『建築雑誌』編集長日誌 布野修司
2003年4月
「見本誌」一週間早まる?
ラスト・スパート!
2003年4月1日
遠藤和義委員から教授昇進のメール。遠藤委員は彼が学生の頃から知っている。京都大学に赴任したとき、彼は助手で色々お世話になった。実に目出度い。
諸先生方
拝啓 日頃より大変お世話になっております。
私事で大変恐縮ですが、本日4月1日付で、本学の教授に昇格させていただきました。これまで賜りました先生方のご指導に深く感謝致します。分不相応と十分心得、今後も地道に活動していく所存です。略儀で大変恐縮ですが、これからもご指導賜りますよう、よろしくお願いいたします。 敬具
工学院大学 遠藤和義
東大の学生の頃お世話になった愛知工業大学の曽田忠宏御夫妻が来京。天龍寺で精進料理をご馳走になる。
CNN、イラク戦争報道にかじりつく。
2003年4月2日
編集委員会のために上京。新幹線の中で、松山さんから頂いた『建築批評』(西田書店)を読み直す。東京芸術大学美術学部建築科大学院「特論第6・建築計画Ⅱ」(2002年4月~7月)の最終成果であるが、出版コードも得た正式の出版物である。文庫本サイズで186頁。真っ黒の表紙に小さく建築批評と白く文字が抜かれている。なんとなく『群居』創刊準備号を思い出した。
「いかなる時代であれ、卓れた創造は時代への批評を含んでいる。批評が新たな創造の源泉であることはいうまでもない。」という「批評について」という松山さんの短い前書きに続いて12人の建築批評が収められている。
修士一年の作品であるけれど、まず、その文章の水準にびっくりする。そして、それぞれの建築へのアプローチの多様さに驚く。文章を書くことと、建築作品をつくることは決して遠くはない、というより結びついていることを今更のように確認する。批評の対象として取りあげられている建築作品がまず興味深い。リットリオ宮設計競技案(石橋伸介)などテラーニの名前を知っていても知る人は少ないのではないか。「せんだいメディアテーク」(渡辺樹)「RISE」(加藤由樹子)「世田ヶ谷村」(小高ちひろ)などに混じって「都営高輪アパート」(宮沢宏平)「祖母の家」(加用真美子)などもある。それぞれ眼が確かである。読んでいて、一般の読者を考えると図面が欲しい、ような気もしてきたが、文章で勝負というのが松山さんの指導方針か。末尾に置かれた「車窓の向こう-東京拘置所-」(鈴木貴宇)には特に才気を感じた。
第22回編集委員会。もう大詰めである。8月号「日常環境の心理と行動-実験室からフィールドへ」(小特集)、9月号「建築年報2003」、10月号「高齢社会のデザイン」について確認した後、11月号「建築構造学の夢と憂い」について議論する。構造の分野は、なかなかテーマがみつからなかった。それを素直にテーマにしよう、というのが方針である。色々意見が飛び交うもまとまらない。決定は次回に持ち越した。続いて、12月号「建築学の行方」について議論するが、全員あまり乗らない。
困っていると、「建築を学びたいと思って入学した学生に、いま何を教えたらよいのか。東大出版会の『UP』4月号では「東大教師が新入生にすすめる本」を特集していた。12月号でも新入生に読ませたい本(専門書、一般教養)を挙げ、それを実際に読んだ学生からの反応を併せて掲載してはどうか。」という松山さんの発言が飛び出して、一気に流れが出来た。
取り上げる本は執筆者に委ねるか、編集委員会でオーソライズするか。前者では重複する可能性もあるので、そこをどう考えるか。執筆者が挙げた本を、自身の学生に読ませてコメントをもらってはどうか。学会の先生方にアンケートを取り、その結果をリストにまとめてはどうか。学生をまきこむしくみを考える必要がある。学生がいま何を学びたいかから考えてみてはどうか。学生の座談会を開催してはどうか・・・など多くの意見が出た。
とりあえず、「初学者に読ませたい本」をアンケートでリストアップすることにする。アンケート先は、学会役員(支部長含む)、調査研究委員会委員長および運営委員会クラスの主査、学会賞受賞者、アンケートの主旨は、建築を学ぶ学生(初学者)に読んでほしい本を、専門書1冊、一般書1冊を目安に挙げてもらう、自著と教科書は外すことが原則とするなど即決。例えば、実際の誌面では1分野=1ページとし、36分野を掲載する。各分野毎に推薦理由2/3ページ、学生からの読後コメント1/3を掲載、アンケート結果は資料編として掲載する(4ページ)などが頭に浮かぶ。
2003年4月5日
早速、小野寺さんがアンケートの文案をつくって下さる。相変わらず仕事は速い。
日本建築学会役員 各位:調査研究委員会委員長・主査 各位:学会賞(論文・作品)受賞者 各位: 『建築雑誌』編集委員長・布野修司
先日、標記のメールをお送りしましたが、ぜひご回答いただきたく再度お送り申し上げます。よろしくお願い申し上げます。
『建築雑誌』編集委員会では、12月号特集「これから建築を学ぶ若い人へ」(仮題)を企画しております。そのなかに「初学者に薦める本」をリストアップしたいと考え、アンケートを実施することにしました。このメールの「返信」で、事務局宛てご回答ください。ご協力をよろしくお願いします。
【ご回答いただく内容】
・建築を学びたいと思って入学した学生に、いまどんな本を薦めますか? 御専門をふまえて、「専門書および一般書」を挙げてください。
・冊数の制限はありません。
・自著と教科書は原則として除きます。
・可能であれば、出版社と出版年(初版)をお知らせください。
・アンケート結果は集計して『建築雑誌』12月号に掲載します。
イラク戦争とともに、学会でも選挙戦。様々なメールが飛び交う。
2003年4月6日
新型肺炎SARSの猛威。インドネシアからメール。建築のアジアで原稿を依頼したPratiwoからである。
How are you? Do people crazy with SARS in Japan? In Indonesia people is getting panic with the desease.
sincerely Pratiwo
2003年4月7日
土木学会誌編集委員会委員長、六郷恵哲先生に手紙をしたためる。
土木学会誌編集委員会
委員長 六 郷 恵 哲 様
社団法人 日本建築学会
編 集 委 員 会
委員長 布 野 修 司
建築雑誌・土木学会誌共同企画について
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
標記につきましては、土木学会誌編集委員会の前向きな姿勢に敬意を表するものです。また、正副会長会議を通じての協力推進は、建築学会・土木学会のみならず、わが国においても大変意義深いものと認識しております。
さて、建築学会編集委員会においても、共同企画について議論を重ねました。「学際的・国際的・横断的」を重視するわが委員会としては、大いなる賛同をもって積極的にお応えすべき立場です。しかしながら、建築学会はいま役員交代の時期であり、編集委員会は5月をもって任期満了を迎えます。現在、12月号までの企画を固めて新委員会にバトンタッチすべく議論を急いでいるところです。
こうしたことから、現編集委員会による対応は難しいと判断し、共同企画については次期委員会に申し送ることを結論としました。今後、一読者として共同企画の実現を楽しみに待ちたいと存じております。
折角の申し出にお応えできず恐縮ですが、ご理解賜りたくお願い申し上げます。
敬 具
ウィーンで活躍する三谷克人さんが京都へ里帰り。何故か、僕のところに連絡があって四方山話を楽しむ。同級生の古阪先生を誘って飲む。作品選奨初の海外作品受賞果たせず、残念でした、となぐさめる。
2003年4月10日
4月号はとっくに編集部の手を離れて、5月号にかかるも遅れ気味で心配。連休もある。6月号の締め切りが今日だ。編集部よりメール。
6月号ご担当の皆様
お世話になります。標記の原稿締切が本日となっております。各執筆者より、原稿チェックの依頼が届いていると思いますが、何卒よろしくお願いいたします。下記の方からは遅れる旨、連絡がありました。
・赤松佳珠子さん
・鵜飼哲矢さん
・迫慶一郎さん
ほかの方には督促を行います。
それから、古谷先生からご連絡があったかと思いますが、
表紙のアイデアをお出しください。刺激的で楽しいアイデアを期待しております。
宜しくお願い申し上げます。建築学会 小野寺
学会から以下の依頼。作品賞と作品選奨については思うところがある。議論に参加させて頂く旨、返事する。
作品賞と作品選奨検討小委員会案
表 彰 委 員 会
委員長 仙田 満
趣 旨
1995年より「学会賞(作品)」の候補には、応募作品のほかに「作品選集」掲載作品が加えられることとなった。そして、同じ年に「作品選奨」が新設され、当該年度に発行される「作品選集」の中から学術・芸術・技術面で高度の質を有する12件を基準とした作品が毎年選ばれている。また昨年来、「作品選集」の掲載数が60作品から100作品に増やされている。このような経緯から、「学会賞(作品)」と「作品選奨」は実際にはかなり重なる母体から選考されるという状態にある。
一方、「学会賞(作品)」に一昨年から3年続けて重賞となる作品が選ばれたことで、これまで新人賞的と言われてきた賞の性格・役割は、賞に期待される水準の維持、その活性化のためにあらためて問い直す時期に来ていると思われる。
以上の点から、「学会賞(作品)」と「作品選奨」の2つの賞の性格(選考基準、位置づけ)を明確化することを検討願いたい。
あわせてアジア建築賞の創設の可能性についても検討願いたい。
検討の方向
この問題は以前から何度も繰り返し議論されている。そのひとつの結論は、作品賞は長い伝統を持ち、そのときどきの選考委員会が時代状況を反映しながら、その委員会の責任で賞を選定してきており、評価・選考基準、重賞問題については選考経過・推薦理由を明らかにすることで選考委員会の責任を果たしている、というものである。
今回の検討においては、作品選奨の数を増やす(倍増)ことによって作品選奨の性格をより鮮明にし、2つの賞の性格を明確化する方向で検討いただきたい。
検討の結論は2004年学会賞の審査開始(2003年9月下旬)までに得ていただきたい。
委員案(五十音順、敬称略)
委員長 小倉 善明
委 員 岡部 憲明
香山 壽夫
坂本 一成
布野 修司
細田 雅春
村松 映一
柳澤 孝彦
渡辺 邦夫
2003年4月11日
4月号見本誌が届く。見本誌完成を6日早めることが出来た。残念なのは、論文集がちょっと追いつけず、会員に届くのは20日前後になることである。無理を言って急遽4月号に繰り上がった特集であったが、岩松委員が頑張った。
2003年4月16日
理事会。各賞受賞者の承認を行ったが、その中に、編集委員の名がなんと6人も。早速、小野寺さんにメールを打ってもらう。なんとなく鼻が高い。
編集委員各位
本日理事会において、2003年学会賞ほか一連の受賞者が正式に決まりました。 編集委員会からも沢山の受賞者が出ましたので、取り急ぎお知らせします。受賞者一覧は、『建築雑誌』4月号p.91に掲載しております。
受賞者の皆様、おめでとうございます。
○学会賞(論文)
福和伸夫先生:構造物と地盤の振動現象の解明と都市地震防災への活用に関する研究
○学会賞(作品)
小野田泰明先生:苓北町民ホール(阿部仁史先生と共同受賞)
○奨励賞
岩松 準さん:建設プロジェクトにおける入札戦略に関する研究-公開された入札データから読みとれる入札者の行動
藤田香織先生:静的水平加力試験に基づく伝統的木造建築の組物の履歴モデルと剛性評価
○作品選奨
小嶋一浩先生:宮城県迫桜高等学校(三瓶満真氏、赤松佳珠子氏、新谷眞人氏、高間三郎氏と共同受賞)
古谷誠章先生:ジグハウス/ザグハウス
Mayaというアメリカの学生からメール。インドで聞いたと言うから、僕もインターナショナルになったものである。インドネシアの建築について聞きたいという。続いて電話、21日に会うことにする。
Professor Funo,
I recieved your contact information from a man in Varanasi named Rana Singh. I
would be interested in speaking with you about Indonesian architecture. I plan
on doing research next year for ten months in Indo. I would like to learn more about
your research and any recommendations you have. I am staying here in Kyoto for
a week. If you have time, maybe we can meet, or at least talk on the phone.
When is a good time for you?
Thank you so much,
Maya
2003年4月17日
アジア建築交流委員会。出席は、飯塚キヨ,石東直子,岡田保良,高偉俊,小浦久子,竹下輝和、友田博通,八木幸二,八代克彦の先生。事務局からは、真木康守,大野智洋,栗原いず美の三人。審議の中心は、第5回アジアの建築交流国際シンポジウムの企画である。いくつか決定しないと間に合わない。まず、開催日程は2004年6月1日~4日とすること、開催地については、島根県松江市での開催を決定する。島根県ならびに松江市からは総額800万円の補助金が得られ,開催会場,宿泊施設,アクセス状況等諸条件についても開催上問題ない。松江は僕の育ったところだ。メインテーマについては、仮に、「Global Environment and Diversity of Asian Architecture」とすることとした。
以下、栗原さんの議事録を借りよう。
・サブフィールドについては,A~Fまで計6つを設定することとし,明確かつ特色ある具体的なものを設定するのか,または大枠で6分野を設定し,今後具体化していくかについて審議した。
・前回例に鑑み,参加者の希望である「論文の発表」は大前提とし(前回4thISAIA中国開催では選抜発表で,全体の約1/2しか発表できなかったことへの参加者の不満が多かった。),基本的に論文は全題発表(質疑応答含め約15分,6室使用)することが基本方針として確認,決定された。サブフィールドについては,①構造デザイン,②防災,③地球環境,④まちづくり,⑤伝統・土着・地域・居住,⑥歴史・保存・技術協力・歴史環境の6フィールドが候補としてあがったが,今後さらに検討を重ねることとした。
・明確な特色あるテーマは,オーガナイズドセッションを行い,そのテーマとして設定することとし,①歴史・保存・技術協力・歴史環境をテーマとしたもの(例「アジアの建築の起源」),②地球環境をテーマとしたもの,(地球環境委員会担当),③アジア建築賞創設に関するものの計3テーマとし,今後さらに検討を重ねることとした。
・オーガナイズドセッションについては,開催第3日目に論文発表を6室で午後3時頃まで行い,その後3室で3テーマのセッションをしてはどうかとの意見があり,検討された。または,第3日目は全日論文発表とし,2日目午後に講演と同時並行してオーガナイズドセッションを行うという案もあり,プログラムについては次回委員会で決定することとし,2nd Announcement(10月発送予定)にはプログラムを掲載し(6月発送予定の1st
Announcement には簡単な予定スケジュールのみ掲載),告知することとした。
・スケジュールについて,基本的には1日目夕刻から歓迎会,2日目の午前は開会式,午後講演,3日目はセッション,4日目にエクスカーションとすることとし,今後内容をつめていくこととした。
・講演については,海外からの参加者からも好印象であり,かつ市民動員もはかれるような著名建築家を招くという基本方針のもと,今後候補者を選定することとした。
・ウェルカム・フェアウェルパーティー,エクスカーションについては担当者を決めて次回委員会で企画内容について審議することとした。
1. 第5回アジアの建築交流国際シンポジウム準備スケジュール 資料No.2
資料No.3にもとづき,第5回アジアの建築交流国際シンポジウム準備スケジュールについて確認,審議した。
・本日の審議・決定事項により1st Announcement and Call for
Papersを作成し,6月に発送,HP掲載することとした。
・第2回実行委員会は2003年9月に開催することとし,次回委員会での審議・決定事項について確認した。
・その後の日程については今後の委員会で随時確認・修正することとした。
2. 第5回アジアの建築交流国際シンポジウム予算 資料No.3
資料No.4にもとづき,第5回アジアの建築交流国際シンポジウム予算について,収入,支出それぞれについて確認後,審議した。
・Registration Feeは,一般2万円,学生1万5千円とし,論文集一冊,ウェルカム・フェアウェルパーティー,第2,3日目の昼食が含まれることとした。エクスカーションについては,別料金とし,企画内容値段について担当者案を次回委員会で審議することとした。
3. 第5回アジアの建築交流国際シンポジウム組織構成 資料No.5
・資料No.1-1,5にもとづき,布野委員長が組織構成について説明した。今後検討を重ね,人選を行ったうえで,次回実行委員会で各構成メンバーについては正式に承認,決定することとした。
・ 組織構成にあたり,各委員に研究室等所属の助手・院生等 最低3名以上の運営担当メンバーの推薦を依頼することとし,次回実行委員会で審議することとした。
2003年4月18日
同僚の竹山聖先生からメール。母校である北野高校の同窓会館が竣工した。相当の自信作らしい。
布野先生
北野高校同窓会館(六稜会館)がようやく竣工しました。ただ大阪府の予算執行の遅れで、本格オープンは11月になります。それまでは工事用仮囲いに囲まれたまま。そこでお披露目を一日だけやることになりました。
1階サロンではバザー、3階ホールではシンポジウムがあります。そして地下のギャラリーでは、会館建設をめぐるワンデイ・エキシビションが同時開
催されます。
4月20日、午後1時半から5時まで。
阪急十三駅から西に徒歩8分といったところでしょうか。十三駅西口を出て、短いアーケードを抜け、大通りを左、つまり南の梅田を望む方向に曲がって、最初の大きな交差点まで行き(南西角に高松建設の本社ビルがあります)、そこを右折して西に向かってずっと歩くと高架の道路の走る交差点があり(すぐ見えます)そこをわたってすぐの左側です。道路沿いに同窓会館が見えてきます。僕は終日います。いらっしゃる時間がわかれば十三駅まで迎えに行きます。
うちの研究室の学生たちは、12時半に河原町木屋町口、13時半に十三駅西口に集合です。お忙しいところ、また休日で出にくいところに、急なお誘いで申し訳ありませんが、いらしていただければ幸いです。もちろん研究室のみなさんもご一緒に、よろしければ。イベント詳しくは、北野高校のホームページ、特に以下のサイトを見てください。
http://www.rikuryo.or.jp/events/pre-open.html
では、よろしくお願いいたします。竹山聖
『アジア都市建築史』の最終ゲラ出る。年度末、印刷屋が混んでずるずる伸びた。応地先生、昭和堂の松井さんと最後の打合せを行う。まあ、夏までには出ると思う。
2003年4月21日
午前中、Maya(Miya Buxton)さんにあう。インドネシアの住居とコスモロジーについて論文を書きたいというので、R.Watersonの“Living House”を知っているかというと、いや、ウォータソンに触発されたという。それ日本語に訳した(生きている住まいー東南アジア建築人類学(ロクサーナ・ウオータソン著 ,布野修司(監訳)+アジア都市建築研究会,The
Living House: An Anthropology of Architecture in South-East Asia,学芸出版社,1997年3月)の僕らだと訳書を見せるとびっくりした様子。インドネシアで接触すべき研究者などアドヴァイスする。しかし、各地に2ケ月づつ滞在する奨学金を得ているのだという。うらやましい精度だ。
午後、PFIに関する委員会。PFIの問題点がかなり見えてきた。
2003年4月22日
宇治都市計画マスタープラン検討委員会(岡田憲夫部会長)。宇治市を6地区に分けてワークショップを開催し、都市マスタープランを作成することになる。タウンアーキテクト制のひとつのモデルとなりうるかもしれない、と思い出す。
2003年4月24日
UCバークレイのマーシャ先生からメール。
研究費がとれなかったとかで規模は縮小であるが、京都CDLとの共同作業のために数人の学生を連れてやってくるとか。
4.23.03
Hello Funo-sensei:
I write hoping you are well. It is still my plan to come to Kyoto in June
with 6 students who have been doing case studies of 3 neighborhoods on the Los
Angeles River. We would very much like
to present them to your students or KCDL.
We also were hoping we could work on your neighborhood projects with
your students for 3 or 4 days. What do
you think? We could help do field work,
we could do a design charrette on neighborhood landscape interventions,
whatever would be useful to you.
We arrive on May 31st and
leave on June 14th. Please
let me know if you and your students would like to meet with us and if you have
time.
Sincerely,
Marcia McNally
2003年4月25日
第58回アジア都市建築研究会。下平わか奈先生の「諏訪大社の御柱祭」
一本の柱がかかえる精神性
日本における生活空間の歴史を、「柱」の視点から再考することで、これからの生活空間に必要な「柱」の在り方を探っていくことを目的とし、現在、諏訪大社の御柱祭を事例として研究を行っている。
信州の諏訪にある諏訪大社は、諏訪湖を隔てて南に上社(本宮・前宮)と北に下社(春宮・秋宮)、いわゆる二社四宮の宮である。その社殿の四隅には直径約1m、長さ約15mもある御柱がたっている。その御柱を寅申歳の7年目ごとに建て替える祭儀が御柱祭であるが、四宮に4本ずつ、あわせて16本の柱がたてられる。上社の8本は約25キロ隔てた八ヶ岳の中腹から、下社の8本は霧ヶ峰から約12キロを、諏訪地方の氏子が奉仕し、樅の巨木を山から伐り出し、曳き下ろし、木落し、川越し、里曳きを経て、御柱をたてる祭である。
この御柱祭を事例としたのは、信仰の意味は変化しても、長い年月、諏訪人の生活を支え、御柱祭を来年に控えた現在も諏訪人の魂を揺さぶる柱立ての祭であり、歴史を通して、「柱」がかかえる精神性について考察できるのではないかと考えたためである。
今回の発表では、諏訪の御柱祭の概要とその歴史とともに、諏訪大社成立前の原始信仰であるミシャクジ信仰による神事といわれる上社例大祭、御頭祭の調査報告を行う。原始的な信仰の姿を残しているといわれる御柱祭の起源、また柱信仰の起源はどこにあるのか、御頭祭の神事にある諏訪大社のもう一つの柱である御杖柱から、一本の柱がかかえる精神性について考察していく。
小野寺さんからメール
編集委員 各位
お世話になっております。
5月2日(金)15:00~ 202室にて第23回編集委員会を開催します。
布野編集委員会の最後の委員会です。ぜひ御出席くださるようお願いします。
いつものように二次会を行い、そのあとカラオケ大会の予定です(??)。
二次会への参加もぜひお願いします。詳細は決まっておりませんので、またご連絡します。
1)ご出欠をお知らせください(すでに連絡を頂いている方は不要です)。
2)当日は、11月号「建築構造学の夢と憂い」、12月号「建築を学ぶ若い人たちへ」の最終決定です。
3)連載のご担当の方、年内の予定を固めてください。
4)前回議事録を添付しました。
よろしくお願い申し上げます。建築学会 小野寺・片寄
2003年4月26日~4月27日
京都CDL2003年度春季リーグ。26日の土曜日は今年はワークショップ。題して、「まるしぼりワークショップ「新風景創出大作戦」―色ゲーム「まちは何色?」―」。「まるしぼり」????、若い学生諸君は独特の言語感覚をもっている。
昨日、『京都げのむ』3号(総ページ128ページ、内カラー8ページ、折り込み2枚)が刷り上がってきた。少しずつプロっぽくなっていく。
目次は以下の通り。
■【巻頭グラビア】 SEXY★KYOTO
■【巻頭論考】 歴史都市の光と影 リム・ボン
■【断面調査地図】> [
Full Score of SHIJO ]& [ Full Score of KAMOGAWA ]
■【特集】
断面調査とは!?
京都の図鑑(11)京都らしさ/Feti/開始点としての断面調査と「セクシー京都」/ L][K O/R【ロンドン→←京都メール交換/公衆裸体/消えゆく花街/流出するセクシー/[小説]セクシー赤色/トイレ礼讃
■【CDL活動報告】
SYMPOSIUM REVIEW 2002 SPRING/左京区民ふれあい祭り2002/SYMPOSIUM REVIEW
2002 AUTUMN/地区調査分析2002/ちくびでこん/CDL International
■【連載】
京都私的探求/通りゃんせ: 寺之内通/京外国人の遊び方/げのむアーカイブ: 京都の意匠・デザイン考察BOOK/京都メカニズム: ヤンキー ゴー ホーム/京都黒穴/CDL不動産/京都やま企画/京都近代化の亡霊/げのむギャラリー: 京都精華大学京都市内の保存地区のスケッチ/京都データベース: 銭湯(後編)京都CDL銭湯文化愛好会編
■【監督コラム/私だけの京都】神楽岡界隈/垣のある風景・銀閣/私のお薦め京都のキャンパス景観/京都に想う
ワークショップの目的と内容は以下の通り。
会場の龍池小学校周辺の地域を「色」というキーワードで観察し,町の新しい風景をつくり出すことを目標とします。こちらの用意する様々なゲームに挑戦しながら地域の色を集めたり、それらの色をテーマに、楽しみながらまちの新しい魅力を発見する企画です。
一概に「色」といっても人によって様々な捉え方があることでしょう。今までの学生中心の企画とは異なり、様々な人が参加することが出来るこのワークショップイベント。全員で考え、形にしていくことを通じて、普段は意外と気づかない地域の魅力や新しい問題点を発見する新鮮な機会になることを期待しています。
■スケジュール
9:45受付開始:10:00龍池小学校集合・チームわけ・前半説明:10:30まちへ出て色集め:12:00龍池小学校集合・休憩&昼食(写真現像)、龍池地区の名所紹介:13:00後半説明:13:30色合わせ神経衰弱ゲーム製作と自由課題プレゼン開始:14:30色合わせ神経衰弱ゲーム:15:00カラーチャート制作:16:00カラーチャート完成・自由課題プレゼン・結果発表:17:00WS終了・解散
■集合場所;元龍池小学校講堂:京都市中京区両替町通押小路下る金吹町452
地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」2番出口から徒歩1分
■用意するもの;特にありません。昼食は各自で用意してください。(コンビニや飲食店は会場近くにあります。)床での作業がありますので、動きやすい格好でお越しください。
2003年4月27日
京都CDL2003年度春季リーグ、シンポジウム。事務局長として、この一年の活動を報告。今年は、基調講演者として佐伯啓思先生(京都大学大学院人間環境学研究科教授)を招いた。今回のワークショップの指揮を執った竹山研究室の井関君の友人が佐伯研究室の所属だったという縁による。ところが縁は異なもの奇奈もの、この今や売れっ子の文明批評家、佐伯啓志先生、僕の同級生である。18で上京して住んだ寮で同じフロアであった。僕は出雲出身、彼は奈良出身である。経済学部と工学部に分かれたけれど随分議論した記憶がある。お互い京都大学に赴任して、一度だけ旧交を温めたことはあるが、それからでも数年ぶりである。実に懐かしかった。
演題は、「構造改革に翻弄される地域」。小泉構造改革路線が根本的に間違っている、という迫力ある講演であった。不思議な気もしたけれど、その主張にそう違和感はなかった。
続いて、広原コミッショナー、渡辺菊真運営委員長司会によるパネル・ディスカッション「地域は都市をつくれるか」。パネリストは、リム・ボン、竹山聖という京都CDLの監督に、オリガナイザーの井関君、さらにゲストとして中谷礼仁氏(大阪市立大学建築学科専任講師)が加わった。テーマがいささか難解。しかし、なかなかに興味深い議論が展開された。
懇親会は、例年通り、大いに盛り上がった。
京都CDLは、NPO法人を目指しつつある。
京都コミュニティ・デザイン・リーグ
2002年度(2002.0401-2003.0301)
事務局日誌
2002年4月 第3回京都CDLシンポジウム:2002年春季リーグ開催。
2002年4月9日 シンポジウムへ向け第一案として、京都CDLブース企画「監督決闘座談会」が決定する。
2002年4月11日 「ミニげのむ」の活動の一つとして選手同志の交流を深めるため選手名鑑を制作し、シンポジウムの開演時に配布することが決定。
2002年4月27日 2002年春季リーグ、京都商工会議所(烏丸丸太町)にて盛大に開催。キャッチコピーは「京都観察万華鏡」。「監督決闘座談会」「地区分析パネル展示と講評会」「地区ビデオ上映会」「私の京都風景描写コンテスト」など各企画は大盛り上がり。終了後は懇親会へ。
参加大学:池坊短期大学・京都大学・京都市立芸術大学・京都工芸繊維大学・京都嵯峨芸術大学・京都女子大学・京都精華大学・京都造形芸術大学・京都府立大学・京都文教短期大学・滋賀県立大学・平安女学院大学・立命館大学・龍谷大学
2002年5月 断面調査に向けた準備。
2002年5月10日 京都断面調査の「唐突断面準備」開始。今回の断面調査は鴨川縁辺を鴨川出現点(高野川/賀茂川合流ポイント)から、鴨川消失点(鴨川/桂川合流ポイント)まで。(前回は四条通を八坂神社から松尾大社まで。)同時に「唐突断面事前調査隊」入隊募集受付開始。(事前調査隊:本番までにコースを視察して、その長さ、面白さなどをチェックして本番ルートを決定するための準備隊。)
2002年5月16日 断面調査隊長の米津(京都大学)より各大学へ京都断面調査要項配布。
2002年5月22日 断面事前調査決行。「距離的には去年よりだいぶ長いですけど、ずいぶん面白かったです。南北格差というようなものを垣間見ることができ、本当の京都を知ったような気がします。」と隊長の米津(京都大学)。参加者: 米津・柳沢・菊池・鈴木・大城・上野・春原
2002年5月24日 断面調査の単一調査項目の内、浮浪者住居という項目は、川岸調査隊が担当することが決定。単一調査項目に新しく、不法投棄物・路上駐車・鉄塔と煙突・ミニ開発と伝統住宅を追加。
2002年5月27日 京都断面調査「京都蛇行(へびゆき)大南下」に先立ち、運営委員長渡辺菊眞がKBSラジオ「日産フラッシュジャーナル」に出演。午前7時より「京都断面調査」をPR。
2002年5月29日 京都CDL理事会(チーム監督を主体とする会議)。河原町二条ビル7Fにて。
参加者:広原、布野、渡辺、菊眞、柳沢、魚谷、長野、米津、春原、金剛、中村、井関
昨年度の活動報告と、今年度の骨格となる活動方針(例えば全チーム担当の重点調査地区を設定するなど)重点調査地区の設定、京都CDL規約案などについて話し合う。
2002年6月 第2回京都断面調査。
2002年6月1日 第2回京都断面調査―京都CTスキャン―「京都蛇行(へびゆき)大南下」。一般参加者を含む100人余りが午前9時半賀茂川と高野川合流ポイントに集合。今回のルートは鴨川縁辺を鴨川出現点(高野川/賀茂川合流ポイント)から、鴨川消失点(鴨川/桂川合流ポイント)まで。隊長は京都大学米津(終始テンパリながらも上機嫌)。左京区役所の神山氏取材同行。事後の懇親会(BBQ)盛大に行われる。
2002年6月20日 京都大学にて断面座談会。調査結果を報告。
2002年6月25日 北大路駅徒歩3分の小山東大野町を対象に行われる、ゼロコーポレーション企画のアトリエ作家による競合街づくりコンペに京都CDLの共催参加が持ちかけられる。
2002年7月 京都げのむ第2号発刊。合同重点調査決定、実施。
2002年7月1日 京都げのむ第2号ついに発刊!!!今号のテーマは「京都売ります!」。「その前に、げのむが売れるだろう」と誰もが思ったハイクオリティー。定価も800円と創刊号より2割値下げになり、期待膨らむ。2000部発行。
2002年7月3日 運営委員会「京都重点地区調査」について話し合い。重点地区調査とは、CDLの通常の調査のように調査地区を研究室毎に分担するのとは対照的に、年度毎に重点調査地区を設定して京都CDLの有志で担当するもの。京都の中心部の田の字地区を対象とした「断面調査ならぬボーリング調査」修士論文のネタを探していた魚谷(京都大学)が隊長をやることに決定。
2002年7月6日 京都げのむ第3号編集委員会準備会(兼2号完成打上げ+反省会)防空壕ガッツ(心)にて。参加13名。第3期編集委員会始動。編集長:長野良亮
2002年7月7日 左京区役所より「左京区ふれあいまつり」出展依頼あり。
2002年7月8日 京都げのむ創刊号精算&第2号書店置きキャンペーン。げのむ販促委員長の佃(京都大学)以下、3台の車に分乗して京都中の書店を周る。
2002年7月12日 京都げのむ書店置き集計。新規、継続、中止など結果は色々。
2002年7月17日 「秋季リーグ」のプログラムと会場の決定。「パネル展示会」について。「秋季リーグ企画隊」の結成について、「げのむ書店置きの結果報告」、「げのむ特売隊」の結成、「げのむ3号編集準備会模様報告」、「げのむ3号編集作業の開始」、「重点地区調査進行状況と今後」について、「ゼロコーポレーションのコンペ企画の参加の仕方」についてなど議題盛りだくさん。
2002年7月20日 重点地区調査の打ち合わせ。
2002年7月28日 京都市勧業館「みやこめっせ」にて「左京区民ふれあいまつり2002」開催。
京都CDLからも小ブースを出展。企画準備:春原(池坊)、山本(京女)出展内容:「左京区まるごとHow Much」、「げのむ販売」、「左京区の大学のパネル展示」、「CDLの資料配付」
2002年8月 引き続き京都げのむ第2号販売奮闘中。
2002年8月2日 重点地区調査第一次調査終了。参加者:参加者:魚谷(京大)、今池、上野、金光、山本(京女)、金剛(立命館)中村(滋賀県大)他。京都府建設業協会より、鴨川フェスタ参加要請。
2002年8月8日 秋季シンポジウムが龍池小学校で開催されることが決定。
2002年8月19日 「京都ゲノム」第2号を龍谷大学生協書籍部に卸す。京都中の書店の他、各大学生協に続々と置かれる。
2002年8月28日 秋季リーグの大枠決定。
10月17日、18日、19日の3日間、龍池小学校にて開催。17日、18日:パネルの自由講評、その他の企画。19日:シンポジウム、パネルの表彰
2002年9月 京都げのむ第3号編集開始。
2002年9月11日 秋季リーグのキャッチコピーの決定。「決戦!十四のサムライ」。京都市立芸大の菊池の案。圧倒的多数の支持で決まりかけているのに、高橋(京都大学)が「CDL大戦」がいいとダダをこねた。
2002年9月15日 京都げのむ第3号2003年正月に発行をめざし、表紙デザインコンペ開催。
2002年9月28日 京都府建築士会より情報交流依頼。
2002年10月 第4回京都CDLシンポジウム:2002年秋季リーグ開催
2002年10月9日 京都げのむ第3号表紙デザインコンペ審査会。永澤真美(嵯峨芸術大学)案採用決定(エントリー八点、提出六点)
2002年10月14日 地区ビデオコンテストエントリー募集開始。
2002年10月17日 京都CDL秋季リーグ「決戦!14のサムライ」開幕!秋季リーグ初日は学生だけによるプレゼンテーションと審査会「ウリでゴリ押し」が開催された。企画・進行の隊長は京都市立芸大の菊池。立命館平尾研究室チームを振り切り、京都市立芸大が「裏CDLキング」の栄冠を手にする。
2002年10月18日 引き続き、パネル展示を行う。
2002年10月19日 秋季リーグ最終日。企画運営は京都大学・大辻・川畑。午前、一昨日のイベントを受けて、急遽、討論会「ゴリ押しがウリ」が催される。午後、各大学のパネル・プレゼンテーションと各チーム監督によるパネル審査。結果は「茶室」をテーマとした池坊短期大学チームの勝利。特大のトロフィーをゲットした。チーム・リーダー春原談「うちの研究室は狭いので置き場に困ります(笑)」。その他の結果は以下。最優秀賞 CDLキング 池坊短期大学岩崎研究室 「京都の茶室の再発見」コミュニティ賞 京都女子大学井上研究室 「町へ出よう」デザイン賞 京都大学高田研究室 「’境界線の相対化’による都市空間の再生」リーグ賞 滋賀県立大学松岡+山根研究室 「都市空間における近代化と祠による‘ずれ’に関する調査」秋季リーグ閉幕後は懇親会へ。2次会、3次会、4次会・・・東の空が白くなるまで飲みまくる。ちなみに、CDLキングならぬCDLクイーンの春原は2次会で爆睡(爆酔)。そういえば、駆けつけた岩崎先生(池坊短大監督)が能を舞っていたような・・・。
2002年10月24日 嵯峨芸術大学の文化祭で秋季リーグのパネル展示を提案。
2002年10月28日 池坊短期大学の文化祭で秋季リーグのパネル展示を提案。
2002年10月29日 京都CDL本拠地お引っ越し。作業は永谷・川畑・高橋により、京都大学の事務局から資料・げのむ等を新本拠地(京都市下京区油小路通綾小路風早町56-9)へ移動。11月より、新本拠地で京都CDL活動。
2002年11月 京都CDL新拠点 油小屋開所 カリフォルニア大学バークレー校よりマーシャ先生来京。第2回地区ビデオコンテスト
2002年11月5日 京都CDL新本拠地油小屋オープニングパーティー
2002年11月16日 カリフォルニア大学バークレイ校マーシャ先生来日。
2002年11月18日 京都大学にてマーシャ先生、永橋為介さんとミーティング。講義「Investigating The Neighborhood Landscape---A Field Guide For Knowing and Planning for Change In Your Neighborhood」。永橋さん名通訳、調査方法をめぐって議論。京都女子大:パネルを英語版になおして展示。京大4チーム:パネルは日本語で英語で発表。立命平尾研・京大竹山研・嵯峨芸大・池坊短期大学:日本語パネル展示、学生参加。
2002年11月19日 マーシャ先生と南区、重点調査地区へフィールド・ヴィジット。バークレーの調査用キャップを全員プレゼントされる。永橋、大辻、布野、歩きながら調査地区について議論。午後、渡辺、魚谷、高橋、長野加わる。
2002年11月20日 マーシャ先生と共同研究計画ディスカッション。2003年6月にバークレー校から学生来日、共同研究を行うことが決定。CDLもいよいよ京都の外へ拡大していく。それにしても、いきなりカリフォルニア!?
2002年11月23日 第2回地区ビデオコンテスト。油小屋にて。9チーム参加。
地区ビデオとは、パネルなどでは表現できないような、地区の隠れた魅力を映像作品によって表現しようというもの。優勝は京都文教短期大学。カラオケ調で進む物語の随所にはユーモアがあふれ、会場を笑いの渦に引き込んだ。立命館平尾研作品の余りのハイクオリティーに一同息を飲んだ。
2002年11月28日 高橋、渡辺?マーシャ先生と山科を見て歩く。東山五条~峠越え~山科中心部(山科寺内町跡付近)
2002年11月30日 マーシャ先生、帰国。また来てください。
2002年12月 京都げのむ編集
2002年12月2日 京都造形芸術大学チーム監督の渡辺豊和氏ホームページ上で「京都からの発信、建築のフラクタル」連載開始。(毎週月曜日更新30周にわたり連載。RL:http://www5.ocn.ne.jp/~toyokazu/)平等院鳳凰堂断片を使用した、これまでにない空間構成法を披露。(京都市文化功労賞02受賞記念)「京都美の典型といえば建築ならば平等院鳳凰堂であろう。(以下略)。」
2002年12月5日 運営委員長渡辺菊眞、12月半ばから2月末まで山形出張のため、米津代行。
2002年12月19日 拠点にて忘年会。
2003年1月 第5回京都CDLシンポジウム2003春季リーグへの準備始動。NPO法人に向けて
2003年1月19日 今年の春季リーグは2003年4月26日(土)・27日(日)に決定。
企画に関するラフなフレームが立案される。(基調講演・監督座談会・ワークショップ・京都CDL活動発表・パネル展示)シンポジウム名が「まるしぼり京都」に決定。
2002年1月22日 春季リーグ「まるしぼり京都」のポスターコンペ告知。
2002年1月25日 春季リーグを通してのテーマワードについて「地域」という単語が認識され始める。ワークショップ、基調講演に関して様々なアイデアが出される。
2003年1月31日 米津、永谷NPO法人化の相談に京都府に出向く。京都げのむ販売に関して川畑報告を受け、代理運営委員長・米津より販売体勢の確認が宣告される。「書店任せではなく、選手一人一人が売っていきましょう。」
2003年2月 京都げのむ3号編集追い込み
2003年2月2日 ポスター制作者が決定。(京大歴史研M1藤田慶)
2003年2月5日 春季リーグゲストとして、基調講演に佐伯啓思氏(京都大学人間・環境学部教授)、監督座談会に中谷礼仁氏(大阪市立大学建築学科専任講師)に依頼。
2003年2月7日 春季リーグ座談会メンバーとして、リム先生、竹山先生、総合司会として広原コミッショナーに依頼。
2003年2月12日 運営委員会引継ぎ。年間活動報告。春季リーグへ向けて各チーム幹事引継ぎ。
2003年2月15日 今回の春季シンポジウムの「地域」というテーマワードに対する京都CDLなりの定義付けが完成。ワークショップのタイトル、サブタイトルが決定。 まるしぼりワークショップ 『新風景創出大作戦』―「地域」の隠れた力を引き出し、風景化する―座談会のタイトルが決まる。「地域」は都市をつくれるか
2003年2月21日 各方面へ春シンポジウムの広報活動。広報の隊長は藤田慶(京都大学)に決定。
ワークショップに関して「色」を取り扱うことに決定。
2003年2月28日 米津NPO法人化へむけて規約案完成。
2003年3月 京都げのむ3号編集追い込み
2003年3月1日 渡辺豊和先生の京都市文化功労賞受賞祝賀会。大盛況。
「みんなで考えよう! できたらイイナ : こんな右京区総合庁舎・体育館」ワークショップ開催。右京消防署3階講堂
2003年3月2日 ワークショップに関する出てきたいくつかのアイデアに関して、実際にワークショップ班で予行演習。
2003年3月7日 隊長の藤田を中心に京都三条ラジオカフェ(NPOの放送局)への告知依頼を検討するなど、今までにない大規模な広報を企画する。
3月13日 春季リーグ新規パネル展示チームの最終確認(京女、立命平尾研チーム)。広報隊が美術館や図書館などにポスター掲示の依頼をする。
ポスター・DMの発送開始。京都CDL活動報告に関する作業が始まる。
3月21日 各チームの年間活動報告書が出そろう。
3月29日 「みんなで考えよう! できたらイイナ : こんな右京区総合庁舎・体育館」:第2回ワークショップ「あなたもまちの建築家(その1)・・・まずは今の区役所・体育施設について考えてみよう!」:右京消防署(太秦広隆寺横)3回会議室で
3月30日 京都CDLの定義する「地域」4箇条が紆余曲折のすえ完成。
2003年4月28日
建築雑誌7月号特集「建築形態の数理」の鼎談「構造美とデザイン」(仮)、原広司、斎藤公男、渡辺
誠に大崎幹事と出席。特集の主旨は以下の通り。
建築は芸術作品であるとともに,科学技術によって実現される人工物であるから,自然界の原理を無視したか形は許容されない。また,仮に許容されたとしても美しいとはいえない。したがって,ドームや橋梁などの大スパン構造物では,力学原理に従った最適な形態が探求されてきた。一方,最近のコンピュータの進歩にともない,数理的な手法によって形態を生成する方法や,自然界の原理を直接的に取り入れて新しいデザインを見出す試みも行なわれている。
本特集では,自然界の原理に学び,数理的手法を駆使して,建築の形を決定するための手法を紹介することにより芸術と力学の接点をさぐる。また,他分野の例を通じて,建築デザインの新しい方向を模索する。
大崎幹事が用意したテーマ設定は以下。
1. 建築の形態はいかにして決定されるか。数理的に決めることは可能か,あるいは現実的か。
2. 大スパン構造の形態はどのような手続きで決定されるべきか。力学とデザインのトレードオフは,いかにして解決されるべきか。
3. いわゆる進化的手法はどこまで利用可能か。
4. 感性の定量化は可能か。
5. 建築のコンセプトとしての数理的手法の役割。
6. 構造・施工技術の進歩により,無理のある形態が実現可能となるのは望ましいことか。
斉藤先生とは初対面。本当に構造デザインが楽しそうでうらやましい。原さんは相変わらずの建築少年ぶり。渡辺さんとは広島での学会賞記念シンポジウム以来。斉藤先生がまずは渡辺さんにジャブ。学会賞を受賞した渡辺さんの飯田橋のインスタレーションが「構造」になっていないのが大いに不満のよう。原さんは構造デザインをやってるんじゃないんだよなあ、計画論の時に読んでくれればいいのにと不満そう。聞いている方はそれぞれのスタンスの違いが面白かった。面白い鼎談になったと思う。
大崎委員と新幹線で帰京。
2003年4月30日
日本大学の宇杉和夫先生から大著『日本の空間認識と景観構成 ランドスケープとスペースオロジー』(古今書院、2003年2月28日)が送られて来たのは4月初旬であったが、ついに読めず。古くから学会などでお会いしたけれど、初めて、その中心テーマを知る。空間認識あるいは景観をめぐって、考える機会があれば是非精読させて頂きたいと思う。
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