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2023年11月13日月曜日

歩く、見る、聞く―――臨地調査(Field Survey)のために 調査心得7ケ条、調査必携、2004

 歩く、見る、聞く―――臨地調査(Field Survey)のために

 

  調査心得7ケ条

 

 1 臨地調査においては全ての経験が第一義的に意味をもっている。体験は生でしか味わえない。そこに喜び、快感がなければならない。

 

 2 臨地調査において問われているのは関係である。調査するものも調査されていると思え。どういう関係をとりうるか、どういう関係が成立するかに調査研究なるものの依って立っている基盤が露わになる(される)。

 

 3 臨地調査において必要なのは、現場の臨機応変の知恵であり、判断である。不測の事態を歓迎せよ。マニュアルや決められたスケジュールは応々にして邪魔になる。

 

 4 臨地調査において重要なのは「発見」である。また、「直感」である。新たな「発見」によって、また体験から直感的に得られた視点こそ大切にせよ。

 

5 臨地調査における経験を、可能な限り伝達可能なメディア(言葉、スケッチ、写真、ビデオ・・・)によって記録せよ。如何なる言語で如何なる視点で体験を記述するかが方法の問題となる。どんな調査も表現されて意味をもつ。どんな不出来なものであれその表現は一個の作品である。

 

6 臨地調査において目指すのは、ディテールに世界の構造を見ることである。表面的な現象の意味するものを深く掘り下げよ。 

 

7 臨地調査で得られたものを世界に投げ返す。この実践があって、臨地調査は、その根拠を獲得することができる。

 

 

 

 

 

 


調査必携

 

 0命

  パスポート

  航空券

③ 現金(円、USドル) カード トラベラーズ・チェックなど

    以上3点セットは常に確認できるよう身につける。

 基本的に①②は下のD,Eで管理する。③現金については、分散する必要がある。財布の他、下のB、Cに分けてもつ。スーツケースには入れない。トラベラーズ・チェックは面倒くさい。最近では大抵の国で(タイ、インドネシアでも)キャッシュ・ディスペンサーで現金を引き出せる。円とキャッシュ・カード(Visa Master card)でOK。但し、イラン、ミャンマーのようにカードが使えず,USドルしか信用しない国もある。USドルはもっておいた方がいい。空港で使えるというメリットもある。

 

 Ⅰ 基本構成

  A スーツケース

  B  ハンド・ラゲージ

  C  デイ・バッグ(リュックサック):調査用

  D  ウエスト・バッグ

  E パスポート・ケース

 

    A⊃B⊃C⊃D⊃E

 

    移動時 Ⅰ A(⊃C)+B+D(E)

  調査時 Ⅱ C

  常 時     D(E)は身につける。

 

  基本的にABの2つに収める。3つ以上を持つと忘れる確立が増す。

 

 A スーツケース・・・以下の分類毎に収める

 A-1  衣類

下着類4日分基準 正装(人に会う場合を想定)一着 

 A-2  洗面用具 歯ブラシ、石鹸等一式  

 ○洗剤、洗濯物乾し用ロープ、折り畳みハンガー:ロンドリー料金が安い所では選択に時間をかけず、作業した方がいい。

 A-3 化粧品、爪切り用具、整髪料その他 必要に応じて 

A-4 文具:4色ボールペン、カッター、油性マジック、トレーシング・ペーパー、コピー用紙、三角定規、物差し、安く買えるから予備はなくてもいい。

 A-5 薬:胃腸薬 バンドエイド 頭痛薬 痛み止め、

     タイガーバーム 飲んでもいい 正露丸     

 A-6 土産(本、扇子、・・・)、調査御礼(絵葉書、・・・)、名刺、紹介状、依頼状

 A-7 ノート・パソコン関連グッズ:各種プラグ、電話線ジャック、電池、CD-RomMoなど、保存媒体。

 A-8 その他

     荷造りセット ガムテープ ヒモ、封筒各種 ビニール袋(衣類を分けるのに使う)、風呂敷

 A-9 文献資料等 

 

  ハンド・ラゲージ(移動中、どこでも仕事ができるものを入れておく) 大きさは航空各社が規定している手荷物の大きさ(50cm×20cm×30cm)。

B-1 ノート・パソコン

 B-2 電気器具等

     ●変電器(トランス)

     ●各種コンセント、電話ジャック、ケーブル、延長コード、乾電池(予備、ほとんど現地で調達できる)

 B-3 デジタル・カメラ

     バッテリー メモリー・カード 充電器 

B-4 各種文献、資料。移動中に読む

 B-5 日誌用ノート 小型ノート

     時間があれば、どこでも気のついたことをメモする。

     また、領収書やチケットの類はノートに貼り付ける

 B-6 文具一式 特にノリとホチキス

 

C デイ・バッグ(リュックサック):調査用、移動時はスーツケースに収める。

 

 C-1 スケール(5m)、磁石

 C-2 赤外線計測器 最近性能はいいが、屋外では使いにくい。歩測器(ゴロゴロ)は不正確。歩測を身につけること。また、タイル幅(30cm15cm40cm)を利用する。

 C-3 、調査用紙(方眼紙)、ベースマップなど 4色ボールペン

C-4 小型ノート(スケッチブック)

 C-5 デジカメ、予備の電池 予備の記憶カード

C-6 帽子(日射防御) 折り畳み傘(簡易雨具)、ジャケット、セーターなど必要に応じて

C-7 調査御礼用品(絵葉書など)

   

 

 

 

2023年5月7日日曜日

Eco-House Project in Malaysia (tentative)についてのメモ   2000.0925 S.Funo

Eco-House Project in Malaysia (tentative)についてのメモ   2000.0925 S.Funo

 

 9月14日 UTM(University Teknologi Malaysia Johor Bahru)で、Dr. Ho Chin Sion (13日夜会食)& Dr, Nor Haliza bte Madrosの両氏と1時間半程度議論、9月25日UM(University of Malaya Kuala Lumpur)でDR. Ahmad Bin Ramly氏と30分程度面談、若干の議論を行った。以下はその概要。

 

UTM

8月7日~11日のコーディネーター会議の招集はマラヤ大学(UM)から各大学にオープンに行われたが、立地の関係からジョホールバルー(UTM)、ペナン(USM)などからは代表一人の参加であった。

・会議での説明の後、参加者はミーティングをもったが、代表者のみの交流ということであまり魅力を感じない、という雰囲気であった(Dr, Nor Haliza bte Madros)。つまり、各大学で同様のプロジェクトを持っており、それぞれやっていけばいいという雰囲気であった。

UTMについては既にACCESS-C21プロジェクトを展開中であり、中核として是非参加したい。その場合の陣容は、以下の通りである。

  ★Director Prof. Parid Wardi Sudin(布野が20年前に会っており、先方も布野の名前を知っている。脇田先生(島根女子短期大学)、田中麻里先生(群馬大学)も会ったことがある。)

   ★Project Manager   Dr. Ho Chin Sion (何進松)(豊橋技術科学大学で学位取得 住宅政策、住宅供給。宇高の先生でもある。日本の事情には通じている)& Dr, Nor Haliza bte Madros Deputy Deen (Post Graduate Studies & Research)(照明の専門家 ケンブリッジで学位取得。)

    Social:Prof. Dr. Noor Sharifah Sutan

    Land Utilisation: Dr. Ho Chin Sion

   ☆ Neighbourhood Planning: Dr. Nooraini Yusoff

    Thermal/Design: Dr, Nor Haliza bte Madros

    Material/Building Technology/Cost Analysis: Aminudin Ali

    Facility Management: Yahya Mohamed Yatim

・いくつかの大学が一緒にやることはありえなくないが、二つまでだろう。個別に研究者をインヴァイトすることはできる(例えば、Dato Elias Salleh(Northern University Malaysia)は関係が深い)。

UTMは政府との関係は強く個別に研究費を獲得できる。具体的にRM8(第八次五カ年計画2000-2005)のための申請ができる。その場合、日本、インドネシア、インドなどとのネットワークが力になる。ACCESS-C21プロジェクトはインドの建築家チャールズ・コレアを呼ぶ予定であった。

・方法論の共有が重要。それぞれがそれぞれの国で成果を還元するのが原則。布野の二十年にわたるスラバヤ・プロジェクトを説明。学生を含めた交流を長期に行うことで基本的に合意。

 

UM

・当然のことながら、今回のプロジェクトは理解されていない。←背景を説明して前向きに検討を再度依頼。

DR. Ahmad Bin Ramlyは、Public Housingの専門家。マレーシアの住宅事情については第一人者との自負もちらり。プロジェクト・マネージメント。

・スラバヤ・エコ・ハウスについては直感的にマレーシアの住宅事情には向かない。多民族社会の問題。←しかし、多民族共生を国是とするのであれば、提示する意味はある。

・コンサルタントとしてアフォーダブル住宅の供給をやっている。しかし、DR. Ahmad Bin Ramlyは、エンジニアリングについては専門ではない様子。熱環境のスタッフはいるという。

・今回のプロジェクトについてはUSMの出方次第であまり関係ないという認識(会議には半日しか出席しなかった)。しかし、USMが何を考えているか打診はできる。いくつかの大学が組むことは原則可能。しかし、ターゲット・エリアがペナンになると、クアラルンプールでは手が出しにくい。

・クアラルンプール近郊の伝統的集落、住居を選んで分析することから始めてはどうか。DR. Ahmad Bin Ramlyは、伝統的住居に興味を戻したい雰囲気。

・問題は研究費をどうとるかである。

 

 以下は布野の意見(方針)。

 

MalaysiaCounterpartについて

Prof. WardiをトップにしてUTMチーム主体でやるのが一番可能性がある。しかし、今の段階で絞るのはリスキー。USMチームと鉾井・原田チーム(熱環境)と布野・宇高・金多とUTM(プランニング・デザイン)の二本立てになるが(宇高がサバーティカルでUSMへ2001.10~ 両チームをつなげられる)、首都のマラヤ大学もインヴォルブしておいた方がいい。意欲によって次第に選別されるであろう。

 

◎一応、クアラルンプール、ペナン、ジョホール・バルーの三カ所を拠点と考える。それぞれで調査地域を決めて出発し、それぞれでモデルをつくる。

   Kuala Lumpur--- UM   近郊伝統的集落 住居

  Johor Bahru ------UTM  ロー・コスト・ハウジング団地

  Penang-------------USM  町屋 タウンハウス

 

  鉾井チームはそれぞれ測定する。 

 

◎モデルについては、UTM、UMとも既にある。USMにもあるであろう。それを検討することから始めたら早い。UTMのモデル(ACCESS-C21プロジェクト)は面白い。また、ケン・ヤングの高層ビルモデルは検討に値すると思う。

 

◎調査項目

①住宅形態を規定する法制度の枠組み 住宅政策 税制 補助事業

②住宅市場の動向 マーケティング

③生活様式 住居観 住宅イメージ 

④住宅類型(住宅地類型)と住宅階層*住宅供給主体 ・・・どのような主体がどのような住宅(間取り、価格、立地)を供給し、どのような層が居住しているか 典型的事例の列挙

⑤住宅類型(含伝統的住居)と熱環境データ測定 地域差・・・ローコストハウスと伝統的住宅

⑥住宅類型と仕様 住宅生産システム 材料、部品、工法の実態 コスト配分

⑦利用可能なエコ・テクノロジー

 

◎いずれにせよ、日本側からプロポーザルを出す必要がある。また、国際科研など研究費を獲得する必要がある。

◎必要に応じて日本側スタッフを拡充する必要がある。