2005年12月17日
神楽坂建築塾
S。F.
1979年1月、何かの縁に導かれて、アジアへ向かうことになった。最初の旅は、インドネシア(ジャワ、スマトラ)、タイである。以降、四半世紀、アジア各地を歩き回っている。最初にターゲットにしたのは、東ジャワのスラバヤという都市で、もう何度も通って、第二の故郷のようだ。スラバヤには定点観測しているカンポンkampungがある。カンポンというのは日本語で言うとカタカナでいう「ムラ」という感じである。都市なのに「ムラ」という。このカンポン、英語のコンパウンドの語源だと言うことをしばらくして知った。カンポンでの経験を『カンポンの世界』(パルコ出版、1991年)にまとめた後、しばらくはロンボク島に通った。チャクラヌガラという都市を発見して、何故か、インド大陸に足を伸ばすことになった。そして、また都市の世界が蘇った。経緯は省くが、・・・・・・・次々とテーマが押し寄せてきて、毎年何度もアジアに出掛けることになり、挙げ句の果てには、「オランダ植民都市」の歴史を追いかけて世界一周の旅を二度まですることになった。この間の成果が、『アジア都市建築史』(昭和堂)であり、『住まいの夢と夢の住まい・・・アジア住居論』(朝日新聞社)、『近代世界システムと植民都市』(京都大学学術出版会)、『:生きている住まいー東南アジア建築人類学』(ロクサーナ・ウオータソン著 ,布野修司(監訳)+アジア都市建築研究会)、『植えつけられた都市 英国植民都市の形成,』(京都大学学術出版会)、そして、最新刊『世界住居誌』(昭和堂)である。
まず、アジア都市建築研究の課題を議論した上で(座学)、アジアのヴァナキュラー建築の世界の魅力を覗いてみたい。
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