[修司]結婚式記録
昭和50年 8月24日付手紙
前略
台風一過。昨日は一日中風が吹き荒れていたのですが、今日は、すっか
りいい天気になりました。これからは、日増しに秋らしくなって行くこと
と思われます。裕子も昨日、一時間の遅れだけで無事帰京した由、今朝ほ
ど電話がありました。「草加せんべい」の件は、店では「確かに発送し
た」と繰り返すだけで一向に埒があかず、裕子が清算を兼ねて、直接交渉
することになりました。
先日は、大変御世話になりました。唐沢さんも、とても喜んでおり、松
江は気にいった様子でした。写真の一部を同封します。
美智子さんとの結婚の件、あまり喜んでいただけないようで、少し悲し
い気もしないでもないですが、意を決して、先日、大雑把に電話で話した
ように、唐沢さんのお父さんに直接合い、正式な意思表示を致しました。
以下誤解のないように手紙で連絡し、適切なアドバイスをいただければと
思います。僕の方から唐沢のお父さんに「美智子さんのことで御相談した
いことがある」旨の電話を事務所にかけ、約束した上で、22日、昼食を
御馳走になりながら、約一時間半美智子さんとの結婚について話をしまし
た。その内容をかいつまんでまとめると次のようになります。
1.僕からの正式の意思表示に対しては基本的に意義はない。
2.形式(結婚及びそれに至るプロセス)に関しては、僕の両親と相談の
上で全て決定したい。基本的には一切の形式にこだわらない。
但し、最初は、男の側から女の側へ「御宅の娘さんを下さい」という
形で話をもってきて欲しい。僕が学生であることで、話をもってきに
くいということはよく理解するが、それは一切問題にしないから、そ
の旨僕から両親によくよく伝えて欲しい。 9月か10月にでも ーある
いは出張の折にでもー 両親で上京の上、挨拶をしてもらえば、それ
以降の話は、相談でどのようにでもなると思う。
3.基本的に金のかからない線で事を運ぶことに意義なくむしろ賛成。
どうせアパートに住まざるを得ないのであるから、最初から物をたく
さん買う必要もないであろうし、娘が買ってくれと言えば買うが、大
袈裟な準備をするつもりはない(自宅の敷地に余裕があり、そこに家
を建てるという話も美智子さんへはあったらしいが、美智子さんは拒
否)
4.結納は省略してもいいだろう。(上の二人美智子さんの姉、兄の場合
は結納金の受け渡しも行ったが)ただし、エンゲ-ジ・リングと何か
記念になるもの(時計など)を交換するぐらいのことはしてもいいの
ではないか。
具体的には、 9月か10月に相談がすめば、こちらで松江に出向いてエ
ンゲージ・リングの交換を行えばよいと思う。松江へは行ったことが
ないし、玉造温泉にでもとまって見物を兼ねれば良い。(美智子さん
のお母さんは松江に行ったことがある。)
5.仲人をどうするかは、大学の先生がいいのではないか、教授、助教
授、助手のうちだれかに頼めないか。 ーこれは僕が考えねばならな
い問題であり、態度を保留。助手の人であれば、気楽に頼める気はし
ています。ー
6.式は、身内を中心に小じんまりした物でよい。
東京で挙げて、松江で披露宴をやるのはどうか。自分の兄弟も少なく
(二人)母親の兄妹も少ない(三人)、本人も兄弟は三人である。松
江へは両親だけ行く格好を取ればいいのでないか。
7.時期については、相談に依るが、来年 4~5月がいいのではないか
ーあまり具体的に話さずー
以上、全体的には好意的で、僕の将来に関してもある程度理解していた
だけたような気がしています。舌たらずかもしれませんが、御意見をお聞
かせ下さい。
美智子さんは、18日より三共製薬に勤務。基本給 81,000(税込み) オ
フィスは銀座にあり、週休二日だそうです。
僕は明日(25日)から、再び、軽井沢へ行きます。翻訳のための合宿
で、28日には帰って来る予定です。
一回限りの人生をせいいっぱい生きて行こうと思っています。これま
で、ワガママいっぱいに生きてきて、今またワガママを通そうとする自分
をとても心苦しく思います。しかしこれからも、やるべきことは山のよう
にあるような気がしていますし、これを一つのステップとし、更に大きく
成長したいと思っています。息子のやることなすこと危なっかしいと思わ
れるかもしれませんが、これからの息子を期待して欲しいと思っていま
す。
くれぐれも御健康には御気をつけ下さい。
乱筆、乱文久し振りでありますが御許し下さい。
750824 修司
(原文のまま)
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