書籍紹介『進化する都市 都市計画運動と市政学への入門』パトリック・ゲデス著 西村一郎訳 鹿島出版会/太田邦夫 『木のヨーロッパ/建築まち歩きの事典』彰国社 2015年11月10日/陣内秀信『イタリア都市の空間人類学』弦書房 2015年10月15日/鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』京都大学学術出版会 2015年9月25日/隈研吾『オノマトペ建築』XーKnowledge 2015年9月18日/アルキテクト編『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』 建築技術 2015年9月5日/中村敏男『日記のなかの建築家たち』編集出版組織体アセテート 2015年8月20日/監修:岡本慶一 執筆:林和久 日建設計広報室『日建設計 115年の生命誌』2015年6月1日/諏訪正樹・藤井晴行『知のデザイン 自分ごととして考えよう』近代科学社2015年6月30日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評, 『建築討論』007号:2016年春(1月ー3月)
『建築討論』007号 2016年1月1日刊行
20151120
パトリック・ゲデス著
『進化する都市 都市計画運動と市政学への入門』
西村一朗訳
鹿島出版会
Patrick
Geddes (1915),”Cities
in Evolution “, Williams & Norgate, London(”Cities in Evolution An Introduction to the
Town Planning Movement and to the Study of Civics”, Ernest Benn Limited,
1968).
著者パトリック・ゲデスは、、スコットランド・アバディーンシャイア出身の都市学、都市計画学の大家として知られる。生物学、植物学を出自とするが、その活動は地域学、都市学へ展開、具体的な実践活動を多様に展開した。その足跡は、スコットランド、アイルランド、フランス、インド、バレスチナ、イスラエルにまで及ぶ。都市学の大家L.マンフォードは。P.ゲデスは師と仰ぐ。また、20世紀の都市計画運動に最も影響力を与えたエベネザー・ハワードと共に近代都市計画の祖とも言われる。
原書の初版が上梓されたのは1915年である。1968年に再版され、その邦訳が1982年に出版されている。本書は、原書出版百周年を記念する邦訳の改訂・復刻版である。全体は18章からなるが、ベースになっているのはエディンバラの経験である。P.ゲデスの活動は、その後のインド、パレスティナでの展開を含めて実に興味深い。
P.ゲデスが徹底的に批判したのは、スラム・クリアランス型のマスタープラン主義である。オン・サイト(現場)での保存的外科的改善手法(コンサバティブ・サージェリー)には、今日猶学ぶべきものがある。それを願うのが改訂・復刻出版の企画である。
(S.F.)
著書紹介:パトリック・ゲデスPatrick Geddes(1854~1932)。
主要著書:Life:
Outlines of General Biology (1931) with J.A. Thomson, Harper & Brothers, London./The Evolution of
Sex (1889) with J.A. Thomson, W. Scott, London./City
Development, A Report to the Carnegie Dunfermline Trust (1904),
Rutgers University Press./Cities
in Evolution (1915) Williams & Norgate, London./The
life and work of Sir Jagadis C. Bose (1920)
Longman, London./Biology with Thomson (1925) Williams & Norgate, London.
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