第6回千年持続学フォーラム 2005年10月15日
「近代世界システムと植民都市」
布野修司 滋賀県立大学大学院環境科学研究科
0 はじめに 研究経緯
カンポンKampungの世界([2][3])→スラバヤ・エコハウス
居住環境整備 アジア居住地モデル エコ・ハウス エコ・シティ
都市組織研究:街区組織ー都市型住宅 ショップハウスの世界史
チャクラヌガラ→ジャイプル→マドゥライ ラサ・ヴァーラナシー→曼荼羅都市論([11]) アユタヤ、ピマーイ、チェンマイ、ノンハン
ラホール・アーメダバード・オールド・デリー →
パタン・バクタプル・カトマンズ→ カトマンズ盆地都市 Stupa & Swastika(出版予定)
東アジア都市 北京・台北 韓国:日本植民都市 慶州・蔚山 日本人移住漁村
植民都市研究 英国植民都市研究 プレトリア・ニューデリー・キャンベラ
カルカッタ・ムンバイ・チェンナイ([6])
オランダ植民都市・・・ジャカルタ・スラバヤ、マラッカ、ゴール・コロンボ、コーチン、ケープタウン、レシフェ、キュラソー、パラマリボ・・・([8])
主要関連著書・
[1]スラムとウサギ小屋,青土社,単著,1985年12月8日
[2]『インドネシアにおける居住環境の変容とその整備手法に関する研究---ハウジング計画論に関する方法論的考察』(東京大学),1987年
[3]カンポンの世界,パルコ出版,単著,1991年7月25日
[4]住まいの夢と夢の住まい・アジア住居論,朝日新聞社,単著,1997年10月25日
[5]廃墟とバラック・・・建築のアジア,布野修司建築論集Ⅰ,彰国社,単著,1998年5月10日
[6] 植えつけられた都市 英国植民都市の形成,ロバート・ホーム著:布野修司+安藤正雄監訳,アジア都市建築研究会訳,Robert
Home: Of Planting and Planning The making of British colonial cities、京都大学学術出版会、2001年7月,監訳書
[7]布野修司+アジア都市建築研究会:アジア都市建築史,昭和堂,2003年8月15日
[8]布野修司編著書:『近代世界システムと植民都市』、京都大学学術出版会、2005年2月25日
[9] Shuji Funo: Peter J.M. Nas (ed.):Indonesian
town revisited, Muenster/Berlin, LitVerlag, 2002:Shuji
Funo: The Spatial Formation in Cakranegara, Lombok
[10]Shuji Funo: Peter J.M.
Nas(ed.), “Directors of Urban Change in Asia ”, Routledge Advances in
Asia-Pacific Studies, Routledge, 2005:Shuji
Funo: Tokyo: Paradise of Speculators and Builders,
[11]『曼荼羅都市―ヒンドゥー都市の空間理念とその変容―』、京都大学学術出版会、2006年2月予定
0 カンポンの世界
Kampungとは?
•英語のコンパウンドcompoundはkampungが訛ったものである(OED.)
•椎野若菜、「「コンパウンド」と「カンポン」---居住に関する人類学用語の歴史的考察---」、『社会人類学年報』、Vol.26、2000年
•樹木で覆われた屋敷地が集まって、周囲を柵や土塁で囲われた住区がカンポンである。
•人類学で一般的に用いられるコンパウンド、ホームステッド、セトルメント、さらにホーム、ハウスといった言葉を検討する中で、椎野若菜は、カンポンという言葉がコンパウンドに転化していく過程に西欧諸国の植民地活動があるとする[。すなわち、バントゥン、バタヴィアあるいはマラッカにおいて民族集団毎に囲われた居住地の一画を指してそう呼ばれていたのが、インドの同様な都市の区画も同様にそう呼ぶようになり(インド英語Anglo-Indian English)、カンポン=コンパウンドはアフリカ大陸の囲われた集落にも用いられるようになったという。
→→Compound
1 (東洋で)囲いをした白人居留構内, 白人屋敷《住宅_商館などがある》
2 囲いのある場所《収容所など》研究社
カンポンの語源については、ポルトガルのcampanha, campo(キャンプの意)の転訛、フランス語のcampagne(田舎countryの意)の転訛という説もあるが、マレー語のカンポンがその由来であるというのがOEDであり、その元になっているのが、ユールとバーネルのインド英語の語彙集である。Yule, H. and Burnel, A.C., “Hobson-Jobson: A Glossary of Colloquial Anglo-Indian Works and Phrases, and of Kindred Terms, Etymological, Historical, Geographical and Discursive, Delhi: Munshiram Manoharalal, 1903(1968)”
Kampungの特性・・・居住地モデルとしてのカンポン
•1.多様性
•2.全体性
•3.複合制
•4.高度サービス社会 屋台文化
•5.相互扶助システム
•6.伝統文化の保持
•7.プロセスとしての住居
•8.権利関係の重層性
KIPの手法
カンポン・ハウジング・システム
近代世界システムと植民都市
◎植民都市研究
文化変容(支配vs支配、西欧vs土着)研究
近代世界システム研究
発展途上国の都市問題 Primate City EMR
■植民都市
All cities are in a
way colonial.
都市の起源
A余剰説 B市場説 C軍事(防御)説
D宗教(神殿)説 E権力説
プランティング
植民都市の類型
lodge factory
fort castle city
植民地化の過程と構造
都市計画の世界史上の二大転換点
火器・攻城法
産業化:蒸気船・蒸気機関車 内陸支配
モータリゼーション 飛行機
情報技術
■植民都市の特性
植民都市は、宗主国と植民都市、植民都市と土着社会の二重の支配-被支配関係を基礎に成立している。また、植民地と植民都市の関係、植民帝国における諸植民都市との関係、さらには最終的には世界経済システムに包摂される諸関係の網目の核に位置する。そうした様々な関係は、植民都市内部の空間編成として表現される。西欧世界と非西欧世界(文明と野蛮)、宗主国と植民地(中心と周縁)の支配-非支配関係を媒介(結合-分離)するのが植民都市である。
A 複合社会lural society
二重経済構造:
B 結節点
C 複写と転送
D 都市村落
E セグリゲーション
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