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2026年2月7日土曜日

traverse09 はじめに, traverse, 2008

Traverse09 はじめに

 

「耐震偽装問題」に端を発した建築界の構造的問題に対する対応策として国土交通省が打ち出した「建築確認」の厳正化、そして「建築士法」の改正が大きな波紋を拡げつつある。

「厳正化」は、当然であるとして、確認に時間がかかりすぎ、住宅着工数が激減、景気そのものへの影響が懸念されてきたが、実際、それだけが原因ではないにせよ、景気は後退局面に入った。建築需要が減っていく中で、建築界が構造改革せざるを得ないことは明らかである。しかし、「厳正化」がかならずしも建築の安全や安心につながらない、すなわち、責任をとれないシステムのまま推し進められつつあることこそが大問題である。設計料も安く、責任だけ重い、というので廃業する建築構造事務所が相次いでいる。国土交通省に言わせると「淘汰」だという。

そして、何よりも問題なのは、「すぐれた」「いい」建築がつくられない仕組みと制度になりつつあることである。大学の建築学科も建築士の受験資格の問題、大学院の実務経験の問題で翻弄されつつある。「実務」「現場教育」が強調されるのは当然であるとして、大学には大学の役割がある。「耐震偽装問題」の問題もどちらかと言えば、コンプライアンス無視の現場での近視眼にある。受験資格の認定を煩瑣にして審査機関が焼け太りする。大学は大学でCOEやら外部評価やらで競争させられる。末期症状である。

つい筆が滑ったが、楽しいこともある。今年もA―Cupに参加した。2001年に第一回が開催された建築界のサッカー大会で、建築学会に次ぐ集まりに成長している。前夜祭から建築とサッカーをめぐって議論する。著名建築家たちと親しく交流できる。若者たちにとっては最高だろう。

わがチームは宮本佳明率いるチームに優勝は譲ったけれど、なんと準優勝である。チームキャプテンに義務づけられているPK戦で4発蹴って2発決めた。それで、ベスト・オールド・プレーヤー賞も獲得したのである。準優勝杯は、「コルビュジェ」杯と称するコンクリートのテストピースであった。

チベット暴動、四川大地震など開催が危ぶまれた北京オリンピックもどうやら大きな問題なく終わったようだ。今、パラリンピックの最中だ。

しかしそれにしても、二代続けて政権を投げ出したこの国のリーダーたちのだらしなさはどうだ。地球環境問題、地域再生、問題山積のなかで、日本は行方を見失ってしまっている。

若者たちに期待しよう。建築は楽しい、そのことを噛みしめながら、力を蓄えよう。 

2026年1月27日火曜日

未来をつくる 夢をつくる, 『雑口罵乱』②(談話室,滋賀県立大学), 2008

未来をつくる 夢をつくる, 『雑口罵乱』②(談話室,滋賀県立大学), 2008

未来を創る、夢をつくる

                      布野修司

 

談話室は楽しい。

山本理顕、馬場正尊、佐藤淳、中村好文というメンバーを呼べる。居ながらにして、世界の情報を得ることができるし、本気で考えて生きることの大切さを繰り返し確認できる。

東洋大学にいた頃、まだ無名だった山本理顕さんと組んで設計演習を教えていた。二人で次々に建築家を呼んだ。磯崎新、原広司(東洋大の助教授から東大へ転進)、渡辺豊和、伊東豊雄、長谷川逸子、六角鬼丈、毛綱きこう、石山修武、元倉真琴、高松伸、妹島和世・・・・・・・・次々に来てくれた。そして次々に学会賞を受賞して、「東洋大に行ってレクチャーすると学会賞が獲れる」と噂になった。というのは冗談にしても、一線の建築家が彦根に来て、建築最前線の話をしてくれるのは素晴らしいことである。

山本理顕さんは、設計演習の合間に、俺んちを設計しなくちゃ、とスケッチを描いていた。それがGAZEBO(雑居ビルの上の住居)で学会賞を獲った。「都市に寄生せよ」という設計課題は理顕さんと創った。「愛人の家」もそうだ。ひとつだけ設計条件を外すと、建築家のイマジネーションはすさまじく膨らむ。数々の名課題は40くらい布野のストックにある。理顕さんはそのころと全く変わらない。建築家の役割は「未来をつくることである」。

馬場さんとは、初めてあった。石山修武研を出て博報堂に入社したという変り種である。高柳先生の先輩というから世の中狭い。とにかく「東京R不動産」という発想と実際にやってみせるのがすごい。談話室が馬場さんを呼ぶセンスはただものではない。

そして、馬場さんがA-Cupの首謀者だと聞いて、心底脱帽した。滋賀県立大学は3年目であったけれど、昨年に続いて参加した(200876日)。前日、東京でtraverseの座談会(竹山聖)があり、平田晃久、大西麻紀、百田有希といった人気者を拉致してつれていったのだけれど実に楽しかった。しかも、宮本佳明率いる「間取りどう?」に決勝で敗れたものの、わが「フノーゲルズ」は、なんと、準優勝である。しかも、布野はPK二発決めて、「ベスト・オールドマン賞」受賞である。

佐藤淳さんは陶器さんの伝だと思う。若手の構造デザイナーとして、可能性は無限である。そして、「建築基準法」改正を、改悪だ(構造の自由を奪う)という社会派でもある。

中村好文さんは同い年で、ドメスティックな建築の名手であり、数々の出版で知ってはいたけれど初めてであった。こういう談話室の人選も渋い。感動したのは、「自給自足」の別荘計画を本気で実現していることである。

『建築ジャーナル』誌で「現代建築家批評」という連載を始めた(20081月号~)。イントロダクションを書いて、まず安藤忠雄論は書いたら(4月号)、本人から電話がかかってきた。「いくつか間違ってる」といいながら、「こんど行くよ」という。その日(2008711日)は、滋賀県大講堂は超満員となった。題して「夢をつくるー地域を元気にー」である。話は、『雑口罵乱』03に採録されると思う。乞う御期待。

 

 


2026年1月20日火曜日

講演:日本におけるタウンアーキテクトの可能性,台湾大学建築與城郷研究所+芸術史研究所主催,国際シンポジウム「日本與台灣社區營造的對話:地震災後重建,社區營造與地域建築師(Town Architects)」,台湾大学総合図書館B1国際会議庁,20080605 

 講演:日本におけるタウンアーキテクトの可能性,台湾大学建築與城郷研究所+芸術史研究所主催,国際シンポジウム「日本與台灣社區營造的對話:地震災後重建,社區營造與地域建築師(Town Architects)」,台湾大学総合図書館B1国際会議庁,20080605 















布野修司 履歴 2025年1月1日

布野修司 20241101 履歴   住所 東京都小平市上水本町 6 ー 5 - 7 ー 103 本籍 島根県松江市東朝日町 236 ー 14   1949 年 8 月 10 日    島根県出雲市知井宮生まれ   学歴 196...