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2022年3月15日火曜日

周縁から  産経新聞「文化欄」連載 19890605~19910128 全66回

 周縁から  産経新聞「文化欄」連載 1989060519910128 全67

 

1989

  01 職人が足りない! 周縁から01、産経新聞文化欄産経新聞19890605  

  02 博覧会建築の衰退 周辺から02産経新聞文化欄産経新聞19890619

  03 お墓のマンション周縁から03産経新聞文化欄産経新聞19890626

  04 商業建築のタブ-周縁から04産経新聞文化欄産経新聞19890703

  05 建設廃棄物の行方周縁から05産経新聞文化欄産経新聞19890710

  06 何もない原っぱ周縁から06産経新聞文化欄産経新聞19890717

  07 耐震から免震ビルへ周縁から07産経新聞文化欄産経新聞19890731

  08 課題多い地下の開発周縁から08産経新聞文化欄産経新聞19890814

  09 木造文化の危機周縁から09産経新聞文化欄産経新聞19890821

  10 開閉式ド-ムの発想周縁から10産経新聞文化欄産経新聞19890828

  11 リゾ-トマンションの問題周縁から11産経新聞文化欄産経新聞, 19890904

  12 ずさんな建築計画周縁から12産経新聞文化欄産経新聞19890911

  13 カラオケ・ボックス周縁から13産経新聞文化欄産経新聞19891002

  14 高層マンション火災周縁から14産経新聞文化欄産経新聞19891009

  15 売建住宅に御用心,周縁から15,産経新聞文化欄,産経新聞,19891016

  16 専門誌の竣工写真周縁から16産経新聞文化欄産経新聞19891023

  17 個室の功罪について周縁から17産経新聞文化欄産経新聞19891106

  18 建築家のブランド化周縁から18産経新聞文化欄産経新聞19891120

  19 ア-トポリス92周縁から19産経新聞文化欄産経新聞19891127

  20 アスベスト周縁から20産経新聞文化欄産経新聞19891204

  21 山車を生み出す町の力周縁から21産経新聞文化欄産経新聞19891211

  22 ああ山谷労働者会館周縁から22産経新聞文化欄産経新聞19891222

1990

  23 旋風起こす英皇太子,周縁から23産経新聞文化欄産経新聞19900108

  24 オフィスの変貌,周縁から24産経新聞文化欄産経新聞19900122

  25 植民地建築の現在周縁から25産経新聞文化欄産経新聞19900129

  26  公共施設のあり方周縁から26産経新聞文化欄産経新聞19900205

    27 ラブホテルは世に連れ周縁から27産経新聞文化欄産経新聞19900212

  28  違反建築いたちごっこ、周縁から28産経新聞文化欄産経新聞19900226

  29  鉄筋コンクリート周縁から29産経新聞文化欄産経新聞19900305       

  30  コインシャワー周縁から30産経新聞文化欄産経新聞19900312       

  31  便宜的なコンペ周縁から31産経新聞文化欄産経新聞19900319       

  32  伝統建築コース周縁から32産経新聞文化欄産経新聞19900326       

  33  日本にも都市型住宅周縁から33産経新聞文化欄産経新聞19900402       

  34  「ふるさと創生」のこと周縁から34産経新聞文化欄産経新聞19900409       

  35 画期的な「作品選集」発刊周縁から35産経新聞文化欄産経新聞19900416       

  36 ワンルームマンション周縁から36産経新聞文化欄産経新聞19900423       

  37 建設業界の構造的体質周縁から37産経新聞文化欄産経新聞19900430       

  38 GLショー、夢と現実周縁から38産経新聞文化欄産経新聞19900507       

  39 ローコストの美学周縁から39産経新聞文化欄産経新聞19900521       

  40 「象設計集団」北へ周縁から40産経新聞文化欄産経新聞19900528       

  41 凝固剤の問題周縁から41産経新聞文化欄産経新聞19900604       

  42 外国人建築家周縁から42産経新聞文化欄産経新聞19900618       

  43 ウサギ小屋(住文化の差異)周縁から43産経新聞文化欄産経新聞19900625       

  44 ゴルフ場の問題周縁から44産経新聞文化欄産経新聞19900702       

  45 新都庁舎の狂騒周縁から45産経新聞文化欄産経新聞19900709       

  46 車を持つ深刻さ周縁から46産経新聞文化欄産経新聞19900716       

  47 建築家の仕事周縁から47産経新聞文化欄産経新聞19900723       

  48 創造と環境のジレンマ周縁から48産経新聞文化欄産経新聞19900730       

  49 アーキテクト・ビルダー周縁から49産経新聞文化欄産経新聞19900813       

  50 社宅ブームの憂うつ周縁から50産経新聞文化欄産経新聞19900820       

  51 子どものいない町周縁から51産経新聞文化欄産経新聞19900827       

  52 のどもと過ぎれば周縁から52産経新聞文化欄産経新聞19900903

  53 木のパッチワーク周縁から53産経新聞文化欄産経新聞19900910

  54 熱い都市の不思議周縁から54産経新聞文化欄産経新聞19900917

  55 安易な設計思想と変更周縁から55産経新聞文化欄産経新聞19900924

  56 小さな金物にも大きな力,周縁から56産経新聞文化欄産経新聞19901015

  57  パトロンの意味,周縁から57産経新聞文化欄産経新聞19901022

  58 サイト・スペシャリスト,周縁から58産経新聞文化欄産経新聞19901105

   59 都市デザイン賞の問題点,周縁から59産経新聞文化欄産経新聞19901126

  60  犯罪防止と建築,周縁から60産経新聞文化欄産経新聞19901203

  61 地域職人学校,周縁から61産経新聞文化欄産経新聞19901210

  62 ミニ地球周縁から62産経新聞文化欄産経新聞19901224

  63 風の通る家周縁から63産経新聞文化欄産経新聞19901231

1991

  64 違反建築周縁から64産経新聞文化欄産経新聞19910107

  65 東京フロンティア周縁から65産経新聞文化欄産経新聞19910121

  66 女性と建築周縁から66産経新聞文化欄産経新聞19910128

工学院大学「国語」試験問題、『景観の作法』、2016

 工学院大学「国語」試験問題、『景観の作法』、2016 

 





試験問題:引用 布野修司:戦後建築論ノート,相模書房,1981年6月

  試験問題:引用 布野修司:戦後建築論ノート,相模書房,1981年6月








山本夏彦 社史 補遺・「室内室外」、室内、199210

  山本夏彦 社史 補遺・「室内室外」、室内、199210






『図書新聞』読書アンケート 2009上半期 下半期

『図書新聞』読書アンケート 2009上半期 下半期 


2009年上半期

布野修司

 

 ①内田祥士、東照宮の近代 都市としての陽明門、ペリカン社 ②渡辺豊和、バロックの王 織田信長、悠書館③野沢正光、パッシブハウスはゼロエネルギー住宅、農文協。①は、近代における「東照宮」評価をめぐる大作、労作である。B.タウトが「桂離宮」を褒め称え、「東照宮」をこき下ろした一九三〇年代以前から、「東照宮」評価には賛否、好悪を相乱れる葛藤があった。多くの言説を引いてその葛藤を跡づけながら、それは何故かを執拗に問う。日本建築の評価をめぐる「固定観念」を問うという意味では、井上章一の『伊勢神宮』と合わせて読まれるべきだろう。本書が文句なく面白いのは、「東照宮」評価を建築技術のあり方、都市=東京のあり方と重ね合わせて読み解いている点である。②は、どっぷり歴史にはまり込んだかに見える建築家の最新刊。例によって建築家的想像力が信長を素材に踊っている。③は、低炭素社会へむけて、これまで取り組んできた経験をもとにカーボン・ニュートラルな住まいのあり方を示す好著。

布野修司(建築批評・アジア都市研究・環境問題)


2009年下半期

布野修司


    伊東豊雄・藤本壮介・平田晃久・佐藤淳『02 20XXの建築原理へ』(INAX出版)

    角橋哲也『オランダの持続可能な国土・都市づくり』(学芸出版社)『オランダの社会住宅』(ドメス出版)

    久保田裕之『他人と暮らす若者たち』(集英社新書)

    早川和雄『早川式「居住学」の方法』(三五館)

①は、建築家伊藤豊雄が、「青山病院跡地」を具体的な敷地として設定し若手建築家とともにつくりあげた東京都心の再開発プロジェクトの記録。建築が社会的な地位を低下させていく状況の中での真摯な思考と議論を見ることが出来る。②は、日本の都市計画、社会計画の分野で長年オランダ研究を続けてきた著者の提言。ワークシェアリングなど様々な先進的取り組みで知られるが、都市計画分野でも多くの学ぶべきものがある。③は、日本でも本格的に実体化しつつあるシェアハウス(ルームシェア)の問題を提起する。日本社会が大きく変動しつつある断面を的確に捉えた論考が目立つ。他に、小伊藤亜季子・室崎生子『子どもが育つ生活空間をつくる』(かもがわ出版)もある。



2022年3月14日月曜日

『図書新聞』読書アンケート 2008上半期 下半期

  『図書新聞』読書アンケート 2008上半期 下半期


2008年上半期

布野修司

 

①菅孝行、『戦う演劇人 戦後演劇の思想』、而立書房、200712

②日本寄せ場学会、「特集 貧困と排除」『寄せ場』21、れんが書房新社、20086

③西澤泰彦、『日本植民地建築論』、名古屋大学出版会、20087

個人的な収穫としては、布野修司・山根周共著『ムガル都市 イスラーム都市の空間変容』(京都大学学術出版会、20085月)のイスラーム都市論への再提起。『近代世界都市と植民都市』以降、アジア都市論の系譜を追う『曼陀羅都市』(2006)Stupa & Swastika』(2007年)に続く第三弾。①によって、久々の菅孝行「節」に触れる。千田是也、浅利慶太、鈴木忠という「三人の演出家を通して読む日本現代演劇の歴史と見取り図」であり「同時代精神史の試み」である。「世界を変える夢」を追う管さんの著作はほぼ全冊読んできた。演劇少年だった頃の記憶が蘇る。②は、20年周年を迎えた日本寄せ場学会の最新刊。立ち上げに多少関わったが、そのしぶとさに脱帽。「貧困と排除」は時代の核心である。③は本誌で書評済み好著。

2008 下半期







2022年3月13日日曜日

『図書新聞』読書アンケート 2007年上半期 下半期

『図書新聞』読書アンケート 2007年上半期 下半期


図書新聞 2007上期

布野修司

 

①応地利明、『「世界地図」の誕生』、日本経済新聞出版社

②藤井譲治・杉山正明・金田章裕編、『大地の肖像』、京都大学出版会

M.Pant & S. Funo, “Stupa & Swastika”, Kyoto University Press

われわれは「世界」をどう認識してきたのか、絵図・地図が語る世界を問うのが①②。地理学を出自とする応地利明は②にも執筆している。②の共同研究が母胎になって、①が生まれたと考えられる。「ヘレフォード図」「イドリースィー図」「プトレマイオス図」など中世の世界図を総覧した上で、「画期的」な世界地図としての「カンティーノ図」(一五〇二年)に焦点が当てられている。ヴァスコ・ダ・ガマが二度目にインドのカリカットを訪れた年に描かれた一枚の地図が「世界の発見」をめぐって様々な角度から鮮やかに読み解かれている。②は、応地の論考を除くと、ほぼ東アジアからの視点を採る。中心は、なんといっても「混一疆理歴代国都之図」である。この地図が喚起する「世界史」の誕生をめぐっては杉山正明の一連の精力的な作業がある。③は、カトマンズ盆地の都市計画原理を解明。インダス都市との関係を示唆する大胆な仮説を提示。



図書新聞 2007下期

布野修司

 

藤森照信、『藤森照信建築』、TOTO出版、2007920

太田邦夫、『世界の住まいにみる 工匠たちの技と知恵』、学芸出版社、20071030

川合健二、『川合健二マニュアル』、アセテート、20071226

①は、いまやすっかり時代をリードする建築家のひとりとなるに至ったかに見える藤森照信の、現在までの集大成である。根っからの「建築少年」が、建築史家を標榜しながら「建築探偵」となり、ついには初心を貫いて建築家となる、その経緯が吐露されている。そして、自然素材に拘る藤森建築ワールドにわくわくさせられる写真集である。

藤森は、「人類の建築をめざして」というけれど、②は、人類がつくり出してきた工匠の知恵を説く。人類の建築の歴史は捨てたものではない。小さな本だけれど、ヴァナキュラー建築の世界の知恵のすごさを教えてくれる。藤森建築ワールドがいささかドン・キホーテに見えたりするのは、「過去と現在の誰の建物にも、青銅器時代以後に成立するどんな様式にも似てはならない」という藤森の設計方針によるのかも知れないが、現代建築家の大きなテーマが①②の間にある。

③は、評者のインタビュー記事も再録されるが、川合健二という稀代のエンジニアの生涯記録である。コルゲート板という地下埋設用の鉄板で囲われた自宅をつくったことで知られる。そのラショナルな思考に感銘を受ける。①~③に共通する世界に建築の未来はある、と本気で思う。



 

 

2022年3月12日土曜日

『図書新聞』読書アンケート 2006上半期 下半期

  『図書新聞』読書アンケート 2006上半期 下半期

布野修司

①杉山正明、『モンゴルが世界史を覆す』(日経ビジネス文庫、20063月)

 小杉泰、『現代イスラーム世界論』(名古屋大学出版会、20062月)

田中麻里、『タイの住まい』(圓津喜屋、20062月)

 

建築の世界では、『にほんの建築家 伊東豊雄・観察記』(瀧口範子、TOTO出版)『建築の可能性、山本理顕的想像力』(山本理顕、王国社)が最先端の収穫であるが、当方、このところアジアに関心を移しており、『曼荼羅都市―ヒンドゥー都市の空間理念とその変容―』(京都大学学術出版会)を上梓して以降、インド・イスラーム都市論にかかりきりである。

①は、『逆説のユーラシア』の文庫本化による加筆改訂版である。チンギス・カン生誕800年ということもあってモンゴル・ブームである。このところ中央アジアに視点をおいていることもあって、杉山の大ユーラシア史観(遊牧民から見た世界史)に魅せられっぱなしである。その筆致は佳境の域に達しつつある。

②は、現代イスラームについては最も信頼する小杉のこれまでの論考を集大成する大論文集である。分厚いが一気に読める。その視点、関心が極めてヴィヴィッドだからである。

③は、アジアについての著作が少ない中での、タイの住まいの問題を多面的に追求した労作。 


 図書新聞 2006下期

布野修司

 ①山下和也・井手三千男・叶真幹、『ヒロシマをさがそう 原爆を見た建物』(西田書店、2006年9月)

 ②大月敏雄、『集合住宅の時間』(王国社、200610月)

 ③鈴木成文、『五一C白書 私の建築計画学戦後史』、住まいの図書館出版局、200612

『帝国日本の学知』シリーズ(岩波書店)第八巻「空間形成と世界認識」(山室新一)、「興亡の世界史」シリーズ『イスラーム帝国のジハード』(小杉泰)に期待したい。

建築の世界では、この間の日本の都市の変貌をじっくり考えさせる書物が二点、届けられた。

①は、「猫車配送所」こと松山巌の編集装丁による小品だが問題提起の佳品。原爆を見届けたのは、「原爆ドーム」だけじゃない、本書には「被爆建物」一五七件が写真とともに記述されている。一瞬にして壊滅させられた都市にも、その都市の記憶を伝える建築物は残っている。それらの建造物の語りかけるものを本書は問いかける。著者の一人写真家の井手三千男は本書の上梓を見届けることなく亡くなった。

②は、日本の集合住宅の歴史を、具体的な事例をもとに描き出す。日本には集合住宅の伝統は薄い。一般的には、関東大震災後に同潤会によって建てられたアパートメントハウスが始まりと考えられるが、一方で長屋や「文化住宅」の流れがある。本書は、日本における「集まって住むかたち」とその記憶を一七例について浮かび上がらせている。

街の記憶、生活の記憶について考えさせる二冊に続けて③が届いた。二DKという日本人の戦後住宅の原型の成立に関わった著者の真摯な思考について是非知って欲しい。