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2022年1月21日金曜日

京都デザインリ-グ構想,おしまいの頁で,室内,199906

 18 京都デザインリ-グ構想,おしまいの頁で,室内,199906


京都デザインリ-グ構想


 京都に移り住んで七年半になる。身近な町だから色々考えることがある。しかし、どうアクションを起こせばいいか未だにわからない。様々な議論はあり、様々な集団のそれなりの活動はあるけれど全体の仕組みが見えて来ないのである。極端に言うと、議論ばかりで何も変わらないのではないかという気さえしてくる。

 第一にステレオタイプ化された発想の問題がある。景観問題というと、建物の高さのみが争われる。しかし、事後、議論は停止する。開発か保存か、観光かヴェンチャービジネスか、議論は二者択一の紋切り型である。提案のみがあって、具体化への過程が詰められることがない。

 第二に、極く限定された地区や建物しか問題とされない。ジャーナリスティックには、京都ホテルや京都駅のようなモニュメンタルな建築物、山鉾町や祇園のようなハイライト地区に議論は集中して、他は常に視野外に置かれる。

 第三に、取組みに持続性がない。学者やプランナーは、ある時期特定のテーマについて作業を行い、報告書を書き、論文を書くけれど、一貫して地区に関わることは希だ。

 ・等々それなりに真剣に考えて、これしかないかな、と思うのが、以下にイメージを示す京都デザインリーグ(仮称)構想である。関係者の皆様、乞うご検討。

  京都に拠点を置く大学・専門学校などのデザイン系の研究室チームが母胎となる。もちろん、各地からの参加も歓迎である。各チームは、それぞれ地区を担当する。地区割会議によって可能な限り京都全域がカヴァーできることが望ましい。

 各チームは、年に最低一日、担当地区を歩き一定のフォーマットで記録する。そして、年に一回集い、様々な問題を報告する。以上、一年最低二日、京都について共通の作業をしようというのが骨子だ。もちろん、各地区についてプロジェクト提案を行ってもいい。様々な関係ができれば実際の設計の仕事も来るかもしれない。それぞれに競えばいい。ただ、持続的に地区を記録することがノルマだ。

 研究室を主体とするのは、持続性が期待できるからである。実は、この秘かな構想は、タウン・アーキテクト制のシミュレーションでもある。 




『室内』おしまいの頁で199801199912

01百年後の京都,おしまいの頁で,室内,199801

02室内と屋外,おしまいの頁で,室内,199802

03英語帝国主義,おしまいの頁で,室内,199803

04 アンコ-ルワット,おしまいの頁で,室内,199804

05 ヤン・ファン・リ-ベック,おしまいの頁で,室内,199805

06 秦家,おしまいの頁で,室内,199806

07 木匠塾,おしまいの頁で,室内,199807

08建築家と保険,おしまいの頁で,室内,199808

09桟留,おしまいの頁で,室内,199809

10 インド・サラセン様式,おしまいの頁で,室内,199810

11 ヴィガン,おしまいの頁で,室内,199811

12カピス貝の街,おしまいの頁で,室内,199812

13ダム成金の家,おしまいの頁で,室内,199901

14 J.シラスのこと,おしまいの頁で,室内,199902

15 ジベタリアン,おしまいの頁で,室内,199903

16西成まちづくり大学,おしまいの頁で,室内,199904

17 スラバヤ・ヤマトホテル,おしまいの頁で,室内,199905

18京都デザインリ-グ構想,おしまいの頁で,室内,199906

19 ジャングル, おしまいの頁で,室内,19990

20 大工願望,おしまいの頁で,室内,199908

21日光,おしまいの頁で,室内,199909

22ヴァ-ラ-ナシ-,おしまいの頁で,室内,199910

23北京の変貌,おしまいの頁で,室内,199911

24群居,おしまいの頁で,室内,199912

 

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