:30 美智子

14:40 ストーマ装着訓練 15:20

15:30 美智子 中野合唱団へ

 世界の中の日本建築

16:50 三浦 看護師交代 

17:20菅原看護師 薬

18:15 夕食 脂質制限常 ごはん200g 白身魚塩焼50/甘煮20 レモン サラダノンドレPサウザン 土佐煮(かぶ) 黄桃缶 薬 セレコキシブ2錠 大建中湯

19:30 体温 血中酸素濃度99 血糖値 血圧OK 

21:10 血糖値




道具に支配される現代消費社会への批判、書評 柏木博『道具の政治学』、週刊ポスト、19860725









 

2023年10月27日金曜日

直腸癌の手術方法

 












肛門から口の方へさかのぼっていくと、肛門→直腸→結腸→盲腸→小腸(回腸→空腸→十二指腸)→胃へとつながっています。大腸は結腸と直腸などを併せた総称です。

大腸がんには結腸がんと直腸がんがあります。一口に大腸がんの手術といっても、結腸がんに対する手術と直腸がんに対する手術は異なります。

結腸がんの手術

結腸がんの手術では、がんから両側10cmの範囲で結腸を切除し、残った部分をつなぎ合わせます。つなぎ合わせることを吻合(ふんごう)と言います。10cmというのは、「がんから10cm以上離れた部分への転移はまれである」という過去の研究を基準にした値です。結腸を切除することに加えてリンパ節郭清を行います。リンパ節郭清に関しては下で詳しく説明します。

直腸がんの手術

直腸がんの手術方法には、大きく分けると、直腸局所切除術、前方切除術、直腸切断術、括約筋間直腸切除術があります。

■直腸局所切除術

直腸がんの周りの部分だけ切り取る手術方法です。手術する場所に道具を届かせるために、肛門から侵入する方法と、お尻の骨(仙骨)の横から侵入する方法があります。切除する部分は、がんから1cm程度離れたところになります。早期の大腸がんに対して行われることが多い手術です。

■前方切除術(高位前方切除術/低位前方切除術)

がんのある直腸を切除する手術方法です。切除後、切除せずに残った直腸と結腸をつなげるための自動吻合器という機械も使われます。

■直腸切断術

肛門に近い直腸にあるがんに対して行う手術です。直腸と一緒に肛門も切除します。肛門を切り取ってしまうため、代わりとなる人工肛門(ストーマ)を取り付ける必要が出てきます。人工肛門から便を排泄するために、袋(パウチ)を取り付けます。最近では人工肛門の管理が進歩するとともに、人工肛門を作った人にも使いやすい公衆トイレや浴場なども見かけられるようになってきました。慣れてくると、それまでの日常生活に近い生活を送ることができます。

■括約筋間直腸切除術

肛門に近い直腸にあるがんに対して行う手術です。また、比較的早期のがんに対して行われます。肛門付近にできたがんを切り取る際に、肛門括約筋(肛門を開いたり閉じたりする筋肉)の一部を残す手術方法です。肛門括約筋は、内側(内肛門括約筋)と外側(外肛門括約筋)に分かれます。このうちがんに近い内肛門括約筋のみ切り取ります。肛門を残すことができるという利点はあるのですが、一部の筋肉を切り取ってしまうために肛門機能が低くなることもあります。

直腸がんの方が結腸がんよりも再発が多いことが分かっています。以下が再発率の比較の表になります。

【結腸がんと直腸がんの再発の起こる割合の違い】

再発部位結腸がんの再発割合直腸がんの再発割合
肝臓7.0%7.3%
3.5%7.5%

局所(がんのあった部位の近く)

1.8%8.8%

吻合部(がんを切除した断面)

0.3%0.8%
その他3.6%4.2%
合計14.1%24.3%

*太字は統計学的に有意差のあった再発部位

大腸癌研究会プロジェクト研究1991−1996年症例を参考に作成)

そのため、手術に慎重になることはもちろんですが、手術後に再発がないかをチェックするために検査も慎重に行っていきます。


リンパ節郭清

大腸がんの手術を行ううえでリンパ節郭清(かくせい)を行うことがあります。リンパ節郭清は結腸がんでも直腸がんでも行います。

大腸がんは進行するとリンパ節転移を起こします。そこで、大腸がんを取り除くとともに、転移している可能性があるリンパ節を複数まとめて取り除きます。これをリンパ節郭清と言います。

CT検査など事前に行った検査でリンパ節に転移がないように見えても、見えない転移が起こっていることがあります。手術の際、見えないリンパ節転移を取り残してしまうと、再発の原因になってしまいます。そこで、がんの近くにあって転移が起きやすいリンパ節は、がんがある場所と一緒にまとめて取り除きます。

リンパ節郭清を行う範囲は適切である必要があります。本来郭清を行うべき範囲に比べて狭い範囲しか郭清しなければ再発の危険性が上がりますし、本来郭清を行うべき範囲に比べて必要以上に郭清してしまいますと身体の負担が大きくなります。

そのため、事前の検査と手術中の様子を考え合わせて郭清する範囲が決まります。

リンパ節郭清には3段階あり、その程度は以下のとおりです。

  1. D1郭清
    • 大腸の近くにあるリンパ節(腸管傍リンパ節)を切除
  2. D2郭清
    • がんのある大腸に入ってくる血管(栄養血管)に沿ったリンパ節も切除
  3. D3郭清
    • 栄養血管の根元にある血管も切除
    • 上に記したリンパ節郭清のうちD3郭清が最も多くのリンパ節を切除します。実際にどの程度の範囲を郭清することが推奨されているかは下の表をご覧ください。
    • 深達度郭清の範囲
      Tis:粘膜内にとどまる郭清しない or D1
      T1a:粘膜下層(1000μm未満)に達するD2
      T1b:粘膜下層(1000μm以上)に達するD2
      T2:固有筋層に達するD2 or D3
      T3:固有筋層を超えるが漿膜を超えないD3
      T4a:漿膜を超えるD3
      T4b:漿膜を超えて周辺の臓器に達するD3
      ◎リンパ節転移のある場合D3

      リンパ節転移のない場合は、大腸がんの深達度によって郭清範囲が決まります。大腸がんのリンパ節転移がある場合は、D3郭清が選択されます。つまり、転移しているリンパ節の周囲のリンパ節も転移している可能性があるので疑わしい部分を全て切除するような形になります。

    • 腹腔鏡下手術


      腹腔鏡下手術は、腹腔鏡(ふくくうきょう)と呼ばれる内視鏡の一種を、大腸の中ではなく、大腸の外側の隙間(腹腔)に入れて行う治療です。

      図:腹腔の概念のイラスト。腹腔鏡下手術では腹腔の中に器具を入れて操作する。

      お腹の数カ所に小さい穴を開けて、ポートと呼ばれる細い筒を入れ、炭酸ガスで腹腔を膨らませます。

      ポートの中に腹腔鏡を入れて腹腔の中を映し出します。映った様子を見ながら内視鏡治療のように腹腔鏡用の医療機材を操作して手術を行います。

      腹腔鏡下手術のメリットは皮膚につける傷が小さくて済むため、痛みが少ないこと、回復が早いこと、出血量が少ないことが挙げられます。一方、デメリットとしては、お腹を開く手術とは別の高度な技術が必要であること、手術時間が長くなること、手術費用が高くなることが挙げられます。

    • 人工肛門(ストーマ)について

      人工肛門(ストーマ)をおなかに作る場合には、多くの人が不安を感じます。ストーマは一見「痛そう」に見えますが、痛みを伝える神経がないので、排泄時や触れた際に痛みを感じることはありません。

      手術後に便を処理する方法や、ケアの方法を看護師とともに練習します。便をためるストーマ袋には防臭加工がされているため、トイレで便を処理するとき以外は臭うことはほとんどなく、扱いに慣れれば漏れることもありません。また、仕事や外出、軽い運動や入浴など、通常の生活を送ることができます。

      図10 人工肛門(ストーマ)
      図10  人工肛門(ストーマ)の図

      3)腹腔鏡ふくくうきょう下手術・ロボット支援下手術

      腹腔鏡下手術では、二酸化炭素でおなかをふくらませ、おなかの中を内視鏡(腹腔鏡)で観察しながら手術を行います。腹腔鏡下手術は開腹手術に比べておなかのきず(創)が小さいため、手術後の痛みが少なく回復が早いという長所がある一方、開腹手術に比べて手術時間が長くなりやすくなります。がんの部位や体格、以前に受けた手術などにより、手術の難しさが左右されるため、腹腔鏡下手術を受けるかどうかは、担当医とよく相談してください。

      また、腹腔鏡下手術と同じように、二酸化炭素でおなかをふくらませ、内視鏡と関節のついたロボットアームを挿入して手術を行うロボット支援下手術があります。腹腔鏡下手術と比較して、より繊細な手術操作が可能となると期待されています。しかし、長期的な治療成績についてはまだ十分には分かっていないため、ロボット支援下手術が可能かどうかは、担当医とよく相談してください。

    • ダヴィンチ(ロボット支援腹腔鏡下手術)

      腹腔鏡下手術とは

      腹腔鏡下手術とは、手術部位周辺に小さな穴をいくつか空け、そこに直径12㎜程度の『ポート』と呼ばれる筒状の棒を立てその棒に鉗子を入れて行う手術です。
      鉗子には種類があり、適宜取り替えながら行います。体の中の様子はカメラを通じて映し出されますので、執刀医はその画像を見ながら作業をします。

      当院泌尿器科では、現在、腎臓に関する手術の6割ぐらいは腹腔鏡下手術で行っています。副腎(ホルモンを作る臓器)の手術にいたっては8割方が腹腔鏡下手術です。もちろん、病状や病期により腹腔鏡下手術が適さない場合もあります。

      消化器でも、大腸の手術は全国的には7割近く、胃も3割程度は腹腔鏡に移行していると思います。また、2010年度から肝臓の腹腔鏡が保険適用となりました。当初、肝臓の手術は腹腔鏡ではできないだろうと言われていましたが、道具と技術の進化により可能となり、安全性が認められました。

      ロボット支援腹腔鏡下手術とは

      通常の腹腔鏡手術では医師が直接鉗子を操作して行いますが、「ダヴィンチ」による手術ではロボット支援"と言われているように鉗子の操作はロボットアームにより行われます。ですが、そのロボットアームを動かすのはあくまでも執刀医で、執刀医は「サージョンコンソール」という機械に座り、術野の3D画像を見ながら、4本のロボットアームを遠隔操作します。

      開腹手術と比較した腹腔鏡手術の主なメリット

      図

      ① 手術中の出血量が少ない
      開腹手術と比較すると、筋肉を切る量が少ないので、出血量が少なく、輸血の必要性も低くなります。

      ② 傷口が小さい
      鉗子を挿入するための穴は直径5㎜~12㎜ほどの小さなものです。
      ※術式により異なる場合もあります。

      ③ 術後の疼痛が少なく、感染症のリスクも低い
      傷口が小さいため、術後の疼痛が比較的軽いことに加え、開腹手術に比べると感染症のリスクも低くなります。

      ④ 回復が早い
      傷口が小さいので、「美容的」なメリットもあり、疼痛も少ないので術後の回復が早く、早期退院、早期社会復帰が可能となります。

      ⑤ 機能の温存性が高い
      鉗子の操作性が高く、緻密な手術が可能なため、機能を温存する可能性が高まります。

      泌尿器科の領域では、副腎は体の中心にあり肉眼では見えにくいのですが、腹腔鏡であれば臓器の近くまでカメラで寄って見ることができ、より視野が良いことも、術者にとってのメリットです。ただし、あくまでもポートを立てた場所を支点にした作業になりますので、どうしても可動域の制限は出ます。

      外科の手術を受ける患者さんの中には、開腹の方が緻密な手術だと思っている方もいらっしゃいますが、むしろ、細かい作業にこそ腹腔鏡が強みを発揮します。一方で、大きな塊や重量のある臓器を取り除くのには開腹手術の方が適しています。

      通常の腹腔鏡下手術と「ダヴィンチ」による手術の違い

      • 図
        3D画像とロボットアームの操作
      • 図
        「ダヴィンチ」の鉗子

      「ダヴィンチ」による手術では、鉗子の操作はロボットアームにより行います。そのロボットアームを動かす執刀医は、「サージョンコンソール」という機械に座り、術野の3D画像を見ながら、4本のロボットアームを遠隔操作します。

      通常の腹腔鏡ではポートに入れた鉗子の先が開閉するだけですが、「ダヴィンチ」では鉗子の先が人間の手首と同じように自在に曲がるので、可動域が広くなり、鉗子には人間のような関節があり、腹腔鏡下手術では不可能だった「手」の様な動きが再現できます。また、通常の腹腔鏡手術の画像は2次元が主流ですが、「ダヴィンチ」では、いわゆる3Dで奥行の確認ができます。

      従来の腹腔鏡下手術に比べて、奥行きを読み取って、手の様な動きが再現出来るようになったので、より正確な手術が可能となりました。