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2026年2月4日水曜日

traverse06 はじめに, traverse, 2005

 Traverse06 はじめに

 

インド洋大津波の当日(20041226日)、スリランカのゴールに居て命拾いした。その時のことは求められるままに書いたが、世界史的事件だったといっていい。スリランカなど、地震など全くなく、7世紀に編まれたという『マハーヴァムサ』という古文書に依れば、紀元前2世紀頃、王女が波にさらわれたという伝承が記されているだけだという。それが津波だったとすれば、実に2200年ぶりだったことになる。

ゴールで400人、周辺で2000人、スリランカ全体で33000人が亡くなった。何かできることはないかということもあって、7ヶ月にインド・スリランカの津波被災地を訪れてきたのであるが、特に、スリランカの場合、未だに津波の爪痕が生々しい。海岸線から100m以内に建築禁止令が出されたせいである。しかし、それにしても津波の力は相当のものである。

コロンボ周辺は死亡者こそ少なかったものの、海岸部に居住していた不法占拠者たちが大きな被害を受けた。各国のNGOがまるで援助を競うようにプロジェクトを打ち上げつつあるが、応急仮設住宅建設の段階は終わり、復興住宅建設が今後の大きな課題である。仮設住宅地は、共同施設もそれなりに用意され、コミュニティもしっかりしていて、独居老人が人知れず亡くなるといった状況には全くない。

坂茂、セシル・バルモンドといった有名どころが、復興住宅を手がけるというが具体的なプロジェクトについては不明であった。今のところ日本の影は薄いように思われた。何かうまいプロジェクトが組めないものか。

振り返って日本で、信じられないような電車事故が起こった。電車というのがかくもひ弱なボディをしていたとは。経済的合理性のみ求める管理運営体制がしきりに問題にされたが、早さを求めて軽量化を追求してきたその方向に同じような問題はないのか。

改革、改革のスローガンが叫び続けられてついに総選挙である。改革の実は果たして上がっているのか、正直わからない。確かなことは世代交代が確実に進行しつつあることである。(布野修司)

 

 

2026年1月25日日曜日

講演:アート・スタディーズ第5回 パネル・ディスカッション「国体明徴運動と2.26事件」 布野修司「帝冠併合様式と東京帝室博物館」,大谷省吾「北脇昇の「図式」絵画について」,飯沢耕太郎「「信仰写真」から「前衛写真」へ」他,東京国立博物館,2005年12月17日

 講演:アート・スタディーズ第5回 パネル・ディスカッション「国体明徴運動と2.26事件」 布野修司「帝冠併合様式と東京帝室博物館」,大谷省吾「北脇昇の「図式」絵画について」,飯沢耕太郎「「信仰写真」から「前衛写真」へ」他,東京国立博物館,20051217



2025年1月10日金曜日

「近代世界システムと植民都市」、都市の持続性に関する学融合的研究 第6回フォーラム 「植えつけられた都市-近代世界システムと植民都市」、20051015

都市の持続性に関する学融合的研究

第6回フォーラム

「植えつけられた都市-近代世界システムと植民都市」

 

■日 時:20051015日(土)10:0018:00

■場 所:東京大学生産技術研究所生産研駒場キャンパスD6Dw601

     目黒区駒場4-6-1(井の頭線駒場東大前 下北沢方面口下車 徒歩7分 民芸館前)
(地図 http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/map/komaba.html

■主 催:日本学術振興会 人文・社会科学振興プロジェクト

「千年持続学・都市の持続性に関する学融合的研究」

■企 画:山根 周(滋賀県立大学人間文化学部講師)

     大田省一(東京大学生産技術研究所助手)

     村松 伸(東京大学生産技術研究所助教授)

■問い合わせ:03-5452-6442(東京大学生産技術研究所村松研究室)

 

■フォーラム主旨

古くは古代ギリシア、ローマの時代より各地に建設されてきた植民都市。近代以降、西欧諸国の海外進出にともない世界中に数多くの植民都市が建設された。アメリカ大陸、アジア、アフリカには、植民都市を起源として発展し、現在も生き続ける都市が多数存在する。

植民都市はその起源、機能、形態、発展段階などにより様々な類型が可能であり、あらゆる都市の諸相を備えている。同時に、支配-被支配という社会構造を前提として成立する植民都市は、都市がもつ本質を先鋭的に表現する。そこに「すべての都市はある意味で植民都市である」(R.Home)というテーゼが提出される。

本フォーラムでは、近代世界システムの形成過程の中で建設され発展を続けた植民都市に焦点を当て、その空間、社会、歴史的発展プロセス、ネットワーク、等々に関する議論を通して、都市の持続に関して、植民都市から何が見えてくるのかを探りたい。

第1部では『近代世界システムと植民都市』(京都大学学術出版会)の成果をふまえ、植民都市研究の現場から見えてきた都市の特質について、多くの事例を通して検証する。

第2部および第3では、建築史、経済史、社会学の領域からの問題提起を受け、「都市の持続」と「植民都市」の関わりについて、さまざまな角度からの議論を展開したい。

 


■プログラム

イントロダクション 10:0010:15

山根 周(滋賀県立大学人間文化学部講師)

「世界の植民都市概観」

 

第1部

1.布野修司(滋賀県立大学環境科学部教授)10:1511:15

「近代世界システムと植民都市」

 

2.應地利明(立命館大学文学部教授)11:1512:15

「植民都市からメガロポリスへ」

 

(昼食)12:1513:15

 

第2部

1.籠谷直人(京都大学人文科学研究所助教授)13:1514:00

「歴史でみる帝国・帝国主義・主権国家・ネットワーク」

 

2.上田貴子(近畿大学文芸学部講師)14:0014:45

「奉天都市論」

 

3.大田省一(東京大学生産技術研究所助手)14:4515:30

Empire Builder―帝国をつくった人たち」

 

4.村松 伸(東京大学生産技術研究所助教授)15:3016:15

「植民都市はひとを幸せにしたのか?」

 

(休憩)16:1516:30

 

第3部

ディスカッション(司会:山根 周)16:3018:00

「すべての都市は植民都市である?」

 


■講師略歴

◇布野修司(滋賀県立大学環境科学部教授/建築計画・都市計画)

1949年島根生まれ。1976年東京大学大学院工学研究科博士課程中退。東京大学助手、東洋大学講師、同助教授、京都大学助教授を経て現職。著書に『カンポンの世界』(パルコ出版、1991)、『布野修司建築論集Ⅰ~Ⅲ』(彰国社、1998)、『裸の建築家…タウンアーキテクト論序説』(建築資料研究社、2000)、『アジア都市建築史』(昭和堂、2003、編著)、『近代世界システムと植民都市』(京都大学学術出版会、2005、編著)など。

 

◇應地利明(立命館大学文学部教授/地域研究)

1938年大阪生まれ。1964年京都大学大学院文学研究科博士課程中退。京都大学文学部教授、同東南アジア研究センター教授、同大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授、滋賀県立大学教授などを経て現職。著書に『西南アジアの農業と農村』(同朋舎、1967、共著)、『南アジアを知る事典』(平凡社、1992、共著)、『絵地図の世界像』(岩波書店、1996)など。

 

◇籠谷直人(京都大学人文科学研究所助教授/アジア経済史)

1959年京都生まれ。1986年一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。著書に『1930年代のアジア国際秩序』(渓水社、1999、共編著)、『岩波講座 世界歴史19 移動と移民-地域を結ぶダイナミズム』(岩波書店、1999、共著)、『アジア国際通商秩序と近代日本』(名古屋大学出版会、2000)など。

 

◇上田貴子(近畿大学文芸学部講師/中国史、東洋文化論)

兵庫生まれ。大阪外国語大学大学院言語社会研究科言語社会専攻博士後期課程修了。中華人民共和国青島大学、遼寧大学留学。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て現職。著書に「1926年哈爾濱における自治権回収運動と地域社会:地域エリートと国際性」(大阪外国語大学言語社会学会『EXORIENTE5号、2001)、「1920年代後半期華人資本の倒産からみた奉天都市経済」(日本現代中国学会『現代中国』75号、2001)、『近代中国東北地域に於ける華人商工業資本の研究』(大阪外国語大学博士論文シリーズvol.182003)など。

 

◇大田省一(東京大学生産技術研究所助手/建築史・アジア都市研究)

1966年富山生まれ。1998年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程単位取得退学。東京大学東洋文化研究所東洋学研究情報センター助手を経て現職。著書に『アジア建築研究』(INAX出版、1999、共編著)、『東京大学東洋文化研究所所蔵 清朝建築図様図録』(山愛書院;星雲社、2005、共編著)など。

 

◇村松 伸(東京大学生産技術研究所助教授/アジア建築史・都市論・再生論)

1954年静岡生まれ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。北京・清華大学留学。ソウル大学、ハーバード大学客員研究員。著書に『上海・都市と建築 一八四二-一九四九』(パルコ出版、1991)、『超級アジア・モダン 同時代としてのアジア建築』(鹿島出版会、1995)、『中華中毒 中国的空間の解剖学』(作品社、1998)、『アジア建築研究』(INAX出版、1999、監修)、『象を飼う 中古住宅で暮らす法』(晶文社、2004)など 

2025年1月7日火曜日

 アジアの都市と集落,第七期神楽坂建築塾,20051217

 2005年12月17

 神楽坂建築塾

                                      SF.

 

 1979年1月、何かの縁に導かれて、アジアへ向かうことになった。最初の旅は、インドネシア(ジャワ、スマトラ)、タイである。以降、四半世紀、アジア各地を歩き回っている。最初にターゲットにしたのは、東ジャワのスラバヤという都市で、もう何度も通って、第二の故郷のようだ。スラバヤには定点観測しているカンポンkampungがある。カンポンというのは日本語で言うとカタカナでいう「ムラ」という感じである。都市なのに「ムラ」という。このカンポン、英語のコンパウンドの語源だと言うことをしばらくして知った。カンポンでの経験を『カンポンの世界』(パルコ出版、1991年)にまとめた後、しばらくはロンボク島に通った。チャクラヌガラという都市を発見して、何故か、インド大陸に足を伸ばすことになった。そして、また都市の世界が蘇った。経緯は省くが、・・・・・・・次々とテーマが押し寄せてきて、毎年何度もアジアに出掛けることになり、挙げ句の果てには、「オランダ植民都市」の歴史を追いかけて世界一周の旅を二度まですることになった。この間の成果が、『アジア都市建築史』(昭和堂)であり、『住まいの夢と夢の住まい・・・アジア住居論』(朝日新聞社)、『近代世界システムと植民都市』(京都大学学術出版会)、『:生きている住まいー東南アジア建築人類学』(ロクサーナ・ウオータソン著 ,布野修司(監訳)+アジア都市建築研究会)、『植えつけられた都市 英国植民都市の形成,』(京都大学学術出版会)、そして、最新刊『世界住居誌』(昭和堂)である。

 まず、アジア都市建築研究の課題を議論した上で(座学)、アジアのヴァナキュラー建築の世界の魅力を覗いてみたい。

2024年12月25日水曜日

研究発表:「近代世界システムと植民都市」, 日本学術振興会,第6回千年持続学フォーラム,東京大学生産技術研究所,2005年10月15日

 第6回千年持続学フォーラム                  20051015

「近代世界システムと植民都市」

布野修司 滋賀県立大学大学院環境科学研究科

 

 0 はじめに 研究経緯

   カンポンKampungの世界([2][3])→スラバヤ・エコハウス

居住環境整備 アジア居住地モデル エコ・ハウス エコ・シティ

   都市組織研究:街区組織ー都市型住宅 ショップハウスの世界史

   チャクラヌガラ→ジャイプル→マドゥライ ラサ・ヴァーラナシー→曼荼羅都市論([11])          アユタヤ、ピマーイ、チェンマイ、ノンハン

   ラホール・アーメダバード・オールド・デリー         →

   パタン・バクタプル・カトマンズ→ カトマンズ盆地都市 Stupa & Swastika(出版予定)

   東アジア都市 北京・台北 韓国:日本植民都市 慶州・蔚山 日本人移住漁村

   植民都市研究 英国植民都市研究 プレトリア・ニューデリー・キャンベラ

                   カルカッタ・ムンバイ・チェンナイ([6])

   オランダ植民都市・・・ジャカルタ・スラバヤ、マラッカ、ゴール・コロンボ、コーチン、ケープタウン、レシフェ、キュラソー、パラマリボ・・・([8]

 

主要関連著書・

[1]スラムとウサギ小屋,青土社,単著,1985128

[2]『インドネシアにおける居住環境の変容とその整備手法に関する研究---ハウジング計画論に関する方法論的考察』(東京大学),1987

[3]カンポンの世界,パルコ出版,単著,1991725

[4]住まいの夢と夢の住まい・アジア住居論,朝日新聞社,単著,19971025

[5]廃墟とバラック・・・建築のアジア,布野修司建築論集Ⅰ,彰国社,単著,1998510

[6] 植えつけられた都市 英国植民都市の形成,ロバート・ホーム著:布野修司+安藤正雄監訳,アジア都市建築研究会訳,Robert Home: Of Planting and Planning The making of British colonial cities、京都大学学術出版会、20017,監訳書

[7]布野修司+アジア都市建築研究会:アジア都市建築史,昭和堂,2003815

[8]布野修司編著書:『近代世界システムと植民都市』、京都大学学術出版会、2005225

[9] Shuji Funo: Peter J.M. Nas (ed.):Indonesian town revisited, Muenster/Berlin, LitVerlag, 2002Shuji Funo: The Spatial Formation in Cakranegara, Lombok

[10]Shuji Funo: Peter J.M. Nas(ed.), “Directors of Urban Change in Asia ”, Routledge Advances in Asia-Pacific Studies, Routledge, 2005Shuji Funo: Tokyo: Paradise of Speculators and Builders,

[11]『曼荼羅都市―ヒンドゥー都市の空間理念とその変容―』、京都大学学術出版会、20062月予定

 


0 カンポンの世界

Kampungとは?

英語のコンパウンドcompoundkampungが訛ったものである(OED.

椎野若菜、「「コンパウンド」と「カンポン」---居住に関する人類学用語の歴史的考察---」、『社会人類学年報』、Vol.262000

樹木で覆われた屋敷地が集まって、周囲を柵や土塁で囲われた住区がカンポンである。

人類学で一般的に用いられるコンパウンド、ホームステッド、セトルメント、さらにホーム、ハウスといった言葉を検討する中で、椎野若菜は、カンポンという言葉がコンパウンドに転化していく過程に西欧諸国の植民地活動があるとする[。すなわち、バントゥン、バタヴィアあるいはマラッカにおいて民族集団毎に囲われた居住地の一画を指してそう呼ばれていたのが、インドの同様な都市の区画も同様にそう呼ぶようになり(インド英語Anglo-Indian English)、カンポン=コンパウンドはアフリカ大陸の囲われた集落にも用いられるようになったという。

→→Compound  

1 (東洋で)囲いをした白人居留構内, 白人屋敷《住宅_商館などがある》
2
囲いのある場所《収容所など》研究社

 

カンポンの語源については、ポルトガルのcampanha, campo(キャンプの意)の転訛、フランス語のcampagne(田舎countryの意)の転訛という説もあるが、マレー語のカンポンがその由来であるというのがOEDであり、その元になっているのが、ユールとバーネルのインド英語の語彙集である。Yule, H. and Burnel, A.C., Hobson-Jobson: A Glossary of Colloquial Anglo-Indian Works and Phrases, and of Kindred Terms, Etymological, Historical, Geographical and Discursive, Delhi: Munshiram Manoharalal, 1903(1968)

 

Kampungの特性・・・居住地モデルとしてのカンポン

•1.多様性

•2.全体性

•3.複合制

•4.高度サービス社会 屋台文化

•5.相互扶助システム

•6.伝統文化の保持

•7.プロセスとしての住居

•8.権利関係の重層性

KIPの手法

カンポン・ハウジング・システム


 近代世界システムと植民都市

 

 ◎植民都市研究 

文化変容(支配vs支配、西欧vs土着)研究

近代世界システム研究

発展途上国の都市問題 Primate City EMR

 

 ■植民都市

  All cities are in a way colonial.

   都市の起源 

A余剰説 B市場説 C軍事(防御)説

D宗教(神殿)説 E権力説

プランティング

  植民都市の類型

    lodge factory fort castle city

 

  植民地化の過程と構造

   都市計画の世界史上の二大転換点

    火器・攻城法

    産業化:蒸気船・蒸気機関車 内陸支配

         モータリゼーション 飛行機

         情報技術

 

 ■植民都市の特性

植民都市は、宗主国と植民都市、植民都市と土着社会の二重の支配-被支配関係を基礎に成立している。また、植民地と植民都市の関係、植民帝国における諸植民都市との関係、さらには最終的には世界経済システムに包摂される諸関係の網目の核に位置する。そうした様々な関係は、植民都市内部の空間編成として表現される。西欧世界と非西欧世界(文明と野蛮)、宗主国と植民地(中心と周縁)の支配-非支配関係を媒介(結合-分離)するのが植民都市である。

 

A 複合社会lural society 

二重経済構造:

B 結節点

C 複写と転送

D 都市村落

E セグリゲーション

















 


◎オランダ植民都市

 ■ポルトガル・スペイン オランダ フランス・イギリス

■モデル インディアス法 S.ステヴィン・モデル

 ■オランダ植民都市の特性:低地・港湾モデル 城郭二重構造 要塞・市街の二元構成 グリッド? 植民都市の原型

   出島:土木治水技術:都市居住の形式:柱状モデル


 

 


 残滓:出島・ゼーランディア・エルミナ

 世界遺産都市:マラッカ・ゴール・コーチン 

究極のセグリゲーション:ケープタウン

世界都市:ジャカルタ

 

 

●都市の生と死

  都市の完成とは?

  Never Ending Process?

 

布野修司 履歴 2025年1月1日

布野修司 20241101 履歴   住所 東京都小平市上水本町 6 ー 5 - 7 ー 103 本籍 島根県松江市東朝日町 236 ー 14   1949 年 8 月 10 日    島根県出雲市知井宮生まれ   学歴 196...