真鶴町(神奈川県)美の条例
人口1万人弱の町の実験的試みである。日本の都市計画行政は基本的にはコントロール行政である。「建築基準法」や「都市計画法」によって、土地利用や開発行為は規制を受ける。しかし、そうした法律だけで美しい都市景観が生み出されるとは限らない。全国画一的な法律ではなく、自治体独自の「条例」によって、望ましい街並みを誘導しようというのが真鶴町の「美の条例」である。
条例は6章31条からなっている。住民参加を義務づける画期的な内容になっている。中でもユニークなのは、第10条「美の原則」である。「場所」(建築は場所を尊重し、風景を支配しないようにしなければならない)など、「格づけ」「尺度」「調和」「材料」「装飾と芸術」「コミュニティ」「眺め」に関わる八つの原則からなっている。また、69のキーワードが用意されている。下敷きになっているのは、C.アレグザンダーの「パターン・ランゲージ」である。また、チャールズ皇太子の「英国の未来像ー建築に関する考察」における10原則である。
この「美の条例」をめぐっては様々な議論が巻起こった。美は絶対的なものか、美は強制できるのか、等々。評価は分かれるが、ユニークな試みとは言えるだろう。具体的にはコミュニティ・センターが「パターン・ランゲージ」の方法に従って設計された。
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