書籍紹介『進化する都市 都市計画運動と市政学への入門』(パトリック・ゲデス著 西村一郎訳 鹿島出版会)/太田邦夫 『木のヨーロッパ/建築まち歩きの事典』(彰国社 2015年11月10日)/陣内秀信『イタリア都市の空間人類学』(弦書房 2015年10月15日)/鈴木哲也・高瀬桃子『学術書を書く』京都大学学術出版会 2015年9月25日/隈研吾『オノマトペ建築』XーKnowledge 2015年9月18日/アルキテクト編『好きなことはやらずにはいられない 吉阪隆正との対話』 建築技術 2015年9月5日/中村敏男『日記のなかの建築家たち』編集出版組織体アセテート 2015年8月20日/監修:岡本慶一 執筆:林和久 日建設計広報室『日建設計 115年の生命誌』2015年6月1日:布野修司 | 2016/01/25 | 書評, 『建築討論』007号:2016年春(1月ー3月)
http://touron.aij.or.jp/2016/01/102
『建築討論』007号 2016年1月1日刊行
◎書籍紹介
20150601
監修:岡本慶一 執筆:林和久
『日建設計 115年の生命誌』
日建設計広報室
日建設計の起源は、1900年、技師長・野口孫一31歳、日高胖25歳を中心に26名の建築技術者が招集されて発足した住友本店臨時建築部に遡る。今日の日建設計が発足するのは1970年、その前身である日建設計工務が設立されたのは1950年であるが、創業115年、戦後70年を意識した出版である。野口孫一没後100年でもある。
執筆は、林和之日建設計・顧問、監修を岡本慶一会長が務めるとは言え、社史を一人が執筆するのは珍しい。
全体は、|1章|明治に始まる近代日本の歩みとともに、|2章|「ゼロ地点」からの再出発、|3章|現代の「価値」をつくる、|4章|「日本」と「世界」、楕円形の二つの焦点のように、の4章からなる。創業以降~昭和戦前期、敗戦~1990年、1990~2010年、2010年~がおよその時代区分とされている。
住友家須磨別邸(1903)、大阪図書館(1904)以降、戦前期については、他に住友銀行東京支店(1917)、住友ビルディング(1926,1930)、大阪株式取引所(1935)、日本生命保険本店本館(1939)など時代を画する建築作品が順に取り上げられている。戦後は、広島県庁舎(1956)、パレスサイドビル(1966)、中野サンプラザ(1973)、NSビル(1982)、日本電気本社ビル(1990)・・・と続く。日本建築の歴史が浮彫になるかのようである。そして、3章、4章は、そのプロジェクトの多彩な展開が披露されている。(S.F.)
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