布野修司 Shuji Funo
@funoshuji
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何をまどろっこしいことを呟き続けているかというなかれ。直接的には、山本理顕の言うコミュニティ権のコミュニティとはなにかを見極めるためであるが、それは我々が依って立つ基盤を見極めるためでもある。『希望のコミューン 新・都市の論理』(近刊)に書くスペースがなかったのだ!
ユヴァル・ノア・ハラリは、どちらかと言えば、「古代コミューン・原始共同体」派のように思われる。集団で子育てする集団的父権制、チンパンジー、ボノボの群れの編成にも触れている。強調するのは、採集狩猟民の世界が家族システムのみならず、食物など生活様式も含めて実に多様であったことである。
東南アジアを歩き始めた頃、京都大学の東南アジア研究センターの夏期講習に通って東南アジア学の手ほどきを受けた。家族圏という概念を教わったのは立本成文先生からである。『家族圏と地域研究』には、既に、E.トッドのように社会構造を家族の集団性に還元しないネット原理の方向性が展望されている。
名人戦。終局直前。藤井聡太穴熊は固かった。豊島振り飛車で対抗、しかし劣勢。奇蹟は起こらなそう。先日、第34回世界コンピュータ将棋で優勝候補「水匠」が敗れた。「水匠」を破ったのは17歳の高校生「koron」。藤井と闘わせたい。藤井の表情自信満々。逆転はないと解説者。84:16:藤井は席を立った。
「家族圏」から「地域圏」そして「世界単位」論へ。立本成文『共生のシステムを求めて ヌサンタラ世界への提言』(2001)は、ネットワーキング社会システムを展望する。その中に「海域世界モデル」の提案がある。これは『希望の都市コミューン』の分散自立組織DAOのネットワーク論と共鳴すると思う。
立本成文「ネットワーク家族・家族圏論」の要点は、二者関係の連鎖が社会関係の組織原理となるということである。人間は一人では生きられない、二者関係があってはじめて人間となりうる。それ故、二者関係を出発として、そのネットワークシステムによる地域を、そして世界を構想するというのである。
少子高齢化、単身世帯が4割の日本において、立本共生システム論は、コミュニティ権確立の一歩を「二人関係」のネットワーク化から始める理論的根拠になる。フランスのコミューン(基礎自治体)は200万人のパリも数百人の村もコミューン。2人だけのコミューンがあるとどっかに書いてあったような?
立本「家族圏→地域圏→世界単位」論の原点に置かれているのは「エコ・アイデンティティ」である。粗雑に言えば、地域社会圏を形成する基礎になるのは生態圏であり、原理は生態論理であるということである。高谷先生のいう「世界単位」の現代における経済基盤は?と繰り返し尋ねたことを思い出す。
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