バーミアンの大仏の爆破破壊が予兆であった。11th Septemberのテロは既に計画されていたのである。
ガンダーラと京都大学の関係は深い。京大隊は、何次にもわたって発掘を続けてきたのである。しかし、インド・パキスタンの分離独立以降、イスラームを国教とする国に属することになった地域で仏教遺跡を発掘する危うさは以前から指摘されてきたところでもある。偶像を禁じられているムスリムにとって、仏像などの遺産はほとんど意味をもたないのである。世界史的遺産といってもそれが通じない、切羽詰まった現実がこのテロの背景にはあるのである。
それにしても世界貿易センターの(WTC)の一瞬の崩壊は世界中の建築界にとってショックであった。巨大なジェット機が超高層ビルに突撃することなど誰もが予想しなかったことである。この事態は、建築設計の思想、理念、方法をめぐって、最も深いところで受け止められるべきであろう。それにしても、テロリストのひとりが建築、都市計画を学び、歴史的な都市遺産についての論文を書いた人物であったことは何かを暗示するのであろうか。
日本の構造改革の行方は未だ見えない。建築学の行方をめぐっても議論は必ずしも煮詰まらない。しかし、地に足をつけた論考こそがいつでも基本である。そして、真摯な議論の持続がtraverseの指針である。
布野修司/編集委員会
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