東南アジア(湿潤熱帯)における環境共生住宅に関する研究
Study on Eco-cycle House in South East Asia(Humid Tropical Regiouns)
湿潤熱帯に相応しい環境共生住宅のモデル開発を目指した本研究は、これまでの蓄積をもとにまず基本設計を行った(1997年3月)。基本的な手法として盛り込んだのは、①二重屋根とし排熱効果を促進(ダブルルーフ)、②屋根に通風と採光を考慮したガラスルーバーを設置、③軒の出を大きく取り、直射日光による外壁の受熱量を軽減、④輻射冷房として居室の壁面に水循環パイプを設置(床冷水房)、⑤共用空間の水平、垂直方向の通風を確保(クロスベンチレーション)、⑥半地下部分で蓄冷効果を促進、⑦2階外壁を木造とし、排熱効果を促進、⑧1階はRCラーメン構造にレンガブロック壁で遮熱・蓄冷効果、⑨太陽電池利用、⑩地域産材利用(断熱材としてのココナッツ椰子の繊維利用)である。
幸運にも(財)国際建設協会(IDI)の事業として取りあげられ、具体的な実験住宅の建設をインドネシアのスラバヤ(スラバヤ工科大学キャンパス)において行うことになった。現地調査を行い(1997年9月)現実的な条件に合わせて設計変更を行い、実施設計(1997年10月~12月)を経て、1998年1月着工、6月に竣工をみた。現在その温熱等の環境についてのモニタリングを開始し、予備的な解析に着手したところであるが、短期間に予想以上の成果を上げることができたと考えている。解析結果をもとに、様々な実験をさらに重ね、社会化できるモデルとして鍛えていきたいと考えている。
東南アジア(湿潤熱帯)における環境共生住宅に関する研究
Study on Eco-cycle House in South East Asia(Humid Tropical Regiouns)
This research project which
aim at developing the model of Eco-cycle House in the Humid Tropical Regions
firstly launch the basic plan based on our previous studies. The basic
techniques and methods are ①dabble roof ②high side glass leuber ③long eaves ④floor cooling system which cycle the well water ⑤cross-ventilation ⑥using the local
materials(palm fibres for heat insurance)
Our proposal was luckily accepted as a project by
IDI(International Foundation Development of Infrastructure), and the model house was built at Surabaya( ITS campus ,Indonesia) in June
1998. We have already started to monitor the environmental conditions of Eco-cycle
House. We are thinking to try the experiment based on the analysis and to push
out our model to be socialised in the near future.
東南アジア(湿潤熱帯)における環境共生住宅に関する研究
Study on Eco-cycle House in South East Asia(Humid Tropical Regiouns)
This research project which
aim at developing the model of Eco-cycle House in the Humid Tropical Regions
firstly launch the basic plan based on our previous studies. The basic
techniques and methods are ①dabble roof ②high side glass leuber ③long eaves ④floor cooling system which cycle the well water ⑤cross-ventilation ⑥using the local materials(palm
fibres for heat insurance)
Our proposal was luckily accepted as a project by
IDI(International Foundation Development of Infrastructure), and the model house was built at Surabaya( ITS campus ,Indonesia) in June
1998. We have already started to monitor the environmental conditions of
Eco-cycle House. We are thinking to try the experiment based on the analysis
and to push out our model to be socialised in the near future.
(2) 平成9年度
① 事前調査および設計
インドネシアの既存建築技術の中からパッシブソーラーの範疇に属する技術を抽出すると共に、我が国のパッシブソーラーシステムがインドネシアにおいてどのように適用可能かを検討し、実験施設の設計をする。
② 実験施設の建設
パッシブソーラーシステムを導入した実験施設を建設する。
(3)平成10年度
① モニタリングおよび評価
実験施設のモニタリングを行い、インドネシアにおけるパッシブソーラシステムの有効性を評価し、発展途上国における有効性を分析する。
② パンフレットの作成、配布
途上国におけるパッシブソーラーシステムの普及促進のため、結果と有効性を紹介するパンフレットを作成し、セミナーの開催などを通じてパンフレットを配布する。
3-3 今年度の活動概要
① 現地調査(平成9年9月17~23日)
試験施工予定地の確認および実験施設の設計内容協議を行った。
② 第1回パッシブソーラーシステム専門部会(平成9年10月3日)
布野委員のITSとの打合せ内容の報告に基づき、実験施設の設計に関する検討を行った。
③ 専門部会での検討を基に設計変更作業を実施(平成9年10月6日~)
半地下+2階を3階建てに変更、床冷房システム、ダブルルーフ等の詳細設計を行った。
④ ITSと合意文書(MEMORANDUM)締結(平成9年11月10日)
平成9年3月時点では試験施工の規模等が明確でないため保留していたMEMORANDUMを正式に取り交わした。
⑤ PT.PP-TAISEI INDONESIA CONSTRUCTIONと工事請負契約締結
(平成9年11月12日)
⑥ 京都大学にてSilas教授と打合せ(平成9年12月19日)
別件にて来日された教授と実験施設の詳細設計打合せ並びに、モニタリング機器の説明及び受け渡しを行った。
⑦ Ground Breaking Ceremonyの開催(平成10年1月13日)
日本側代表として斉藤憲晃氏が出席した。
⑧ 現地調査(平成10年3月15~22日)
試験施工完了確認を行うと共に、モニタリングの実施体制の検討をITSと行った。
1-2 今年度の事業
今年度の事業は建設技術の選定、パッシブソーラーシステム技術の試験施工、選定された建設技術の平成10年度試験施工へ向けた実施体制検討の3項目である。本報告書では、建設技術の選定とパッシブソーラーシステム技術に関する2項目を取りまとめるものとする。各項目の業務内容は以下の通り。
(1) 建設技術の選定
途上国に適すると思われる建設技術を分野、実施国、協力体制等を評価し選定するために、途上国建設技術開発促進事業委員会の設置・運営を行う。
(2) パッシブソーラーシステム技術
平成8年度から平成10年度の3ヶ年で実施する予定で、2年度目にあたる本年度はインドネシアをモデル国として、以下の項目を実施する。
インドネシアの気候風土を考慮した試験施工用パッシブソーラーシステム設計を行う。
インドネシアの11月10日工科大学(ITS)構内にて試験施工を行う。
モニタリング方法の検討
試験施工に係る技術的指導のために、専門部会の設置運営を行う。
第3章 パッシブソーラーシステム技術
3-1 プロジェクトの目的
このプロジェクトは、経済成長の著しい途上国のエネルギー消費量の増大に対して、途上国の風土にあったパッシブソーラーシステムを導入することで、途上国国民の生活環境改善、しいては地球規模の環境対策の観点からの省エネルギー推進に貢献することを目的とし、インドネシアをモデル国としてパッシブソーラーシステムを導入した建物の試験施工を行い、その有効性について検証するものである。
3-2 プロジェクトの内容
(1) 平成8年度
① 資料収集、整理
・国内のソーラーシステムに関する資料を収集、整理する。
② 試験施工技術内容の選定
・ソーラーシステムの適用可能な対象建築物を検討する。
・国内のソーラーシステムの中から対象建築物に導入可能な技術を想定し、試験施工建物の概念設計を行う。
③ 事業実施体制の検討
・相手国政府の関係機関に対し事業内容を説明し協力を依頼する。
・相手国の学識経験者に試験施工設計に対し協力を依頼する。
・事業実施体制案を作成する。
(2) 平成9年度
① 事前調査および設計
インドネシアの既存建築技術の中からパッシブソーラーの範疇に属する技術を抽出すると共に、我が国のパッシブソーラーシステムがインドネシアにおいてどのように適用可能かを検討し、実験施設の設計をする。
② 実験施設の建設
パッシブソーラーシステムを導入した実験施設を建設する。
(3)平成10年度
① モニタリングおよび評価
実験施設のモニタリングを行い、インドネシアにおけるパッシブソーラシステムの有効性を評価し、発展途上国における有効性を分析する。
② パンフレットの作成、配布
途上国におけるパッシブソーラーシステムの普及促進のため、結果と有効性を紹介するパンフレットを作成し、セミナーの開催などを通じてパンフレットを配布する。
3-3 今年度の活動概要
① 現地調査(平成9年9月17~23日)
試験施工予定地の確認および実験施設の設計内容協議を行った。
② 第1回パッシブソーラーシステム専門部会(平成9年10月3日)
布野委員のITSとの打合せ内容の報告に基づき、実験施設の設計に関する検討を行った。
③ 専門部会での検討を基に設計変更作業を実施(平成9年10月6日~)
半地下+2階を3階建てに変更、床冷房システム、ダブルルーフ等の詳細設計を行った。
④ ITSと合意文書(MEMORANDUM)締結(平成9年11月10日)
平成9年3月時点では試験施工の規模等が明確でないため保留していたMEMORANDUMを正式に取り交わした。
⑤ PT.PP-TAISEI INDONESIA CONSTRUCTIONと工事請負契約締結
(平成9年11月12日)
⑥ 京都大学にてSilas教授と打合せ(平成9年12月19日)
別件にて来日された教授と実験施設の詳細設計打合せ並びに、モニタリング機器の説明及び受け渡しを行った。
⑦ Ground Breaking Ceremonyの開催(平成10年1月13日)
日本側代表として斉藤憲晃氏が出席した。
⑧ 現地調査(平成10年3月15~22日)
試験施工完了確認を行うと共に、モニタリングの実施体制の検討をITSと行った。
3-4 試験施工の設計
(1) 当初案
ここでいう当初案とは、昨年度の検討から規模縮小を行い、半地下+2階建ての延べ床面積約230㎡の設計に改良した案である。(主要図面:図-1~5)
この案のパッシブソーラーシステムの概要は以下の通り。
① 屋根をダブルルーフとし排熱効果を促進。
② 屋根に通風と採光を考慮したガラスルーバーを設置。
③ 軒の出を大きく取り、直射日光による外壁の受熱量を軽減。
④ 輻射冷房として居室の壁面に水循環パイプを設置。
⑤ 共用空間の水平、垂直方向の通風を確保。
⑥ 半地下部分で蓄冷効果を促進。
⑦ 2階外壁を木造とし、排熱効果を促進。
⑧ 1階はRCラーメン構造にレンガブロック壁で遮熱・蓄冷効果を促進。