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2024年12月25日水曜日

研究発表:「近代世界システムと植民都市」, 日本学術振興会,第6回千年持続学フォーラム,東京大学生産技術研究所,2005年10月15日

 第6回千年持続学フォーラム                  20051015

「近代世界システムと植民都市」

布野修司 滋賀県立大学大学院環境科学研究科

 

 0 はじめに 研究経緯

   カンポンKampungの世界([2][3])→スラバヤ・エコハウス

居住環境整備 アジア居住地モデル エコ・ハウス エコ・シティ

   都市組織研究:街区組織ー都市型住宅 ショップハウスの世界史

   チャクラヌガラ→ジャイプル→マドゥライ ラサ・ヴァーラナシー→曼荼羅都市論([11])          アユタヤ、ピマーイ、チェンマイ、ノンハン

   ラホール・アーメダバード・オールド・デリー         →

   パタン・バクタプル・カトマンズ→ カトマンズ盆地都市 Stupa & Swastika(出版予定)

   東アジア都市 北京・台北 韓国:日本植民都市 慶州・蔚山 日本人移住漁村

   植民都市研究 英国植民都市研究 プレトリア・ニューデリー・キャンベラ

                   カルカッタ・ムンバイ・チェンナイ([6])

   オランダ植民都市・・・ジャカルタ・スラバヤ、マラッカ、ゴール・コロンボ、コーチン、ケープタウン、レシフェ、キュラソー、パラマリボ・・・([8]

 

主要関連著書・

[1]スラムとウサギ小屋,青土社,単著,1985128

[2]『インドネシアにおける居住環境の変容とその整備手法に関する研究---ハウジング計画論に関する方法論的考察』(東京大学),1987

[3]カンポンの世界,パルコ出版,単著,1991725

[4]住まいの夢と夢の住まい・アジア住居論,朝日新聞社,単著,19971025

[5]廃墟とバラック・・・建築のアジア,布野修司建築論集Ⅰ,彰国社,単著,1998510

[6] 植えつけられた都市 英国植民都市の形成,ロバート・ホーム著:布野修司+安藤正雄監訳,アジア都市建築研究会訳,Robert Home: Of Planting and Planning The making of British colonial cities、京都大学学術出版会、20017,監訳書

[7]布野修司+アジア都市建築研究会:アジア都市建築史,昭和堂,2003815

[8]布野修司編著書:『近代世界システムと植民都市』、京都大学学術出版会、2005225

[9] Shuji Funo: Peter J.M. Nas (ed.):Indonesian town revisited, Muenster/Berlin, LitVerlag, 2002Shuji Funo: The Spatial Formation in Cakranegara, Lombok

[10]Shuji Funo: Peter J.M. Nas(ed.), “Directors of Urban Change in Asia ”, Routledge Advances in Asia-Pacific Studies, Routledge, 2005Shuji Funo: Tokyo: Paradise of Speculators and Builders,

[11]『曼荼羅都市―ヒンドゥー都市の空間理念とその変容―』、京都大学学術出版会、20062月予定

 


0 カンポンの世界

Kampungとは?

英語のコンパウンドcompoundkampungが訛ったものである(OED.

椎野若菜、「「コンパウンド」と「カンポン」---居住に関する人類学用語の歴史的考察---」、『社会人類学年報』、Vol.262000

樹木で覆われた屋敷地が集まって、周囲を柵や土塁で囲われた住区がカンポンである。

人類学で一般的に用いられるコンパウンド、ホームステッド、セトルメント、さらにホーム、ハウスといった言葉を検討する中で、椎野若菜は、カンポンという言葉がコンパウンドに転化していく過程に西欧諸国の植民地活動があるとする[。すなわち、バントゥン、バタヴィアあるいはマラッカにおいて民族集団毎に囲われた居住地の一画を指してそう呼ばれていたのが、インドの同様な都市の区画も同様にそう呼ぶようになり(インド英語Anglo-Indian English)、カンポン=コンパウンドはアフリカ大陸の囲われた集落にも用いられるようになったという。

→→Compound  

1 (東洋で)囲いをした白人居留構内, 白人屋敷《住宅_商館などがある》
2
囲いのある場所《収容所など》研究社

 

カンポンの語源については、ポルトガルのcampanha, campo(キャンプの意)の転訛、フランス語のcampagne(田舎countryの意)の転訛という説もあるが、マレー語のカンポンがその由来であるというのがOEDであり、その元になっているのが、ユールとバーネルのインド英語の語彙集である。Yule, H. and Burnel, A.C., Hobson-Jobson: A Glossary of Colloquial Anglo-Indian Works and Phrases, and of Kindred Terms, Etymological, Historical, Geographical and Discursive, Delhi: Munshiram Manoharalal, 1903(1968)

 

Kampungの特性・・・居住地モデルとしてのカンポン

•1.多様性

•2.全体性

•3.複合制

•4.高度サービス社会 屋台文化

•5.相互扶助システム

•6.伝統文化の保持

•7.プロセスとしての住居

•8.権利関係の重層性

KIPの手法

カンポン・ハウジング・システム


 近代世界システムと植民都市

 

 ◎植民都市研究 

文化変容(支配vs支配、西欧vs土着)研究

近代世界システム研究

発展途上国の都市問題 Primate City EMR

 

 ■植民都市

  All cities are in a way colonial.

   都市の起源 

A余剰説 B市場説 C軍事(防御)説

D宗教(神殿)説 E権力説

プランティング

  植民都市の類型

    lodge factory fort castle city

 

  植民地化の過程と構造

   都市計画の世界史上の二大転換点

    火器・攻城法

    産業化:蒸気船・蒸気機関車 内陸支配

         モータリゼーション 飛行機

         情報技術

 

 ■植民都市の特性

植民都市は、宗主国と植民都市、植民都市と土着社会の二重の支配-被支配関係を基礎に成立している。また、植民地と植民都市の関係、植民帝国における諸植民都市との関係、さらには最終的には世界経済システムに包摂される諸関係の網目の核に位置する。そうした様々な関係は、植民都市内部の空間編成として表現される。西欧世界と非西欧世界(文明と野蛮)、宗主国と植民地(中心と周縁)の支配-非支配関係を媒介(結合-分離)するのが植民都市である。

 

A 複合社会lural society 

二重経済構造:

B 結節点

C 複写と転送

D 都市村落

E セグリゲーション

















 


◎オランダ植民都市

 ■ポルトガル・スペイン オランダ フランス・イギリス

■モデル インディアス法 S.ステヴィン・モデル

 ■オランダ植民都市の特性:低地・港湾モデル 城郭二重構造 要塞・市街の二元構成 グリッド? 植民都市の原型

   出島:土木治水技術:都市居住の形式:柱状モデル


 

 


 残滓:出島・ゼーランディア・エルミナ

 世界遺産都市:マラッカ・ゴール・コーチン 

究極のセグリゲーション:ケープタウン

世界都市:ジャカルタ

 

 

●都市の生と死

  都市の完成とは?

  Never Ending Process?

 

2024年12月6日金曜日

報告:アジアの都市と居住モデル,「都市におけるテクノロジーと人間に関する調査」研究会政策科学研究所,2001年10月29日

 政策科学研究所 

 「都市におけるテクノロジーと人間に関する調査」研究会
アジアの都市と居住モデル        20011029

 布野修司(京都大学)

 

 はじめに

   ・建築計画→地域生活空間計画

  ・カンポン調査(東南アジアの都市と住居に関する研究)

  ・「イスラームの都市性」研究

  ・アジア都市建築研究

  ・植民都市研究

             

 [1]布野修司:戦後建築論ノート,相模書房, ,1981615

  [2]布野修司:スラムとウサギ小屋,青土社,1985128

  [3]布野修司:住宅戦争,彰国社,19891210

  [4]布野修司:カンポンの世界,パルコ出版,1991725

  [5]布野修司:戦後建築の終焉,れんが書房新社,1995830

  [6]布野修司:住まいの夢と夢の住まい・アジア住居論,朝日新聞社, 19971025

  [7]布野修司:廃墟とバラック:建築のアジア,建築論集Ⅰ,彰国社,1998510

  [8]布野修司:都市と劇場:都市計画という幻想,建築論集Ⅱ,彰国社,1998610

  [9]布野修司:国家・様式・テクノロジー:建築のアジア,建築論集Ⅲ,彰国社,1998710

 [10]布野修司:裸の建築家:タウンアーキテクト論序説、建築資料研究社,2000310

 住居関連

[2]布野修司:見知らぬ町の見知らぬ住まい,彰国社,編著,1990

 [4]布野修司:見える家と見えない家,叢書 文化の現在3,岩波書店,共著

[6]布野修司:日本の住宅 戦後50, 彰国社,編著,19953

  [9]布野修司:日本の住居1985,戦後40年の軌跡とこれからの視座,建築文化,彰国社,共著,1985

 [29]布野修司:これからの中高層ハウジング,建設省住宅局,丸善,共著,1993

 [35]布野修司:講座 現代居住全5巻 第2巻 家族と住居,早川和男編,東京大学出版会,共著,19967

 [38]布野修司:21世紀の集合住宅・・・持続可能で豊かな社会をめざして,中高層ハウジング研究会,19983

 

[1]布野修司:環境の空間的イメージーーーイメージマップと空間認識,M.W.ダウンズ ダビット. ステア共編 吉武泰水監訳,IMAGE AND ENVIRONMENT---Cognitive Mapping and Spatial Behavior, edited by Roger M, Downs & David Stea, Aldine Publishing Co. Chicago 1973,曽田忠広 林章 布野修司 岡房信共訳,鹿島出版会,共訳書,1976

[2]布野修司:生きている住まいー東南アジア建築人類学(ロクサーナ・ウオータソン著 ,布野修司(監訳)+アジア都市建築研究会,The Living House: An Anthropology of Architecture in South-East Asia,学芸出版社,監訳書,19973

[3] 布野修司:植えつけられた都市--英国植民都市の形成、ロバート・ホーム著 ,布野修司+安藤正雄(監訳)+アジア都市建築研究会, Of Planting and Planning The Making of British Colonial Cities ,監訳書, 京都大学学術出版会、20017

 

アジアの都市と居住モデル

 

Ⅰ.東南アジアの都市居住・・・都市カンポンの構成

                         :スラバヤをめぐって

   ○スラバヤの都市形成過程とその構造

   ○カンポンの構成

   ○カンポン住居の類型と変容プロセス

 

Ⅱ.東南アジアのハウジング・プロジェクト

   ○東南アジア各国の住宅政策

   ○セルフヘルプによるハウジング

   ○インフォーマル・グループの試み

   ○カンポン・ススン

 

Ⅲ.スラバヤ・エコハウス

 

 

 

Ⅳ.アジアの都市型住居

    Cakranegara---Jaipur

     Katumandu(Hadigaon, Patan, Thimi) Lahore ---Ahmedabad---Delhi

     Beijing--- Kyoto

    Taipei

     Ulsan--- Kyongju   

 

 

地域生活空間計画研究フレーム

 

 Ⅰ 居住空間システム

 

 [8]布野修司,田中麻里(京都大学):バンコクにおける建設労働者のための仮設居住地の実態と環境整備のあり方に関する研究,日本建築学会計画系論文集,483,p101-109,1996.05

[17]田中麻里(群馬大学),布野修司,赤澤明,小林正美:トゥンソンホン計画住宅地(バンコク)におけるコアハウスの増改築プロセスに関する考察,日本建築学会計画系論文集,512,p93-99,199810

 

  ◎ヴァナキュラー建築 住居の原型? 集合の基本形式

 [7]脇田祥尚,布野修司,牧紀男,青井哲人:デサ・バヤン(インドネシア・ロンボク島)における住居集落の空間構成,日本建築学会計画系論文集,478,p61-68,1995.12

 [9]脇田祥尚(島根女子短期大学),布野修司,牧紀男(京都大学),青井哲人(神戸芸術工科大学),山本直彦(京都大学):ロンボク島(インドネシア)におけるバリ族・ササック族の聖地,住居集落とオリエンテーション,日本建築学会計画系論文集,489,p97-102,199611

[14]山本直彦(京都大学),布野修司,脇田祥尚(島根女子短期大学),三井所隆史(京都大学):デサ・サングラ・アグン(インドネシア・マドゥラ島)における住居および集落の空間構成,日本建築学会計画系論文集,504,p103-110,19982

 

 

  Ⅱ カンポン・ハウジング・システム

 

 [1]布野修司,前田尚美,内田雄造:「インドネシアのスラムの居住対策と日本の経験との比較」  第三世界の居住環境とその整備手法に関する研究 その1,日本都市計画学会 学術研究論文集 19,1984

 [2]布野修司,前田尚美,内田雄造:「インドネシアのカンポンの実態とその変容過程の考察」  第三世界の居住環境とその整備手法に関する研究 その2,日本都市計画学会,学術研究論文集20,1985

 [6]布野修司:カンポンの歴史的形成プロセスとその特質,日本建築学会計画系論文報告集,433,p85-93,1992.03

  ・カンポン・インプルーブメント・プログラム(KIP) 

    ・ルーマー・ススン

[12]布野修司,山本直彦(京都大学),田中麻里(京都大学),脇田祥尚(島根女子短期大学):ルーマー・ススン・ソンボ(スラバヤ,インドネシア)の共用空間利用に関する考察,日本建築学会計画系論文集,502,p87~93,199712

    ・スラバヤ・エコハウス

 

  Ⅲ 街区組織と都市型住居 Urban Tissues

    グリッドThe Grid  

    コスモロジーCosmology 

    イスラームの都市原理 Hindu City & Islam City 

    棲み分けSegregation 

    街区組織と地域社会Block Pattern and Community Organization 

    Urban House Prototype

 

 

[10]布野修司,脇田祥尚(島根女子短期大学),牧紀男(京都大学),青井哲人(神戸芸術工科大学),山本直彦(京都大学):チャクラヌガラ(インドネシア・ロンボク島)の街区構成:チャクラヌガラの空間構成に関する研究 その1,日本建築学会計画系論文集,491,p135-139,19971

[11]布野修司,山本直彦(京都大学),黄蘭翔(台湾中央研究院),山根周(滋賀県立大学),荒仁(三菱総合研究所),渡辺菊真(京都大学):ジャイプルの街路体系と街区構成ーインド調査局作製の都市地図(1925-28)の分析その1,日本建築学会計画系論文集,499,p113~119,19979

[19]山根周(滋賀県立大学),布野修司,荒仁(三菱総研),沼田典久(久米設計),長村英俊(INA):モハッラ,クーチャ,ガリ,カトラの空間構成ーラホール旧市街の都市構成に関する研究 その1,513,p227~234, 199811

[20]黒川賢一(竹中工務店),布野修司,モハン・パント(京都大学),横井健(国際技能振興財団):ハディガオン(カトマンズ,ネパール)の空間構成 聖なる施設の分布と祭祀,日本建築学会計画系論文集,514,155-162p,199812

[22]竹内泰,布野修司:「京都の地蔵の配置に関する研究」,日本建築学会計画系論文集,520,263-270p,19996

[23]韓三建,布野修司:「日本植民統治期における韓国蔚山・旧邑城地区の土地利用の変化に関する研究」,520,219-226p,19996

[25]闕銘宗(京都大学),布野修司,田中禎彦(文化庁):新店市広興里の集落構成と寺廟の祭祀圏,日本建築学会計画系論文集,521,p175181,19997

[28]トウイ,布野修司:北京内城朝陽門地区の街区構成とその変化に関する研究,日本建築学会計画系論文集,526,p175-183,199912

[29]Mohan PANT(京都大学),布野修司:Social-Spatial Structure of the Jyapu Community Quarters of the City of Patan, Kathmandu Valley, カトマンドゥ盆地・パタンのジャプ居住地区:ドゥパトートルの社会空間構造 ,日本建築学会計画系論文集,527,p177-184,20001

[30]根上英志,山根周,沼田典久,布野修司:マネク・チョウク地区(アーメダバード、グジャラート、インド)における都市住居の空間構成と街区構成,日本建築学会計画系論文集,535,p ,20009

[31]正岡みわ子,丹羽大介,布野修司:京都山鉾町における祇園祭と建築生産組織,日本建築学会計画系論文集,535,p ,20009

[32]トウイ,布野修司,重村力:乾隆京城全図にみる北京内城の街区構成と宅地分割に関する考察,日本建築学会計画系論文集,536,p,200010

 

 

 Ⅳ 世界都市史研究

 

 植民都市研究 All cities are in a way colonial

      Pretolia New Delhi Canberra

      Munbai Chennnai Calcutta

      田園都市計画

 

 

 

補1 21世紀の集合住宅 3つの供給基本モデル

A モデル設計の5つの柱 

        スケルトン分離

       オープンシステム

       居住者参加

       都市型町並み形成

       環境共生

B 供給モデル

  o型 one owner

       a型 association

       b  bond

C スケルトンモデル

        O型 柱列型 column

        A型   壁体スケルトン wall

       B型 地盤型スケルトン base

*(OAB)x(abc) 

 

  補2 住居をめぐるいくつかのアクシス 住まいの夢と夢の住まい

      所有形式(所有-無所有、定住-移住、恒久-仮設)

      集合形式(独居-群居、男性-女性、複数家族ー核家族)

      空間形式(有限-無限、限定-無限定、自由-不自由)

      環境形式(場所-無場所、自然-人工、地下-空中)

      技術形式(画一性-多様性、自己同一性-大衆性、地域性-普遍性)

      象徴形式(生-死、コスモス-カオス、永遠ー瞬間)

 

布野修司 履歴 2025年1月1日

布野修司 20241101 履歴   住所 東京都小平市上水本町 6 ー 5 - 7 ー 103 本籍 島根県松江市東朝日町 236 ー 14   1949 年 8 月 10 日    島根県出雲市知井宮生まれ   学歴 196...