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2024年1月31日水曜日

『群居』第15号 特集 ”大野勝彦とハウジング戦略” 1987年8月21日

 『群居』第15号 特集 ”大野勝彦とハウジング戦略” 1987年8月21日

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2003年2月 そろそろ大詰め?  早くも大詰め? 『建築雑誌』編集長日誌 2001年4月25日~2003年5月31日

『建築雑誌』編集長日誌               野修司

 

2003年2月    

 そろそろ大詰め?

 早くも大詰め?

 

 

2003年2月3

 ライデンであったテヘランのソヘイラからメール。京都に来るかもしれないと言う。まさに縁、ネットワークである。

 

Dear Shuji,

Surprise to get a mail from me? You will be more surprised when you read it!

I have just filled out an application to the International Research Center for Japanese Studies in Kyoto for a research position for 2005-06.They are offering a post to an Iranian researcher.

As my topic I have suggested: An anthropological study of women of Kyoto. Within the application I had to propose the name of a few scholars who would be willing to collaborate in the project. Since I have worked on women in public and private space I thought a comparative study, as part of this research project, could be worked on by architectural considerations. This is why I thought, if the project is accepted, eventually I could ask for your help in bibliographic references, and perhaps have discussions with you to have some feedback on my comprehension of Japanese space.

If you agree, I could give your name and address to this center. Please let me know. If you want, I could also send you the project.

I am sorry if it is vague, I cannot be more precise at this stage. But I will become if the project is accepted. They will let me know by the end of July. I hope it will work out!

With my best regards,

Soheila

 

 研究室OBの佐藤総合に勤めるマイケルこと、水谷俊博君からメール。彼は、ワークショップ方式で美野里町文化センターを完成したばかりである。茨城新聞社刊の『文化がみの~れ物語』(200211月)を送ってくれた。一緒に送ってくれた新聞記事を見ると、なんと水谷君がピエロのような衣装で舞台で踊っている。これからは「唱って踊れる建築家」じゃなければ駄目なのだ。

 

2003年2月5日

 宇治市景観審議会。広原盛明会長、初年度の答申を提出する。記者発表。

 

小野寺さんから仙田会長からのメールの転送。

布野先生
1.仙田会長からのメールを転送します。
大学院生の確保は経営的にも今後の課題となっています。
早速ですが、土木学会誌1月号をみましたか。
 1)現在、建築学会誌の発行がいつも月末になっていますが、月初めになりませんか。
 2)学生編集員というのを土木学会誌でやっていますが、とても良いと思います。建築学会でも考えましょう。
 3)特に学部生、大学院生の意見をもっと学会誌に反映できるようにしてくれませんか。
  上記、布野先生にもお伝え下さい。
  仙田 満
 2.1月号「設計入札反対」をきっかけに、建築学会・土木学会の正副会長会議で、また共同編集が話題になった模様。土木学会から、地球環境、リサイクルなどをテーマに共同編集できないかとの提案があったそうです。
 取り急ぎご連絡のみで失礼します。建築学会 小野寺


 編集委員長を仰せつかった時に、いくつかご相談申し上げたけれど、直接のサジェスチョンは始めてである。尤も、2の共同編集については理事会でも話題となり、これまでに書いたと思う。既に残り号数が少ないことから、困ったなあと思っていたけれど、さらに催促されたかたちである。1月号特集「入札反対!?」に四会から出席いただいたからまあいいかというのが編集委員会の雰囲気であった。それに、「地球環境」、「リサイクル」は既に別の形で取り上げているところである。

 1の1)については、全員必死で取り組んでいるところである。1月号に、月初めに会員の手元に届くことを宣言して敢えてプレッシャーを自らにかけたところである。今のところ10日早くなり、12月号までには早める予定である。

 1の2)は突然でとまどう。意見はあるけれど編集委員会の議題になる。しかし、時間切れの感じがしないでもない。

 1の3)については、これまで意識して来なかったわけではない。20022月号「公共空間―なんでこうなるの?」、9月号「建築年報2002」、11月号「都市の行方」には、限られているとはいえ、大学院クラスの参加をみている。

 10日の編集委員会で議論したいと思う。

 

2003年2月6日

 建築雑誌4月号特集「建築コストと市場:バブル崩壊後の展開と将来」 座談会 17:00~19:00。主旨は以下の通り。

 建築界の中で「コスト」が議論の対象として浮上する背景に、建設の需給関係のギャップが深くかかわっていることが多い。10年前のバブル期には旺盛な民間建築需要により、労務費をはじめとして工事費の高騰が起こった。その結果として当時、公共工事では入札不調が相次いでいる。ところがバブル崩壊で局面は変わった。さらにこの時期に起きた公共工事をめぐる不祥事をきっかけとして、建築コストの「透明性」を追及する世論が吹き出し、コスト縮減の方向に一気にかたむいた。建設コストについての内外価格差の問題提起はそれに一役買った。そして現在、長引く不況による建設需要の低迷により過度なコスト競争(ダンピング)が生じ、生産構造の末端(下請や職人)へのしわよせ、生産組織の弱体化、建築の品質低下等が問題視されている状況がある。

 こうした建築コストのデフレ傾向は今までに経験のなかった事態である。バブル崩壊後の10余年を建築コストの面から再評価し、建設業界のとるべき戦略を探る。

 

担当の岩松さんがメモを用意して下さった。時代を振り返るのをさきにやると長くなるので、いきなり問題に突っ込んだ方がいい、とアドヴァイス。最初の一ラウンドを司会する。しかし、出席者は多くて、座談会というより会議である。

「バブル崩壊後の建設業界~コスト、経営を中心に」

ゼネコン関係者+業界紙(誌)記者+コスト管理小委員会                                                                                              8p

バブル期の異常な需要にわいた建設業界は、バブル崩壊を機に需要や価格面でのデフレスパイラルに突入した。建設業界にバブル以降生じたことについて、実務家の視点から議論いただき、この10数年に生じた事実を概観する。

○予定する大まかな流れ

1)時代を振り返る         ・・・いくつかのデータ(キーワードの記事数)、年表                         ・・・建築コスト・プライス等の用語定義

2)実態の議論をする      ・・・バブル前後のコストの推移等についてのデータ

3)制度・仕組みの議論をする

4)将来展望をする

○キーワード

建築のコスト/建築のプライス/コスト縮減政策/内外価格差/官民格差/予定価格制度/予定価格の事前・事後公表/競争入札/数量公開/公共工事コスト/重層構造/労務費の圧縮/談合/バブル/デフレスパイラル/建設業の経営/産業構造調整/リストラ/新規事業分野/コスト情報の提供/生産性向上/技術革新

(注)   の単語については、新聞記事数検索を実施

建築における「コスト」と「プライス」の違いについて

1)コストとプライスの定義

建築の価格

プライス

交換価値をベースにした概念

l  商品を買う側がその商品についていくらの価値を認めるか。

l  いくらなら買うかで決まる。

建築の原価

コ ス ト

商品の価値を表す概念

l  商品をつくる側が生産に投入した費用によって基本的に決まるもの。

l  同じものを作るのでも手際が良いほど安く、逆に悪いほど高いことになる。これは買い手にしてみれば明らかにおかしなことであり、おのずから社会的に平均化されざるを得ない面をもつ。

(注)荒木睦彦「三題噺建築の価格、原価、品質について」建築文化7804建築経済231より

 

2取引の立場によりコストとプライスが入れ替わる

経済協力開発機構(OECD)とEurostatが作成した建築費指数に関する報告書「Construction Price Indices: Sources and methods」(OECD, Eurostat[1997])では、各国の建築費指数について、建設費を構成するどのような価格要素を指数に含んでいるかにより3タイプに分類している。これは建設物に関してのどの段階での取引価格に注目しているかによる違いである。この図式では、取引の立場によりコストとプライスが入れ替わることになる。(名称にはすべて「プライス」がついているが)

<建設費に関する指数の3タイプ

Input Price Index

 

Output Price Index

 

Seller's Price Index

(投入価格指数)

 

(産出価格指数)

 

(販売者価格指数)

請負者により支払われる

 

発注者により支払われる

 

最終所有者により支払われる

資材

 

資材

 

資材

労務

 

労務

 

労務

機材

機材

機材

運送

 

運送

 

運送

エネルギー

 

エネルギー

 

エネルギー

その他コスト

 

その他コスト

 

その他コスト

 

 

 

 

 

 

 

請負者の利益、オーバーヘッド

請負者の利益、オーバーヘッド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

付加価値税

 

 

 

 

土地代

 

 

 

 

設計費

 

 

 

 

その他のコスト

 

 

 

 

発注者の利益

(注)OECD, Eurostat[1997] による。

 

 

コストの推移等についてのデータ

●平均単価の推移

 この図で示した単価は、着工統計の面積を価格で割ったマクロな平均単価である。この調査における価格は着工前の工事費予定額で、実際より低めに出るといわれる。

上図と合わせると、着工床面積の上昇期に平均単価も上昇する傾向が認められる。用途別に見ると、単価の大小関係は、サービス業用>商業用>鉱工業用の関係にある。商業用はバブル崩壊後に急激な単価の下落がある。


●労務費の推移(全国平均)

 

 しかし、それにしても、建築業界の苦悩は相当なものである。

2月号の1500号記念特集に寄稿していただいたシドニー大学のピーター・アームストロング教授からジョン・サルマン賞受賞の知らせ。サルマン賞はオーストラリアで最も権威ある建築賞である。サルマンについては、植民都市研究でかなり調べた。都市計画Layout of Townという言葉を最初に使ったのは彼だ。キャンベラ建設にも関わるし、シドニー大学の開学の祖である。


 Dear Professor Funo,

Thank you for interest and for your advice regarding the commemorative issue. I am currently revising another paper for the JAABE Journal. I attach some images of my last major project, the NIDA Parade Theatre which won the Sulman Award here last year.

It was very good to meet you in Chongqin, and I look forward to seeing you again, perhaps in Kyoto.

Warm regards,

Peter Armstrong  

  

2003年2月7日

 新居さんが20028月号「インドの建築世界」を英語に翻訳したという。

 

ヴァサンティに頑張って貰っていた「インドの建築世界」の英文訳ができました。日本人の各先生方、執筆者の方々に最終の原稿チェックをお願いしたいと思います。とりあえず、ラジェさんと私ども以外の文章すべてをお送りします。(ラジェさんのデータ化された文は私どもは持っていないのと、当方担当文は今翻訳しています。用語解説は省略させていただこうと思います。)各執筆者に該当文をお送りしていただき、問い合わせをしていただければと思います。ホームページのヴィジュアルデザインのご準備の程、よろしくお願いします。

 

夕刻より川端会。人数は少ない。帰りがけに、石田先生と木屋町の半分庵に。久し振りである。このマスターやたら本を読む。客が来なければ暇と言うことか。しかし、客毎に違う本を薦めるのだからすごい。「これ、せんせ、好きだと思うわ」である。薦められたのは、辺見庸の『永遠の不服従のために』(毎日新聞社)。いつもはミステリーがほとんどなのに、評論とは珍しい。この反骨の評論家、芥川賞作家はいつかきちんと読まなくてはと思っていたけれど、さすがマスターである。

家に帰って書棚を見ると、高村薫:『神の火』、『地を這う虫』、『照柿』、牛島信:『株主総会』、中嶋博行:『検察操作』、藤原伊織:『テロリストのパラソル』、船戸与一:『五月の空』・・・・と十冊以上になる。

石田先生に回そうと思う。寝不足になるぞ。


 

2003年2月9日

京都CDL関係で、立命館大学の乾先生から久しぶりのメール。

 

公共施設づくりを住民参加でとりくむワークショップ(WS)のお誘いです。
乾がファシリテーター役を務めます。第1回は延藤先生が来ます。
京都ではじめての、市民がオープンに参加できる複合公共建築施設づくりワークショップなので、きちんと進めたいと思っています。
なるべくいろいろな立場の人に参加してもらいたいので、転送歓迎です(是非ゼヒ)。マスコミの方、新聞で取り上げてください。
以下、案内文(文責は乾)
「みんなで考えよう! できたらイイナこんな右京区総合庁舎・体育館」ワークショップ開催のお知らせ
 右京区では、地下鉄が延伸する(仮称)天神川駅周辺(天神川三条。嵐電「蚕の社駅」付近)を右京区の新しい拠点として整備する事業が進められていて、ここには右京区総合庁舎(区役所や保健所など)や地域体育館等々、区民にとって大切な公共施設が建設される予定です。
こうした公共施設を、区民の皆さんにとって使いやすい身近なものにするため、
日頃皆さんが抱いている想いや智恵を語りあい、新しい総合庁舎をみんなで一緒にデザインするワークショップを開催します。みんなでワイワイ楽しみながら、これまでの公共施設のいいところ気になるところを出し合い、これからの時代に相応しい、市民が主役の(職員もイキイキと働ける)総合庁舎や地域体育館のデザインや運営について考えましょう。
智恵を貸してください。 たくさんの方の参加をお待ちしています!
  *ワークショップとは:
   使い手である市民や区民が公共施設の計画づくりに直接参加して、
   行政・専門家と協働しながらともに計画づくりを進めることで、
   みんなにとっていいものを創り・使っていこうとする話し合いの場です。
   素人(でも、使い手としてはプロ)である市民の皆さんが参加しやすく、
   楽しみながら一緒に意見やアイデアを出し合えるプログラムを用意します。
  毎月1回程度、全体で5回のWSを行う予定です。できるだけ連続して参加してください

2003年2月10

20回編集委員会。以下は、まず、小野寺さんの議事録である。

<出 席> 委員長 布野 修司

      幹 事  石田泰一郎・大崎  純・古谷 誠章・松山  巖

      委 員 小野田泰明・勝山 里美・黒野 弘靖・高島 直之・新居 照和・トーマス ダニエル・野口 貴文・八坂 文子

 

<議 事>

布野委員長より、議事録をもとに前回議論の確認を行った。

□特集企画について

●4月号「建築コストと市場-バブル崩壊後の展開と将来」について:依頼状況、座談会の開催状況が確認された。

●5月号「建築物の総合環境性能表示」について:依頼状況が確認された。

●6月号「建築の新しさはどこから生まれるか」について:古谷幹事から、依頼状況と、当日委員会終了後に座談会をもつことが報告された。

●7月号「建築形態の数理」について:大崎幹事から、依頼状況が報告された。

●8月号「日常環境の建築環境学」(小特集)について:岩下委員、石田幹事から企画案が提出された。石田幹事から、実験室ではすくい上げられない個人差や環境要因の多様性をどう捉えていくかを考えたいこと、心理学分野からの論考を新たに加えたことなどが報告された。

 出された意見は下記のとおり。

・タイトルを再考してはどうか(「環境」が重複)。

 →例えば「実験室からフィールドへ」とか、主旨を端的に表現してはどうか。

  全体の内容についても、このタイトルで筋を通してはどうか。

・タイトルの「学」が堅い印象を与える。

・全体的に散漫な印象を受ける。テーマをもっと絞ったほうが良いのでは。

・特集テーマが抽象的だと、文化論で終わってしまうことが懸念される。

 →研究手法をより日常の環境や実態に即したものへ近づけよう、ということだと思う。その視点がもっと明確に出てくればよいと思う。

・そうであれば、例えば新しい計測の方法自体を前面に出してはどうか。個体差まで対象 にすると収拾がつかなくなる恐れがある。

・ビルディングタイプによっても、環境に対する感じ方が違うはず。個々の論考が具体的 なビルディングタイプと重なっていると分かりやすくなるのでは。

・環境心理学における、生態化学や医学との連係の状況にも興味がある。

学会の環境心理生理小委員会のシンポジウム(3/28、環境心理生理研究の到達点と今世紀の展望)との関係は? →当然、踏まえられることと思う。

・鼎談には、具体的テーマがあったほうが良いのでは。

 以上の議論をもとに、次回委員会で最終決定する。

 

●9月号「建築年報2003」について

 布野委員長から、企画案が提出された。全体フレームは昨年を踏襲する方針とした。建築界の動向と展望について、下記のテーマが挙げられた。

・豊郷小学校問題が意味するもの

・国立マンション裁判

・京都の景観問題

・コンヴァージョンの最前線

・構造改革特区

・グランドゼロコンペ →ダニエル委員が検討(orダニエル委員自身)

・道路公団

CM協会

・アジアの建築交流国際シンポジウム

2003年問題/マンションブーム/丸ビル

・建設業界の動向/再編/談合(業界新聞記者)

 

10月号「高齢社会のデザイン」について

 小野田委員から企画案が提出され議論した。出された意見は下記のとおり。

16の章立てが分かりにくい印象を受ける。→家族形態や、制度的なフレームなどに関するデータが欲しい。大学院生なども巻き込んで作業していただけないか。

 →具体的に問題となっている事例が欲しい(阪神大震災後の共用空間の問題など)。→特集のどこにウェイトがあるのかを、嘘でもいいから示してほしい。表紙デザインでもその点が重要になってくる。

・「2.高齢化社会の実像」はデータ化することでページ数を減らし、ほかへ割り当ててはどうか。

・「施設」と言うと「住宅」は外されている印象を受ける。「脱施設」と言うと、「住宅」へ近づいていくのか。

・高齢化社会では、「地域」がより重要になるのでは。

・介護の問題は扱われるか。

 →「3.家族との関係から考える」「5.環境をいかにデザインするか」に含まれる。

・章立てとして「住宅」「施設」「地域」といった括り方もできそうだ。

・問題が拡散しないよう、事例は国内事例に絞ったほうが良いのでは。

・高齢者がパソコンを使ってコミュニケートできることの是非など、制度をすり抜けてしまう事例を拾ったらどうか。

・すべて2頁の記事とするよりも、見せ方に工夫を凝らしてはどうか。

 

12月号「建築学の行方」について

 布野委員長から、大先生方にインタビューをする案と、座談会を中心にする案が提出され議論した。出された意見は下記のとおり。

・未来が感じられる、楽しい特集になると良い。

・聞き手と語り手に、ノーベル賞学者と子どもぐらいのギャップがあると面白くなる。→大学院生に協力いただく案も検討する。

□仙田会長からのコメントについて

 仙田会長から、①学生編集委員の設置、学生の意見の誌面反映、②土木学会誌との共同編集、について打診があり議論した。

<学生編集委員の設置について>

 10月号、12月号で大学院生に大々的に協力していただく方針とし、委員会組織としての取り組みは次期委員会に申し送ることとした。旅費は出せないだろうから、関東圏からしか募集できないか。学会経営として大学院生を確保するなら、論文集の投稿料など別の課題があるのではないか。

<土木学会との共同編集について>

・同じ内容が両誌に掲載されるとすると、共同編集の意味があまり感じられない。

・構造分野では共同編集はやりにくい。との意見が出され、積極的な意見は出されなかった。一方、年内の企画もほぼ固まっているので、次期編集委員会への申し送り事項にすることとした。

□投稿について

 川端氏からの投稿「日本と中国の最古の木造建築に使われたモジュール“材”」について議論した。この論考は、論文集に投稿された論文(不採用)がもとになっていることから、論文集委員会で不採用にしたものを『建築雑誌』が取り上げるのは如何なものか、という意見が出された。一方、論文内容は検討に値するのでは、との意見も出された。今後いろいろなかたの意見をうかがったうえ、対応を判断することとした。


 この投稿は個人的には面白いと思う。何人かの先生の意見を聞いてみようと思う。

 12月号のいいアイディアが出ない。提出したのは以下のようないい加減な案だ。

建築雑誌200312月号

特集 「建築学の行方」(仮)

A (大)学者インタビュー

  とにかく開始して指名してもらう。順番に

  横尾義貫→ → → → →

  太田博太郎→→→→→

内田祥哉

  斉藤平蔵

B 建築学をめぐる座談会

  各分野 名誉教授クラス 編集委員全員参加

  構造

    小堀鐸二

    金多 潔

   環境

    安岡正人

    松浦邦男

  計画

    青木正夫 巽和夫 広原盛明

   建築史

    大河直躬 川上貢

   都市計画

    大谷幸夫

 

編集委員会の後、6月号の座談会。みな忙しくて、19:00からだという。残りのメンバーは、いつものように懇親会。座談会の終了を待つけれど、なかなか終わらない。懇親会も話し込んで、新幹線に乗り遅れる。久々、松山さん、高島と新宿で飲む。12月号を議論して夜が明けた。

 

地域の眼の久住さんのインタビュー時の写真が新居さんから送られてくる。楽しそうだ。

 



2003年2月12

重慶でご一緒した澤田さんからメール。

各位

  お久し振りです! お元気ですか?

 昨年の6月から手がけていました「人権のまちづくり組織」が、 やっと、少し目鼻がつきました。

  解放同盟の若手5人との協働作業です、今、アクション・プログラムを創ってます、出来次第お送りします。

  会員募集が、上手くいけば、3月30日に設立します、資料をお送り

 いたします。ご検討を頂き、是非ご協力をお願いいたします。

北九州市八幡    

             澤田  博

 

 「フォーラム富野」設立によせて

21世紀を迎えた私たちは、本当に豊かな社会に暮らしていると言えるのでしょうか?

今、社会は平和・環境問題をはじめ、経済の悪化やそれに伴う雇用不安、医療・福祉の問題、そして教育にかかわる問題など、大きな不安に揺れ動いています。さらに、少子・高齢化が急激に進行し大きな社会問題となっています。

そうした背景の中で、子どもたちには不登校や低学力、いじめや犯罪の低年齢化などの問題、親の世代では、子どもの虐待や養育放棄、中高年では、健康や経済的な理由から自らを死に追いやらねばならなかった人たちが増加しているなど、各世代においても様々な問題が噴出しています。

私たちはこうした厳しい社会状況の中で、あらゆる世代の「いのち」を育み、生活を営んでいかなければならないのです。

そこで、私たちは、すべての市民が「人としてのあらゆる権利」を侵されることなく安心・安全に暮らせる「人権のまち」づくり運動に取り組んでいきたいと「フォーラム富野」を立ち上げることにしました。

「フォーラム富野」は、人権・平和・環境、福祉をキーワードに、子どもから高齢者まで、すべての世代の住民がいきいきと暮らせるまちづくりの学習・実践をし、その活動を通じて地域社会の発展に寄与することを目的としており、個人会費、団体・法人会費、その他の寄付金などの自主財源にて運営いたします。そして、将来的にはNPO(営利を目的とせずに社会に貢献することを目的とする団体)として法人格の取得を目指します。

私たちは、子どもたちが「いのち」や人権・平和・環境を大切にする考え方を身につけ、自立心や創造力を高め、将来に夢や希望を持ちながら育つ「まち」地域環境を創りたいと願っています。そのため、子どもたちに教科はもとより様々な分野の学習を保障するための「富野子どもスクール」や、家庭や地域の教育力を高めるための「富野ドリームランド(子育て支援・里親事業)」、などの教育に携わる事業を構築します。

また、子どもたちだけに限らず「生涯イキイキ事業」として様々な分野での生涯学習のための講座の開催や「技能習得講座」の開催、「高齢者デイケアーサービス事業」、「世代交流事業」などすべての世代が主役となり、輝いた生活をおくるための事業を展開していきます。

そして、人権・平和・環境などをテーマに「富野人権大学」を開講し、地域の人々と共に協働しながら「反差別」「反戦争」や「地球・地域環境を大切にする」草の根的な市民運動を創造していきます。

そうした様々な取り組みを通じて、「まち=地域」に活力と笑顔を取り戻せるように富野の地から発信していきたいと願っております。

私たちは、皆様方にこの「フォーラム富野」設立の趣旨にぜひとも賛同していただき、一人でも多くの方が私たちとともに、このまちづくり運動に参加していただけることを心から希望いたします。

 

 

2003年2月17

10:00からアジア建築交流委員会幹事会。第5回のISAIAの準備をする必要がある。尾島先生がお見えになるということで楽しみにしていたのであるが、お会いできず残念。中川、八木、友田、竹下、石東、岡田、加藤といったメンバーで企画案について議論する。

なにより問題なのは予算である。いくつかの候補地が挙げられたが、助成金の多い松江が有力である。松江は僕の故郷である。これも何かの縁か。しかし、組織化も大問題だ。竹下先生がやる気なのが頼もしい。

メインテーマ、サブテーマは募集することになる。

開催日は、200461日~4日である。

 

 2月号刷り上がる。

この3月で大学をやめるという林章先輩に虎ノ門で久しぶりに会う。目の玉が飛び出るような値段。おごってもらう。

 

200321

 5月号座談会「建築物の総合環境性能表示に建築界はどう対応するのか?」。伊加賀さんからどっさり資料を送って頂いて、読んで来るようにということ。新幹線の中で必死に読むけれど、いまいちピンと来ない。例によって、一回りだけ司会する。

 内藤、新居、野澤、岩村のそれぞれのスタンスは一回りで大体明らかになった。環境性能表示によって建築家が格付けされる、そんな時代がいいのか悪いのかは別としても、そんな時代が来ているのは確かだ、という、そういう特集である。

 利便性あるいは快適性を環境負荷で割るというのが指標であるが、環境負荷を減らす議論を先行させないと意味無いのではないかというのが本音の感想。

 石田先生と一緒に帰ろうと新幹線最終のぞみに向かうが、なんと満員。長年新幹線に乗っているが、こんなんこと初めて。金曜の最終は気をつけよう。

 

20033

2月号京都の自宅に届く。刷り上がりから配送に一週間かかる。

 

2003年2月25

2月号の反応。

布野修司先生

こんにちは。

昨日、1500号建築雑誌が届きましたので、早速、「アジアのなかで世界建築の将来を展望する」と「アジア建築遺産の保存修復と技術協力」などを読みました。実に面白かった。その9.11ground zero跡のプロジェクトと無形文化財の保存について、本当に勉強になりました。その想像力が広大であることに感心させられました。久しぶりに、夢を与えてくださって、本当に有難うございました。 黄蘭翔

 

布野先生
ご無沙汰しております。
建築雑誌創刊1500号記念受け取りましたる。有難うございます。とてもよくできましたので、最初からずっと読みました。研究室の黄くん、韓くんの文章を読み、懐かしいです。孫が仕事復帰しています。時間があれば、また、中国へ来てください。3月に一回日本へ行くかもしれません。では、孫躍新

 

 

2003年2月26

土木学会誌編集委員長の六郷先生のメモが小野寺さんから送られてくる。一緒にやるのは随分刺激的であろうとおもうけれど、次期委員会に託したいと思う。

 

平成15218

 

土木・建築学会誌共同企画について

 

土木学会誌編集委員長 

六郷恵哲

 

 土木学会誌と建築学会誌において共同企画を行うことに賛成いたします.218日に開催された土木学会誌編集委員会において,このことを取り上げたところ,前向きなアイデアがいくつか出されました.これらのアイデアを紹介することによって,土木学会誌編集委員会の雰囲気をお伝えいたします.

土木学会と日本建築学会の正副会長会議においてこの企画を進めることが合意されたならば,土木学会誌編集委員会としては,建築学会誌編集委員会と協力して積極的に取り組ませていただきます.

<共同企画に関するアイデア>

(1) 土木学会誌では,専門的な内容を扱う特集や社会的な問題を扱う特集を組んでいます.例えば,「都市問題」「地球温暖化」「緑」「環境負荷低減」「マネジメント」「防災」「設計」「規準」といったテーマで,30ページ前後の共同特集を組んではいかがでしょうか.

(2) 土木学会誌では,学生編集委員が担当した連載や特集は分かりやすいと好評です.建築学会誌編集委員会でも学生編集委員の制度を導入される場合には,両編集委員会の学生委員が中心となって特集を企画してはいかがでしょうか.

(3) さらに踏み込んで,共同企画の目的を「将来のより緊密な協力」に置くならば,土木と建築分野の協力がうまくいっている事例を紹介するとともに,うまくいかない場合の理由についても考えてはいかがでしょうか.うまくいっている事例として,例えば,

  鉄道の駅舎の建設において,土木技術者が設計するのではなく建築技術者が設計することによって,使い勝手がよくなるとともにコストダウンにつながった.

  海外の空港拡張プロジェクトで,土木建築の協力により国際競争力が発揮された.

  構造物の補修といった比較的新しい分野で,大手ゼネコンにおいても土木建築の協力が進んでいる.

  大学の土木工学科と建築工学科とを一体的に運営をすることで,教育研究に効果が現れている.

(4) 上記のアイデアは,例であって,建築学会誌編集委員会から出される様々なアイデアも合わせて考え,共同して面白い企画を行いましょう.

 

2003年2月27

田中麻里委員がロンドンへ。

新居さんから麻里さんへのメールが転送されてくる。ロンドンでも編集に参加してもらえそうだ。

 

今、拝読しました。
4月号、8月号、共に異論はありません。地域からの生き生きした情報、いいと思います。ところで、静岡はまだ候補者が見つかっていなかったでしょうか。
思いつきですが、東海・南海地震に対して、各地域でどのような対策や試みがされているのか、たとえば、地域独特の試みや創意工夫のような取り組みがあれば、紹介していただくと言うのは、いかがでしょうか。
 麻里さん、いつか機会がありましたら、土産話を聞けることを楽しみにしています。お元気で、いい旅を。新居

 

3月5日に津で静岡の木村さんという方と一緒だから聞いてみよう。

 

2003年2月28

内藤正明先生の最終講義。昨年4月号でお世話になった。普段から敬愛していたから、是非話をまとめてお伺いしたいと思っていた。実に面白い中身の濃い講義であった。「環境問題を研究するということ」というのがタイトルである。先生は、京都大学の衛生工学の第一期生で、流域下水道にも最初に関わったのだという。中西準子、宇井純といったなつかしい名前も飛び出した。愛に満ちたヤジも飛び交う愉快な最終講義であった。やっぱり、快適性を環境負荷で割るだけでは、負荷は無くならない!というのが結論のひとつであった。