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2024年12月3日火曜日

ヴァージニア工科大学とのワークショップ 「木の移築」プロジェクト,SSF NEWA,1997

 SSF NEWS 

ヴァージニア工科大学とのワークショップ 「木の移築」プロジェクト

布野修司

 

 6月4日、ヴァージニア工科大学の学生たちと京都大学京都造形大学の学生たちが、「ピラミッド匠の広場」(滋賀県八日市市)でワークショップを開いた。

 レイ・キャス教授率いるヴァージニア工科大学のプログラムは実に興味深い。近い将来日本の民家を解体してアメリカに移築しようというのだ。「木の移築」プロジェクトという。プロジェクトの中心は、京都で建築を学ぶピーター・ラウ講師である。まず、初年度は民家を解体しながら木造の組み立てを学ぶ。そして、次年度はアメリカで組み立てる。敷地もキャンパス内に用意されているという。米国の大工さん(フレーマー)も協力する体制にあるという。SSFとして協力したらと思う。

 今年は、とにかく何か共同製作しようという話になった。指導は彫刻家大倉次郎氏である。木彫で海外にも知られる。作業は簡単といえば簡単であった。墨で線を引くだけである。とにかく筆の赴くままに無心に引け、という。意識してパターンをつくってはいけない、という。交代して順番に引いていく。前の人の線が気になる。ルールは、前の人の線に接してはいけない、ということである。

 まず、紙の上に木や竹、石などを置く。これも構成を意識せずにばらまく。置かれたものをよけて線を引くのもルールである。

 やってみると意外に面白い。筆の太さによって線は規制されている。個々の線に個性はでるけれど、全体として統一感は自然にでてくろ。一心不乱に引いて、共同でひとつの作品ができる。貴重な体験であった。「木の移築」プロジェクトもなんとか成功させたいものである。

 

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