書籍紹介『進化する都市 都市計画運動と市政学への入門』(パトリック・ゲデス著 西村一郎訳 鹿島出版会)/太田邦夫 『木のヨーロッパ/建築まち歩きの事典』(彰国社 2015年11月10日)/陣内秀信『イタリア都市の空間人類学』(弦書房 2015年10月15日)/鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』京都大学学術出版会 2015年9月25日/隈研吾『オノマトペ建築』XーKnowledge 2015年9月18日/アルキテクト編『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』 建築技術 2015年9月5日/中村敏男『日記のなかの建築家たち』編集出版組織体アセテート 2015年8月20日/監修:岡本慶一 執筆:林和久 日建設計広報室『日建設計 115年の生命誌』2015年6月1日/諏訪正樹・藤井晴行『知のデザイン 自分ごととして考えよう』近代科学社2015年6月30日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評, 『建築討論』007号:2016年春(1月ー3月)
『建築討論』007号 2016年1月1日刊行
◎書籍紹介
20150925
鈴木哲也・高瀬桃子
『学術書を書く』
京都大学学術出版会
大学出版会にあって、長年、学術書の出版に関わってきた著者による「学術」論、「学術書」論。
冒頭、序章は、「Publish or PerishからPublish and Perishの時代へーなぜ、学術書の書き方を身につけるのか」と題される。「出版(発表)か、死か」から「出版しても救われないへ」、(学術)出版会の現状が鋭く分析される。また、論文発表をやかましく迫る大学や学会の問題点が指摘される。当然、殿試化時代についても触れられる。
全体は、第Ⅰ部「考える」、第Ⅱ部「書いてみる」、第Ⅲ部「刊行する」の3部に分けられ、全7章からなる。
「企画と編成」「本文記述と見出し」「タイトルと索引」など、学術書のノウハウが懇切丁寧に説かれている。もちろん、それだけではない。学術書の今日的役割と要件(第2章「知の越境と身体化」)が力説される。
そして、「おわりにー学術書を「書く」ことと「読む」こと」によって締め括られるが、「二回り外、三回り外」へ向かって書け、 「二回り外、三回り外」のものを読め、というのがメッセージである。
研究者のみならず、書き手、読みて、編集、出版を考える全ての人にとっての必読書といっていい。(S.F.)
著書紹介:
鈴木哲也:京都大学学術出版会専務理事・編集長。大学出版部協会理事。京都大学文学部・教育学部卒業。
高瀬桃子:桃夭舎代表・京都大学理学部卒業。
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