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2021年11月20日土曜日

13 成長する家-居住者が増築に参加,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931208

 スペ-スspace16回 読売新聞家庭欄1992020519931229 151992020519920325 2111993~19931229

 13  成長する家-居住者が増築に参加スペ-スspace読売新聞家庭欄19931208

 

 敷地は長細く短冊状になっている。その敷地の端に水回り(バス・トイレ)のついたワンルームが建てられる。コアハウスという。このコアハウスに入居した居住者は、収入に応じて、資力に応じて住居を建設する。住居の核になるという意味でコアハウスである。

 コアハウスは道路に面して連続して建設されている。一種の集合住宅、長屋である。バンコクのランシットというところで行われたプロジェクトである。

 続けて増築すれば二室になる。中庭をとればコートハウスになる。坪庭をもった日本の町屋の形式である。八つの増築パターンが想定されていた。敷地一杯に増築してもいい。事実、二年後に訪ねてみると敷地一杯に建て増した例があった。

 このコアハウスのプロジェクトは、タイのみならず世界中で行われてきた。その形は色々である。フィリピンでは、木造のスケルトン(骨組み)だけのコアハウスが試みられた。壁は居住者が打ちつけるのである。

 インドネシアの場合、トラスライム・ブロックという火山灰と石灰でつくったブロックによるコアハウス・プロジェクトがある。田の字型をした敷地の真ん中に四軒分のコアハウスを建てる形もある。

 何故、こんなアイディアが出されたかというと、普通の形の住宅だととても手に入れることができないという厳しい状況があるからである。居住者が建設に参加すればそれだけ価格を下げることができるし、それぞれの都合や要求にも合わせることができるというわけである。

 確かに、苦肉の策である。発展途上国の場合、建設資材もそう自由ではない。しかし、住居が必要に応じて建設されていくこと自体はごく自然のことである。資金に応じてというのも当然のことである。家族と共に住居も成長するのである。

 日本では、住居というのはできあいのものを買うものであって、建てるものではなくなりつつある。


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