スペ-スspace,16回 読売新聞家庭欄19920205~19931229 第1期5回19920205~19920325 第2期11回1993~19931229
05 コートハウス-都市文明とともに登場,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19920325
コートハウスというのはコート(コートヤード)をもつ住居である。コートとは何か。本来、四周を建物で囲まれ閉じた外部空間をいう。コートハウスは、メソポタミア、エジプト、インダス、中国の四大文明のいずれにも見ることができる。都市文明の登場と同時にコートハウスは出現した。またその形式は世界中いたるところでみることができる。その事実は、少なくとも近代以前の世界において、コートハウスが都市住居の一般的な形式であったことを示していよう。
コートは、光や風など自然を保証する。そこは部屋を繋ぐ通路でもあり、作業場でもあり、居間でもある、多様な場所であった。高密度に集まって住もうとする場合、コートを配することはひとつの解答であった。
コートの名称は、もちろん、国によって異なる。コートハウスの伝統の薄いわが国では、中庭、壷庭、坪庭、壷などと呼ばれるのがそれに当たる。中国では、院子(インツ)あるいは天井(テンチン)だ。フランス語ではクール、スペインではパティオ、ドイツではアトリウムである。アトリウムというのは、古代ローマに遡る言葉である。ギリシャではペリスタイルが支配的であった。
現代の日本ではコートハウスという形式は極めて少ない。敷地に余裕がないのである。しかし、本来、コートハウスというのは一戸建てではなく集合形式にふさわしいものであった筈だ。日本に限らず、いま求められているのは立体的コートハウスとでもいうべき新たな形式ではないか。
コートハウスは、もともとは平屋か二階建てなのだけれど、現代都市においては、中高層の集合住宅がどうしても必要である。中高層になるとコートの形はどうなるか。中高層の集合住宅でも、多様な機能をもった中庭を立体的につくれないか。これは世界共通のテーマだと思う。
第1期
01 高床式住居-床下でリサイクル,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19920205
02 屋根-民族のアイデンティティ,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19920304
03 土間-活用したい床の段差,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19920311
04 物の住まい-人との“すみ分け”図る,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19920318
05 コートハウス-都市文明とともに登場,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19920325
第2期
06 三角の部屋-うらやましい普請道楽,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19931013
07 ビルの谷間の町家-木造建築,消えゆく運命,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19931020
08 山岳都市-欧州の町へのあこがれ,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19931027
09 壁面劇場-自分の家だから自己表現,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19931103
10 異文化との共生-ル-ル作りが日常的課題,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19931110
11 生きている広場-部外者お断りで一体感,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931124
12 同潤会の教え-集合住宅の将来を考える教材,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931201
13 成長する家-居住者が増築に参加,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931208
14 共用リビング用途様々,街路の雰囲気,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931215
15 立体街区-各戸が自由設計の集合住宅,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931222
16 環境共生-,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931229
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