Traverse02 新建築学研究第2号創刊
21世紀である。とりたてて変化はないと思うけれど、どこか気分は改まる。アメリカ合衆国の大統領も替わり、我が国にも構造改革を掲げる新たな首相が登場した。少なくともわが国には、21世紀を迎えて、新たな風が吹くかのような雰囲気はある。
日本の建築界が、この間、大きな転機を迎えていることは間違いない。日本の産業構造が大きく変わる中で、建設業界は大きく構造改革を求められている。公共事業削減の流れは、建設活動に大きな影響を及ぼしている。そうした中で、建築界の体質そのものの改善が求められているのである。
以上のような日本の建築をとりまく環境の変化は、しかし、単に外部条件の変化ではない。建築のあり方に根源的に関わる変化と考えるべきである。フローからストックへ、スクラップ・アンド・ビルド(建てては壊す)時代から既存ストックの再生、再利用へ、という方向性には、建築観そのものが関わっているのである。
いわゆる環境問題が顕在化するなかで、地球環境が全体の枠組みとして登場してきたことも大きい。個々の建築活動も地球全体の問題に直結する、そうした時代には、建築についての新たなパラダイムが求められるであろう。
21世紀を迎えて、大きな変革への流れを見据えながら、本質的な議論をしたい。時代に対して敏感でありながら、深い思索を重ねたい。Traverseの願いである。(S.F. 2001.05.01)。
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