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2023年6月20日火曜日

飛騨高山木匠塾のこと,秋田木材通信社,19930101

 飛騨高山木匠塾のこと,秋田木材通信社,19930101

                                        布野修司

 

 昨年も慌ただしく過ごしてあっという間にすぎてしまいました。秋田には一度もお邪魔することができず残念です。近くなったせいか、生まれ故郷の出雲の仕事が多くなり、色々なお手伝いを始めております。景観、景観と喧しいのですが秋田は如何でしょうか。

 ところで、飛騨高山木匠塾は2回目のサマースクールを昨年行ったのですが、延べ百人近い学生の参加があり大盛況でした。主な参加大学は、芝浦工業大学、東洋大学、千葉大学、京都大学、大阪芸術大学の五校でした。教師陣は、太田邦夫塾頭以下、秋山哲一、浦江真人、村木里絵(以上、東洋大学)、藤澤好一(芝浦工業大学)、安藤正雄、渡辺秀俊(千葉大学)、布野修司(京都大学)。それに今年は、大阪芸術大学の三澤文子、鈴木達郎の両先生が若い一年生を引き連れて参加下さいました。また、足場丸太組み実習には、講師として、わざわざ藤野功さん(日綜産業顧問)が横浜から来て下さいました。今年は、切り出し現場および「飛騨産業」の見学に加えて、製材所(安原木材)の見学を行い、オークヴィレッジと森林匠魁塾にもお世話になりました。渓流が流れ、朝夕は寒いぐらいに涼しい。森に囲まれ、飛騨高山木匠塾の環境は抜群です。野球大会や釣りなどリクレーションも存分に楽しみました。極めて充実した九日間だったように思います。今年も、第3回の「インターユニヴァーシティー・サマースクール」の開校が楽しみです。 

 百聞は一見に如かずです。飛騨の里というのは、木のことを学ぶには事欠かない、実にふさわしい場所だと思うのですが、そんなことを言えば、秋田の方がよりふさわしい筈です。昨年、この欄で、「秋田能代木匠塾の設立を」と題して、「秋田能代木匠塾と仮に呼ぶ、そんな空間はできないでしょうか。楽しみにしてます」と書いたのですが、その後、如何でしょうか。とりあえず、今年は、飛騨高山へ、学生達を教えにいらっしゃいませんか。