「室内」ミニレター:序説の人生
暗鬱たる世紀末!?にも関わらず・相も変わらずバタバタとしております。・・
前略 新しい世紀を迎えるというのに、あんまり浮き浮きした気分になれません。学生の就職は決まらず、大学でも改革という名の人減らしの話ばかりです。「大学を出たけれど」の昭和恐慌の時代は知りませんが、この「出口無し」の感じは、オイルショックの時代と比べてもかなりのものです。豊かな時代に育った若い世代には、この不況は余計応えるのではないのでしょうか。暗鬱たる世紀末です。
とはいうものの、そんなに深刻に滅入っている暇はありません。五〇歳にもなると、先も見えます。とにかくやれることをやるだけ、という心境です。近々『裸の建築家・・・タウンアーキテクト論序説』という本を上梓します。ただ序説を書いただけでは話にならないでしょう。また、「植民都市研究」ということで、もうしばらくはアジアを飛び回ります。あとはそれをまとめる作業が残ります。「アジア都市建築史序説」に取りかかって二十年になるのですが、まだ序説のあたりをうろうろしております。 早々
布野修司
0 件のコメント:
コメントを投稿