出雲市まちづくり景観賞 96年度講評
布野修司
応募総数は47件と昨年より一件多く、まちづくり景観賞もすっかり定着したようである。例年応募作品を見て回るのがいささかあわただしかったのであるが、今年は丸一日時間をとってじっくり見て回ることができた。 今年も3点に絞るのはなかなか大変であった。結果として、これまでに景観賞を受賞してないものを優先することとなった。
緑台町内会は、民間の町並み形成の努力が高く評価された。住宅メーカーや大手のディベロッパーの事例は多いが、数戸でも町並みに寄与することができる貴重なモデルケースになっている。
住田邸は、公共空間に庭を開放している処理が高く評価された。また、新しい素材感覚と軽快な屋根形態が新しい町並み形成の可能性として評価された。
板垣邸の前の空間は実に楽しい設えになっている。通りを通る人の眼を和ませてくれる。
以上のようにこれまでの6回の受賞作とは異なったタイプのものを取り上げたために当然受賞していい作品が選から漏れたことは心苦しい限りであった。続けて応募していただけるようお願いする次第である。
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