このブログを検索

ラベル 展覧会 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 展覧会 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年1月21日火曜日

PRESCRIPTION,木村恒久vs布野修司、『生きるためのデザイン』,Harbourfront Center, Toront, Canada,2001 地球のデザイン・・・環境の遺伝子、木村恒久vs布野修司 生きるためのデザイン 

 PRESCRIPTION,木村恒久vs布野修司、『生きるためのデザイン』,Harbourfront Center, Toront, Canada2001









地球のデザイン・・・環境の遺伝子

布野修司

 

 雑用にかまけた日常の時の流れを一瞬中断しての瞬間的応答でしたけれど、実に刺激的でした。言葉のやりとりが木村さんの作品に直接結びついたとは毛頭おもいません。むしろ、木村さんの発する言葉に僕の方が大いに挑発されたのです。

「環境」の概念=「プログラムのロボット化」=「テキストの使い捨て」=「環境問題」

 というのは難解なテーゼですが、今日の世界が抱える問題の本質をついているというのが直感です。

 そして、「遺伝子」が問題だ、というのには正直共感しました。

 普段は身近な建築や都市のデザインを考えているのですが、どんな小さな空間、例えば住居、のあり方も地球全体の問題につながります。地球のデザインこそが今日の最大の問題です。しかし、環境の遺伝子こそが問題だ、と考えることで大きな手がかりが得られたように思えるのです。

 木村さんの作品を前にして、以上の理解はいささか観念的かもしれません。木村さんの作品には図式をストレートに表現するといった次元を超えた不気味な迫力があります。表現はフィールドであるという、その創造の現場での格闘を共有したいと思います。時代の根源を見つめる思考もまたなんらかの遺伝子でつながっている筈です。

 

恐ろしく魅力的に思えるけれど、いささか難解なキーワードが並ぶ。正直言ってこうしたコンセプトをヴィジュアルな表現に直結させるこの知性がうらやましい。

たどたどしく、制作意図を辿ればこういうことか。

「環境」の概念=「プログラムのロボット化」=「テキストの使い捨て」=「環境問題」

こうした回路の中でデザイナーは「プログラムの傍観者」と化している。そこでどうするか。展覧会は「デザイン使い捨て時代」における知的創造のシミュレーションである。

そして、焦点は「文化のブラックホール化」であり、具体的にはプログラムを利用する上位の「ゲームとしてのプログラムの開発」こそがキーとなる。といっても、あくまでも上位のプログラムの開発者としてデザイナーは延命すべきだいうのではないだろう。

既存のプログラムを活用しながら、ブラックボックスに幽閉された、新たな関係性のコンテンツを浮き彫りにする行為が知的課題なのだ、という。インターネットの無限の闇に分け入って、新たなネットワークを浮き彫りにしろ、ということか。全てのデザイナーよ、ハッカーとなれ!、木村さんらしい。

しかし、突然、遺伝子である。遺伝子のブラック・ボックスから新たな諸関係が見いだせるか・・・それは確かに21世紀の最大の問題だ。ヒトゲノムはほぼ解読されたというのである。遺伝子によって全てが予言しうるとしたら、デザイナーなどという存在は既にいないのである。

鋭い感性で時代を直感する木村さんと違って、建築屋の僕としてはもうちょっと具体的に身近な環境問題が気になる。あるいは、精一杯背伸びすれば地球のデザインこそが問題だ。環境の遺伝子、都市の遺伝子、地球の遺伝子についても同様なテーマ設定が可能ではないかと思う。

ダイオキシンとか、アセトアルデヒドとか、かつて想像だにできなかったことが起こる。環境ホルモンとは一体なんだ。環境そのものが人間の遺伝子を脅かしつつあるのである。

エネルギー問題、食糧問題、人口問題・・・この地球環境の遺伝子をめぐってはまともな理論がない。楽観論、悲観論が飛び交う中で明らかに何かが隠されている。そして、不気味な死が地球の最も弱い場所で既に進行している。それを具体的に浮き彫りにすることは、たとえ地獄をみようが、知的創造作業と言うべきだと思う。

2023年9月10日日曜日

新居照和・ヴァサンティ 建築展 共に生きる 人・自然・時をつなぐ、ギャラリー むかしむかしと昔と今を、20220506~0510

新居照和+新居ヴァサンティ論「新たな建築家像を目指して インドに学ぶー地域に生きる原理」『住宅建築』,201003
新居照和・ヴァサンティ 多種多様なものの生きる原理,新たな建築家像を目指して 布野修司対談シリーズ9,新居照和・ヴァサンティ,日刊建設通信新聞社,19980407
AERA編集部編:建築学がわかる,AERA Mook,朝日新聞社,1997910






 

2022年8月17日水曜日

シンポジウム:都市と建築の現在と未来,オーストリア現代建築展京都展「ミニマルを超えて」,19990206,シンポジウム,"高松伸,布野修司,竹山聖,Peter Alison, Friedlich Achleitner"

シンポジウム:都市と建築の現在と未来,オーストリア現代建築展京都展「ミニマルを超えて」,19990206,シンポジウム,"高松伸,布野修司,竹山聖,Peter Alison Friedlich Achleitner"




2022年5月2日月曜日

2022年2月21日月曜日

『室内』から「世界」を斬る 講師:山本夏彦が残したもの『室内』の52年展『室内』の50年と日本の家づくり50年,INAXギャラリー大阪2006年10月10日(金)

 『室内』から「世界」を斬る 講師:山本夏彦が残したもの『室内』の52年展『室内』の50年と日本の家づくり50年,INAXギャラリー大阪2006年10月10日(金)





布野修司 履歴 2025年1月1日

布野修司 20241101 履歴   住所 東京都小平市上水本町 6 ー 5 - 7 ー 103 本籍 島根県松江市東朝日町 236 ー 14   1949 年 8 月 10 日    島根県出雲市知井宮生まれ   学歴 196...