講演:都市美とアーバンアーキテクト,都市美協会,宇治市,19961031
平成8年度近畿地方都市美協議会 都市景観研修会
テーマ:都市美とアーバン・アーキテクト
1996年10月31日 13:00~
宇治市産業会館
布野修司(ふのしゅうじ)
京都大学工学部助教授/工学博士
経歴
1949年 島根県生まれ
1972年 東京大学工学部建築学科卒業
1976年 同大学院博士課程中途退学 同助手
1978年 東洋大学講師
1984年 東洋大学助教授
1991年 京都大学助教授~至現在
「インドネシアにおける居住環境の変容とその整備手法に関する研究」(学位請求論文)で、日本建築学会賞(論文賞)受賞(1991年)。現在、建築フォーラム(AF)、サイト・スペシャルズ・フォーラム(SSF)などで活動。建築同人誌『群居』編集長。
著書
『戦後建築の終焉・・・世紀末建築論ノート』 れんが書房新社 1995年
『戦後建築論ノート』 相模書房 1981年
『スラムとウサギ小屋』 青土社 1985年
『住宅戦争』 彰国社 1989年
『カンポンの世界』 パルコ出版 1991年
『これからの中高層ハウジング』 丸善 1992年
『建築・町並み景観の創造』 技報堂 1993年
『十町十色』 丸善 1994年
『戦後建築の来た道行く道』 東京都設計者厚生年金 1995年
『見知らぬ町の見知らぬ住まい』(布野修司編) 彰国社 1990年
『現代建築ーーーポスト・モダニズムを超えて』 新曜社 1993年
『見える家と見えない家』 岩波書店 1981年
『建築作家の時代』(布野修司 藤森照信 柏木博 松山巌) リブロポート 1987年
『悲喜劇・1930年代の建築と文化』 (同時代研究会編) 現代企画室 1981年
『作法と建築空間』(日本建築学会編) 彰国社 1990年
『新建築学体系1 建築概論』(大江宏編) 彰国社 1982年
『建築計画教科書』(建築計画教科書研究会編) 彰国社 1989年他
主な委員
1991年~ 建築文化・景観問題研究会座長(建築技術教育普及センター)
1991年~ 出雲市まちづくり景観賞審査委員長
1993年 8月~1995年 7月 滋賀県景観審議会委員
1993年 8月~1997年 3月 島根県しまね景観賞審査委員
島根県景観審議会委員
専門
地域生活空間計画(建築計画 都市・地域計画)
平成8年度近畿地方都市美協議会 都市景観研修会
テーマ:都市美とアーバン・アーキテクト
1996年10月31日 13:00~
宇治市産業会館
はじめに
京都の景観問題 : 建築文化景観問題研究会
島根県・滋賀県景観審議会委員 出雲まちづくり景観賞委員
全国景観会議
●テーマと結論
アーバン・アーキテクト シティ・アーキテクト タウン・アーキテクトをアーバン・デザインの仕組みの中で位置づけたい その日本的コンテクストの中で考えたい
マスターアーキテクト制
:熊本アートポリス CTOクリエイティブ・タウン岡山 富山のまちの顔づくりプロジェクト:コミッショナー制
シティ・アーキテクト:ベルリン
建築市長:シュヴェービッシュ・ハル市34、000人
大市長・・市長2 建築市長と財政担当市長 企画局が建築市長補佐
ローテンブルグと違って新しいデザインも
都市デザインコミッティー:ミュンヘン市 月一回
フリーの建築家4 都市計画課3 建築遺産課1 州の建築遺産課1
3年毎にメンバー入れ替え 権限は勧告のみ 否定拒否はしない
→景観アドヴァイザー制度 景観パトロール
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景観問題とは
なぜ都市デザインか
なぜ景観問題か:まちのアイデンティティーか。
景観とは何か:landshaft:landscape 土地に固有な
風景 風情 風水 景色 風光 ・・・
まちのアイデンティティを消すもの:近代建築の理念
ポストモダン 入母屋御殿
1.景観形成の基本原理
・・・・『建築・まちなみ景観の創造』(技法堂)
景観形成の指針ー基本原則
地域性の原則
地区毎の固有性
景観のダイナミズム
景観のレヴェルと次元
地球環境と景観
中間領域の共有
景観形成のための戦略
合意形成
ディテールから
公共建築の問題
タウンアーキテクト
まちづくり協議会
景観基金制度
2.景観形成の手法と問題点・・・具体的な事例を通して
素朴な疑問
・京都の景観問題→高さのみが問題か
・景観条例と景観マニュアル・・・規制と規制緩和→誘導
60年代後半 66金沢 倉敷 高山 京都 全国200→400
1975 伝統的建造物保存地区 神戸 景観形成地区
80年代 モデル事業
→伝統的建造物の登録制1996
景観条例→地区詳細計画の日本版という位置づけ
形態規制の問題 法的根拠
規制の根拠
美観地区、風致地区は1919年より 屋外広告物取締法とリンク
美観地区が生きているのは京都だけ 東京は条例をつくっていない
→市街地景観整備条例 千代田区 鎌倉←法的根拠もつ
←専門家がどう関わるか
・公共建築の発注方式
・景観審議会は何をするのか:
湖畔の高層建築:景観基準を守ればいいのか:視点場
建築的配慮:立地が既に問題
建築家の姿勢:コンセプトの稀薄性
●SRIC DESIGN FORUM PROJECT 95 について
『明日の都市デザインへーーー美しいまちづくりへの実践的提案』
意識醸成○調査
・デザイン・サーベイ
・景観評価 現状把握
建築士によるモニター:写真撮影 記録
町並みウオッチング 景観百選 景観記録
・・・ユニークな地域把握 校歌 方言 湧水分布 海からの景観
・景観賞 →マンネリ化
各種イヴェント、啓発事業とのリンク
アーバン・デザイン行政とのリンク
顕彰委員会の構成の問題
→アーバン・デザイン・コミッティーとのリンク
企画・計画
・街づくりの主体・・・縦割り行政の弊害
駅前再開発:補助金制度:所有区分
・「伝統」と「地域」のステレオタイプ化
出雲大社と古都慶州
植民地建築・・・バタビア城と朝鮮総督府
オーセンティシティと世界遺産
本物 真実性 コピーとレプリカ 木造と石造
維持管理のシステム/セッティング・周辺環境
・立体模型・・・ファーレ立川
・百年計画のすすめ・・・奈良町百年計画
京都グランドヴィジョン
実践○
○環境と建築のコラボレーション
・隙間のデザイン
土木と建築 高架下のデザイン 空き地のデザイン
○工業製品
・景観材料・・・アジアの景観を探るーー材料の未来
THINK GLOBALLY,DESIGN LOCALLY
生態的側面、形式美学的側面、文化的側面、経済的側面
PRESERVATION OF LANDSCAPE , CREATION OF URBAN LANDSCAPE
MANAGEMENT OF URBAN SPACE
HOLISTIC APPROACH , LONG-TERM LANDSCAPE MASTER PLAN ,
ECOLOGICALLY SOUND AND SUSTAINABLE DEVELOPMENT(ESSD)
VISUAL COMPLEXITY
SENSE OF LANDSCAPE SENSE OF PLACE
サラダ・ボール: 一元的理論 アダプタブリー・リユース
水の文化 アジアの多様性
○法制
・町家再生という課題・・・防火規制
木造建築の再生手法
①文化財保護法98ー2 83ー3
②建築基準法3ー1ー3
③建築基準法67ー2
④都市計画区域の変更
○保存
伝健地区42箇所
登録文化財
美観地区・風致地区
屋外広告物法 禁止区域 自家用広告物は除外 創意工夫がない企業がつくる
国立公園内
○アート構築物
ファーレ立川
○調整
・公共事業の発注方式・・・公開ヒヤリングコンペの経験
・パートナーシップ方式・・ワークショップ方式
3.景観形成と「アーバン・アーキテクト」
・「アーバン・アーキテクト」とは
「シティ・アーキテクト」「タウン・アーキテクト」
「コミュニティ・アーキテクト」
・地と図・・・・何故、アーバン・アーキテクトか
・アーバン・アーキテクトの仕事