このブログを検索

ラベル 2016 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 2016 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年8月5日火曜日

陣内秀信『イタリア都市の空間人類学』(弦書房 2015年10月15日):布野修司 | 2016/01/25 | 書評, 『建築討論』007号:2016年春(1月ー3月)

 書籍紹介『進化する都市 都市計画運動と市政学への入門』(トリック・ゲデス著 西村一郎訳 鹿島出版会/太田邦夫 『木のヨーロッパ/建築まち歩きの事典』彰国社 20151110日/陣内秀信『イタリア都市の空間人類学』弦書房 20151015日)/鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』京都大学学術出版会 2015925日/隈研吾『オノマトペ建築』XKnowledge 2015918日/アルキテクト編『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』 建築技術 201595日/中村敏男『日記のなかの建築家たち』編集出版組織体アセテート 2015820日/監修:岡本慶一 執筆:林和久 日建設計広報室『日建設計 115年の生命誌』201561日/諏訪正樹・藤井晴行『知のデザイン 自分ごととして考えよう』近代科学社2015630日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評『建築討論』007号:2016年春(13月)


『建築討論』007号 201611日刊行

  

◎書籍紹介

 

20151005

陣内秀信

『イタリア都市の空間人類学』

弦書房

 

 「空間人類学」の提唱と実践で知られる著者の、その原点となるイタリア都市に関する論集である。Ⅰ.空間人類学から読むイタリア都市、Ⅱ.イタリア都市論の2部から構成され、イタリア都市全体を対象とする論考と個別の都市に関する論考が分けられているが、Ⅱの末尾には、「地中海都市」として、地中海沿岸のイスラーム諸都市(チュニス、マラケシュ、アンダルシア、トルコ)に関する論考も収められている。

 「空間人類学」という学の構想と方法が具体的に示されたのは『東京の空間人類学』(1985/ちくま学芸文庫1992:“Tokyo, A Spatial Anthropologytranslated by Kimiko NishimuraUniversity of California Press1995)においてである。その学の実践は、イタリア都市、地中海都市のみならず東京、さらに北京などアジアの諸都市にまで拡大されてきた。そうした意味で興味深いのは、「「空間人類学」から都市の深層を読む―「はじめに」にかえて」である。「イタリア都市との出会い」から「東京研究から生まれた「空間人類学」の方法」、「再びヴェネツィアを新鮮な視点で見直す」…と自らの研究史が振り返られているのである。S.F.

 

著書紹介:

陣内秀信(1947北九州市~)法政大学デザイン工学部教授。イタリア建築・都市史。工学博士。1971年東京大学工学部建築学科卒業。1973-1975年ヴェネツィア建築大学留学。1980東京大学大学院工学研究科博士課程単位取得退学。1980年東京大学工学部助手、1982年法政大学工学部建築学科助教授、1990年法政大学デザイン工学部建築学科教授。著書に、『都市のルネサンス――イタリア建築の現在』(1978)、『ヴェネツィア――都市のコンテクストを読む』(1986)、『都市を読む・イタリア』(1988)、『北京――都市空間を読む』(共編著)(1998)『イタリア都市と建築を読む』(2001年)、『イスラーム世界の都市空間』(共編著)(2002)『迷宮都市ヴェネツィアを歩く』(2004)、『南イタリア都市の居住空間――アマルフィ、レッチェ、シャッカ、サルデーニャ』(編著)(2005)『地中海世界の都市と住居』(2007)、『興亡の世界史(8)イタリア海洋都市の精神』(2008)他


2025年8月4日月曜日

鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』京都大学学術出版会 2015年9月25日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評, 『建築討論』007号:2016年春(1月ー3月)

 書籍紹介『進化する都市 都市計画運動と市政学への入門』(パトリック・ゲデス著 西村一郎訳 鹿島出版会)/太田邦夫 『木のヨーロッパ/建築まち歩きの事典』(彰国社 20151110日)/陣内秀信『イタリア都市の空間人類学』(弦書房 20151015日)/鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』京都大学学術出版会 2015925日/隈研吾『オノマトペ建築』XKnowledge 2015918日/アルキテクト編『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』 建築技術 201595日/中村敏男『日記のなかの建築家たち』編集出版組織体アセテート 2015820日/監修:岡本慶一 執筆:林和久 日建設計広報室『日建設計 115年の生命誌』201561日/諏訪正樹・藤井晴行『知のデザイン 自分ごととして考えよう』近代科学社2015630日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評『建築討論』007号:2016年春(13月)


『建築討論』007号 201611日刊行

  

◎書籍紹介

 20150925

鈴木哲也・高瀬桃子

『学術書を書く』

京都大学学術出版会

 大学出版会にあって、長年、学術書の出版に関わってきた著者による「学術」論、「学術書」論。

 冒頭、序章は、「Publish or PerishからPublish and Perishの時代へーなぜ、学術書の書き方を身につけるのか」と題される。「出版(発表)か、死か」から「出版しても救われないへ」、(学術)出版会の現状が鋭く分析される。また、論文発表をやかましく迫る大学や学会の問題点が指摘される。当然、殿試化時代についても触れられる。

 全体は、第Ⅰ部「考える」、第Ⅱ部「書いてみる」、第Ⅲ部「刊行する」の3部に分けられ、全7章からなる。

「企画と編成」「本文記述と見出し」「タイトルと索引」など、学術書のノウハウが懇切丁寧に説かれている。もちろん、それだけではない。学術書の今日的役割と要件(第2章「知の越境と身体化」)が力説される。

そして、「おわりにー学術書を「書く」ことと「読む」こと」によって締め括られるが、「二回り外、三回り外」へ向かって書け、 「二回り外、三回り外」のものを読め、というのがメッセージである。

研究者のみならず、書き手、読みて、編集、出版を考える全ての人にとっての必読書といっていい。S.F.

 

著書紹介:

鈴木哲也:京都大学学術出版会専務理事・編集長。大学出版部協会理事。京都大学文学部・教育学部卒業。

高瀬桃子:桃夭舎代表・京都大学理学部卒業。



2025年8月3日日曜日

隈研吾『オノマトペ建築』XーKnowledge 2015年9月18日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評, 『建築討論』007号:2016年春(1月ー3月)

 書籍紹介『進化する都市 都市計画運動と市政学への入門』(パトリック・ゲデス著 西村一郎訳 鹿島出版会)/太田邦夫 『木のヨーロッパ/建築まち歩きの事典』(彰国社 20151110日)/陣内秀信『イタリア都市の空間人類学』(弦書房 20151015日)/鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』京都大学学術出版会 2015925日/隈研吾『オノマトペ建築』XKnowledge 2015918日/アルキテクト編『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』 建築技術 201595日/中村敏男『日記のなかの建築家たち』編集出版組織体アセテート 2015820日/監修:岡本慶一 執筆:林和久 日建設計広報室『日建設計 115年の生命誌』201561日/諏訪正樹・藤井晴行『知のデザイン 自分ごととして考えよう』近代科学社2015630日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評『建築討論』007号:2016年春(13月)




『建築討論』007号 201611日刊行

  

◎書籍紹介

 

20150918

隈研吾

『オノマトペ 建築』

X-Knowledge

 

 建築家・隈研吾、2005年~2015年、10年の自薦32作品が収録されている。

オノマトペOnomatopeとは、擬音語・擬声語のことである。全体は、「ぱらぱら」「さらさら」「ぐるぐる」「ぱたぱた」「ぎざぎざ」「ざらざら」「つんつん」「すけすけ」「もじゃもじゃ」「ぺらぺら」「ふわふわ」の11のセクションに分けられている。巻頭に、「建築を粒子化することで、世界と人間をより強く結びつける」と題されるロング・インタビューS.F.

 

著書紹介:隈研吾(1954年横浜生~)。建築家。東京第泊大学院教授(2009年~)。1979年、東京大学工学部建築学科卒業。日本設計、戸田建設、コロンビア大学建築・都市計画学科客員研究員(19851986)を経て、1990年隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学理工学部客員教授・システムデザイン工学科教授(20022009)。イリノイ大学建築学科客員教授(20072008)。2008年フランス・パリにKuma & Associates Europe設立。東京大学工学部建築学科教授(2009~)。

学位請求論文「建築設計・生産の実践に基づく20世紀建築デザインと大衆社会の関係性についての考察」(慶應義塾大学、20073月)。

受賞:日本建築学会賞作品賞 (登米町伝統芸能館)(1997)。村野藤吾賞(那珂川町馬頭広重美術館)(2001年)。毎日芸術賞(根津美術館)(2010)。芸術選奨文部科学大臣賞(梼原・木橋ミュージアム)(2011)。


2025年8月2日土曜日

アルキテクト編『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』 建築技術 2015年9月5日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評, 『建築討論』007号:2016年春(1月ー3月)

 書籍紹介『進化する都市 都市計画運動と市政学への入門』(パトリック・ゲデス著 西村一郎訳 鹿島出版会)/太田邦夫 『木のヨーロッパ/建築まち歩きの事典』(彰国社 20151110日)/陣内秀信『イタリア都市の空間人類学』(弦書房 20151015日)/鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』京都大学学術出版会 2015925日/隈研吾『オノマトペ建築』XKnowledge 2015918日/アルキテクト編『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』 建築技術 201595日/中村敏男『日記のなかの建築家たち』編集出版組織体アセテート 2015820日/監修:岡本慶一 執筆:林和久 日建設計広報室『日建設計 115年の生命誌』201561日/諏訪正樹・藤井晴行『知のデザイン 自分ごととして考えよう』近代科学社2015630日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評『建築討論』007号:2016年春(13月)



『建築討論』007号 201611日刊行  

◎書籍紹介 

20150905

アルキテクト編

『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』

建築技術

 「ことばが姿へ」(表紙1)そして「姿がことばに」(表紙4)とある。「日本はいったいどうなのだ/世界に誇れるような/廃墟をつくっているだろうか/近代文明がやがて/滅びてしまったときにも/なお歴史に記録をちどめても/廃墟としてでも/後の世に残るようなものを」と後扉(表4)に小さく記される。

 全体は、吉坂隆正(とその薫陶を受けたスクールの建築家たち)の言葉からなり、大きく、Ⅰ|私はどこにいるのか?、Ⅱ|創造の端緒は発見にあり、Ⅲ|ことばの中で育ち形の中に住みつく、Ⅳ|DISCONT:不連続統一体に分けられ、0109(章)に編まれている。巻頭に、樋口裕康「始祖鳥蘇る」、末尾に、斎藤裕子「なぜ、吉阪隆正か!」。小さな本だけれど、多くの図・写真・スケッチが収められている。

 きっかけは、樋口裕康の始祖鳥吉坂ワールドを蘇らせたいという、メモとスケッチだったという。吉坂隆正の年表も丁寧に作成されている。何よりも、建築の根源に触れる珠玉のことばが鏤められている。S.F.

 

 著者:アルキテクト

 樋口裕康、斎藤祐子、北田英治・・・・橋戸幹彦、高木秀之他


2025年8月1日金曜日

諏訪正樹・藤井晴行 『知のデザイン 自分ごととして考えよう』 近代科学社20150630:布野修司 | 2016/01/25 | 書評, 『建築討論』007号:2016年春(1月ー3月)

書籍紹介『進化する都市 都市計画運動と市政学への入門』(パトリック・ゲデス著 西村一郎訳 鹿島出版会)/太田邦夫 『木のヨーロッパ/建築まち歩きの事典』(彰国社 20151110日)/陣内秀信『イタリア都市の空間人類学』(弦書房 20151015日)/鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』京都大学学術出版会 2015925日/隈研吾『オノマトペ建築』XKnowledge 2015918日/アルキテクト編『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』 建築技術 201595日/中村敏男『日記のなかの建築家たち』編集出版組織体アセテート 2015820日/監修:岡本慶一 執筆:林和久 日建設計広報室『日建設計 115年の生命誌』201561日/諏訪正樹・藤井晴行『知のデザイン 自分ごととして考えよう』近代科学社2015630日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評『建築討論』007号:2016年春(13月)

http://touron.aij.or.jp/2016/01/125

◎書籍紹介

 

20150630

諏訪正樹・藤井晴行

『知のデザイン 自分ごととして考えよう』

近代科学社

 関連書籍

20150430

人工知能学会監修:諏訪正樹・堀浩一編 

『一人称研究のすすめ 知能研究の新しい潮流』

近代科学社

 

 帯には「情報過多な時代だからこそ、少しハードボイルドな学び論/教育論」「主体的に学ぶためには」とある。「まえがき」には、重要なキーワードとして、「自分ごと」「生活」「からだで学ぶ」「構成のループ」「デザイン」の5つのことばが挙げられる。全体は4部、11章からなる。第1部「自分ごとの欠如」、第2部「自分ごとで学ぶための方法」、第3部「自分ごとで研究するための方法」、第4部「知をデザインするマインド」という構成で、「自分ごと」が強調される。共著者二人が属する人工知能学会監修に『一人称研究のすすめ』があるが、自分で考えるというのが強いメッセージである。「生活」「からだで学ぶ」というのも、情報に振り回されるのではなく、日常生活に立脚して、自らの身体、全感覚を通じて学ぶということが重要だということである。「構成のループ」とは、問いを立て、その答えを求める過程(生成、インタラクション、分析、インタラクション、分析、創起)と手法に関わる。そして最も重要な概念として「デザイン」あるいは「デザイン・マインド」が強調されている。S.F.

 

著者紹介

諏訪正樹:慶応義塾大学環境情報学部教授。1984年東京大学工学部卒業。1989年同大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。1989年日立製作所基礎研究所。1997年シドニー大学建築デザイン学科主任研究員。2000年中京大学情報科学部助教授、2004年同教授。2008年より現職。

藤井晴行:東京工業大学大学院理工学研究科教授。早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院理工学研究科建築学専攻終了。博士(工学)。一級建築士。カーネギーメロン大学大学院人文科学研究科哲学専攻、清水建設基礎研究室をへて現職。

 





2025年7月31日木曜日

traverse編集委員会 『建築学のすすめ』 昭和堂::布野修司 | 2016/01/25 | 書評, 『建築討論』007号:2016年春(1月ー3月)

 書籍紹介『進化する都市 都市計画運動と市政学への入門』(パトリック・ゲデス著 西村一郎訳 鹿島出版会)/太田邦夫 『木のヨーロッパ/建築まち歩きの事典』(彰国社 20151110)/陣内秀信『イタリア都市の空間人類学』(弦書房 20151015日)/鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』京都大学学術出版会 2015925日/隈研吾『オノマトペ建築』XKnowledge 2015918日/アルキテクト編『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』 建築技術 201595日/中村敏男『日記のなかの建築家たち』編集出版組織体アセテート 2015820日/監修:岡本慶一 執筆:林和久 日建設計広報室『日建設計 115年の生命誌』201561布野修司 | 2016/01/25 | 書評『建築討論』007号:2016年春(13月)

http://touron.aij.or.jp/2016/01/106


『建築討論』007号 201611日刊行

  

◎書籍紹介

 

20150618

traverse編集委員会

『建築学のすすめ』

昭和堂

 

 本書は、京都大学建築系教室を母体とする『traverse――新建築学研究』編集委員会を中心として編まれたものです建築学の入門書である。『traverse――新建築学研究』は 2000 4 月に創刊され、年刊で現在まで 15 号発刊されている。

 その創刊の言葉は以下のように書きだされています。

 「京都大学「建築系教室」を中心とするグループを母胎として、その多彩な活動 を支え、表現するメディアとして『traverse――新建築学研究』を創刊します。『新 建築学研究』を唱うのは、言うまでもなく、かつての『建築学研究』の伝統を引き継ぎたいという思いを込めてのことです。」

序は「全てが建築である、誰もが建築家である、というのが本書の出発点にあります。すなわち、建築学というのは誰にとっても身近であり、誰もが無縁ではないということを本書の前提にしたいと思います。」と書きだされる。全体は、第1章 すべては建築である(竹山 聖)、第2章 建築は凍れる音楽である―建築論の世界(竹山 聖)、第3章 建築家なしの世界―原初の建築(布野修司)、第4章 建物は壊してはならない―歴史のなかの建築(山岸常人)、第5章 さまざまな構造形式―構造設計の夢(大崎 純)、第6章 模型を通じて力学原理を学ぶ(諸岡繁洋)、第7章 建築と環境―環境制御装置としての建築(小玉祐一郎)、第8章 文化財の保存修理と活用(   西澤英和)、第9章 作品としての都市―都市組織と建築(布野修司)、 10章 建築というプロジェクト―建築生産の世界(古阪秀三)からなる。また、他に14Columnが建築学の豊かな世界を多彩に説いている。S.F.



2025年7月30日水曜日

監修:岡本慶一 執筆:林和久 日建設計広報室『日建設計 115年の生命誌』2015年6月1日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評, 『建築討論』007号:2016年春(1月ー3月)

 書籍紹介『進化する都市 都市計画運動と市政学への入門』(パトリック・ゲデス著 西村一郎訳 鹿島出版会)/太田邦夫 『木のヨーロッパ/建築まち歩きの事典』(彰国社 20151110)/陣内秀信『イタリア都市の空間人類学』(弦書房 20151015日)/鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』京都大学学術出版会 2015925日/隈研吾『オノマトペ建築』XKnowledge 2015918日/アルキテクト編『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』 建築技術 201595日/中村敏男『日記のなかの建築家たち』編集出版組織体アセテート 2015820日/監修:岡本慶一 執筆:林和久 日建設計広報室『日建設計 115年の生命誌』201561布野修司 | 2016/01/25 | 書評『建築討論』007号:2016年春(13月)

http://touron.aij.or.jp/2016/01/102

『建築討論』007号 201611日刊行

  

◎書籍紹介

20150601

監修:岡本慶一 執筆:林和久

『日建設計 115年の生命誌』

日建設計広報室

 

 日建設計の起源は、1900年、技師長・野口孫一31歳、日高胖25歳を中心に26名の建築技術者が招集されて発足した住友本店臨時建築部に遡る。今日の日建設計が発足するのは1970年、その前身である日建設計工務が設立されたのは1950年であるが、創業115年、戦後70年を意識した出版である。野口孫一没後100年でもある。

執筆は、林和之日建設計・顧問、監修を岡本慶一会長が務めるとは言え、社史を一人が執筆するのは珍しい。

 全体は、|1章|明治に始まる近代日本の歩みとともに、|2章|「ゼロ地点」からの再出発、|3章|現代の「価値」をつくる、|4章|「日本」と「世界」、楕円形の二つの焦点のように、の4章からなる。創業以降~昭和戦前期、敗戦~1990年、19902010年、2010年~がおよその時代区分とされている。

住友家須磨別邸(1903)、大阪図書館(1904)以降、戦前期については、他に住友銀行東京支店(1917)、住友ビルディング(1926,1930)、大阪株式取引所(1935)、日本生命保険本店本館(1939)など時代を画する建築作品が順に取り上げられている。戦後は、広島県庁舎(1956)、パレスサイドビル(1966)、中野サンプラザ(1973)、NSビル(1982)、日本電気本社ビル(1990)・・・と続く。日本建築の歴史が浮彫になるかのようである。そして、3章、4章は、そのプロジェクトの多彩な展開が披露されている。S.F.




2025年7月29日火曜日

中村敏男『日記のなかの建築家たち』編集出版組織体アセテート 2015年8月20日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評, 『建築討論』007号:2016年春(1月ー3月)

 書籍紹介『進化する都市 都市計画運動と市政学への入門』(パトリック・ゲデス著 西村一郎訳 鹿島出版会)/太田邦夫 『木のヨーロッパ/建築まち歩きの事典』(彰国社 20151110)/陣内秀信『イタリア都市の空間人類学』(弦書房 20151015日)/鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』京都大学学術出版会 2015925日/隈研吾『オノマトペ建築』XKnowledge 2015918日/アルキテクト編『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』 建築技術 201595日/中村敏男『日記のなかの建築家たち』編集出版組織体アセテート 2015820日/監修:岡本慶一 執筆:林和久 日建設計広報室『日建設計 115年の生命誌』201561布野修司 | 2016/01/25 | 書評『建築討論』007号:2016年春(13月)『建築討論』007号 201611日刊行

  http://touron.aij.or.jp/2016/01/129

◎書籍紹介

中村敏男

『日記のなかの建築家たち』acetate022

編集出版組織体アセテート


 

 建築雑誌『a+u』の編集長の回顧録。20101月号から2年間『建築雑誌』で連載したものを、『日記』(19532015)をもとに検証、大幅な補筆を行ったもの。最後の25は、韓国人建築家、金壽根、金重業の二人との交流の思い出が書き下しで追加されている。

目次は、1 『近代建築』の頃、2 鹿島出版会の頃、3 a+u』の誕生、4 磯崎特集とカーン特集、5 ニューヨーク・ファイヴ、6 “インスティテュートIAUS)、7 ホワイト・アンド・グレイ、8 a+u』の写真家たち、9 ガラスの家、10 グロピウス邸からシンドラー邸へ、11 アンビルト・アーキテクトたち、12 ロサンゼルスの建築家たち、13 アルフレッド・ロート教授とチューリッヒ 114 アルフレッド・ロート教授とチューリッヒ 215 アルド・ロッシのこと、16 ミラノ・コモ・アスコナ、17 すべての建築がホラインである、18 ウィーンで会った建築家たち、19 ル・コルビュジエをめぐる人々、20 ロンドンの建築家たち、21 アムステルダムの建築家たち、22 ドイツ日記 1 ─ マンフレッド・シュパイデルのこと、23 ドイツ日記 2 ─「近代建築」をたずねて、24 プリツカー建築賞の人々、25 忘れえぬ人々、二人の韓国人建築家、である。

戦後建築ジャーナリズムの貴重な記録。巻末には、500名に及ぶ人物注が丁寧に付されている。S.F.

 

著者:中村敏男(1931年東京・王子生~)。建築ジャーナリスト。早稲田大学第一理工学部建築学科中途退学。『近代建築』編集部を経て鹿島出版会編集部。1969 年、『a+u』創刊。1995 年まで25 年間、取締役、編集長を務める。訳書に、ケネス・フランプトン『現代建築史』(2003)、アンソニー・ヴィドラー『歪んだ建築空間』(2006)、ピーター・ブランデル・ジョーンズ『モダニズム建築』(2006)他。編著に『Glass House』(2007)。

広告について

 

布野修司 履歴 2025年1月1日

布野修司 20241101 履歴   住所 東京都小平市上水本町 6 ー 5 - 7 ー 103 本籍 島根県松江市東朝日町 236 ー 14   1949 年 8 月 10 日    島根県出雲市知井宮生まれ   学歴 196...