植林麻衣 加子母木匠塾ーその活動の足跡ー シリーズ 研究室からフィールドへ、『住宅建築』、202404
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2024年3月3日日曜日
2022年7月30日土曜日
真のフィールドワークとは,建築雑誌,日本建築学会,200903
真のフィールドワークとは,建築雑誌,日本建築学会,200903
『建築雑誌』200903「建築家資格の近未来――大学院JABEEは何を目指すのか」
真のフィールド・ワークとは
布野修司(滋賀県立大学教授、建築計画委員会委員長)
「実務」経験というけれど、「実務」の中身が問題である。インターンシップというけれど、インターン先の「実務」の中身が問題である。「現場」を知らずして建築の仕事が成り立たないことははっきりしている。また、建築家を育てるとしたら「現場」である。しかし、「現場」とは何か、が問題である。
インターンシップと称して、CADや模型製作、打ち合わせや様々な仕事の流れに接することが「実務経験」なのであろうか。また、「現場体験」とは、工事現場で働くことなのであろうか。
建築系の大学院の大半が「実務」経験とか「現場」教育といった観点を欠いてきたことは認めざるを得ない。事実今回の実務経験年数の取得のために大半の大学院がカリキュラムの変更を余儀なくされているのである。
大学院は研究と称する論文生産の技術しか教えていないではないか、というのが実業界の声という。確かにそうだ。しかし、そうした声を聞くにつれ、また、議論が「資格」に集中するなかで、「実務」と「現場」の中身こそが問題だと、つくづく思う。そもそも建築という創造行為の全体を見失った実務のシステムが問題を起こしたのではなかったか。
枠組みを固定された「現場」でいくら「実務」を積んでも、建築家としての能力は身につかない。「現場」とは、建築現場に限らない。新たに発生する問題に瞬時に対応するするトレーニングをするのが「現場」である。新たな問題を発見する能力、創造的な種を発見する眼がそこで養われるし、全体として解答する力が必要とされるのが「現場」である。法制度でがんじがらめになった実社会より、大学院の方がまだしも可能性をもっているのではないのか。大学院の方は大学院の方でがんじがらめになりつつあるのだけれど。
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