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2025年1月4日土曜日

宇曽川(愛知川・犬上川・芹川)下流域の環境(空間・景観)形成についてのメモ, 滋賀県立大学、2007

 宇曽川(愛知川・犬上川・芹川)下流域の環境(空間・景観)形成についてのメモ

2007528

布野修司

特記無き図版は、『新修 彦根市史 第一巻』(2007年)より

地形

南東から北西にかけて流れる4つの河川(芹川、犬上川、宇曽川、愛知川)によって形づくられた流域は、山裾から広がる扇状地、それに続く氾濫原(後背湿地)、そして琵琶湖岸に形成された砂堆(さたい)浜堤(ひんてい)とその背後(すなわち、砂堆と氾濫原の間)に形成された三角州からなる。

砂堆(浜堤):河川によって流されてきた砂が琵琶湖の沿岸流によって堆積することによって形成された湖岸の微高地 松林 松原、大藪、八坂、須越、三津屋、薩摩、柳川などの集落が立地する

内湖:(松原内湖)、野田沼、曽根沼、(じん)(じょう)沼 葦地の形成

 自然堤防:三角州と氾濫元の間に洪水堆積によって形成された微高地:集落が立地

 独立丘:彦根山、佐和山、雨壺山、鳥籠山、荒神山、  多景島

水系

 取水口:扇状地の扇頂部  犬上川の一の井、二の井

 湧水:扇状地の末端部

 旧河道:

 付け替え:彦根城下町の縄張り

 自噴式井戸 ドッコイショ地帯 出水 生水(しょうず

古代遺構

 縄文遺跡 黒曜石

 弥生遺跡 環濠集落と高地性集落 妙楽寺遺跡、屋中寺廃寺、長野遺跡、普光寺遺跡、芝原遺跡、

 古墳時代 荒神山古墳 大和政権 渡来系氏族 遣隋使・遣唐使

 律令国家と近江 大津宮 古代寺院 

  国ー郡―里(=50戸)  国司―郡司―里長

  坂田郡・犬上郡・愛知郡・神崎郡

   郷 

  ()()と荘園支配

    東大寺、水沼村覇流荘

 

 

交通

 東山道 律令国家  道と(うまや)30里に1駅)  ()(この)駅 横川駅 不破関

    古代東山道 中世東海道 近世中仙道 

  宿

 朝鮮人街道 海道筋 下海道筋

 

 湖上水運 湊 朝妻湊  琵琶湖回船

  市  八坂商人 保内商人 五箇商人

 地割

 条理制: 三世一身法(723) 班田図の整備(742) 墾田永年私財法(743

   町(60(109m)四方 約1.2ha) 6町×6町=里 条=東西6町

   高橋誠一他、「滋賀県犬上郡における条理と灌漑システムー芹川中流域右岸を中心として」、『滋賀大学教育学部紀要』、1985

   高橋誠一、『日本古代都市研究』、古今書院、1994

   谷岡武雄、『平野の開発』、古今書院、1964

   中野栄夫、「近江国愛知荘故地における開発と潅漑」、『地方史研究』1381975

   田中勝弘、「残存条里と集落遺構」、『滋賀考古学論叢』21985

 

 荘園制:律令制(公地公民)→私有地 売券 荘園整理令902 1069 

     犬上荘、清水荘、善理荘、後三条勅旨田

 

 太閤検地1591(天正19)年   検地帳 大橋村(芹川町)と下平流村(稲里町)が残る

名請人(耕作者) 一地一作人  村請 村切り

      一反(段) 360歩→300

集落

 国領遺跡:11世紀―12世紀

 八坂東遺跡:12世紀-13世紀

 妙楽寺遺跡:弥生 古墳―平安 平安―室町  戦国都市 港町

 古屋敷遺跡:14世紀―16世紀 

 甘呂城 蓮台寺城 

日夏村 1950年 彦根市に合併  筒井・五僧田・安田・泉・寺・妙楽寺・中沢・島 ・・・村 

  朝鮮人街道 海道筋 下海道筋

 甘呂

 開出今





2024年11月25日月曜日

しまね景観賞 審査表、島根県、1996

 

メテオプラザ

布野修司

 

 隕石の落ちたというハプニングを積極的に町おこしに生かしたいということもあって、また、隠岐島への玄関口であるということもあって、通常の機能を超えた象徴的な表現が強く求められた建築作品である。公開ヒヤリング方式の設計競技(コンペティション)によって設計者が選ばれたのであるが、その際、周辺の漁港の風景に調和的に連続する案とこの実施案とが最終的に残り、議論となった。最終的に象徴性を最大限に表現するこの作品が選定されたのであるが、決め手となったのは隠岐への行き帰りに必ず眼にする海側からの景観である。

 景観というのは、時に、新しく創り出されるものである。また、敢えて自然と対立する表現としてすぐれた景観が成立する場合もある。記憶に残る景観創出の新しい意欲的な試みとして大いに評価したい。

 

 

羽須美村立羽須美中学校

 

 山間に建てられたしっとりと落ちついた中学校である。指名コンペ方式で選定され実施された作品だという。校庭に面して設けられた緩やかにカーブした二層の回廊がやわらかな雰囲気を醸し出している。打ち放しのコンクリートの仕上げが主体である中に、木材が使用されているのも効果的で、柔らかな空間の印象を与えるのに寄与しているように思えた。周囲の景観に溶け込む秀作である。 

  ただ、落ちついた雰囲気の中庭に対して校庭側の色彩の扱いが少し中途半端で徹底しないように個人的には思った。すなわち、青、赤、黄色、緑といった原色が鉄骨部分に塗られるのであるが、そう効果があがっていないように思えたのである。色を絞るか、面積をもう少し増やすか、少しものたりないのである。景観を考える上で色彩は難しい。生成(きなり)の色が日本人の感覚に合うというのであるが、もう少し、大胆に色を使う例があってもいいとも思う。

 

布野修司 履歴 2025年1月1日

布野修司 20241101 履歴   住所 東京都小平市上水本町 6 ー 5 - 7 ー 103 本籍 島根県松江市東朝日町 236 ー 14   1949 年 8 月 10 日    島根県出雲市知井宮生まれ   学歴 196...