スペ-スspace,16回 読売新聞家庭欄19920205~19931229 第1期5回19920205~19920325 第2期11回1993~19931229
10 異文化との共生-ル-ル作りが日常的課題,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19931110
ゴミの透明袋が論議を呼んでいる。透明袋の指定は全国三〇都市に及び記名を求める自治体もその半数にのぼるという。従来のゴミ袋は焼却の際高熱を出すのが問題だ、いや、透明袋こそ灰が残りかえって問題だといった議論もあるけれど、大きいのはプライバシーの問題であろう。
ゴミの問題というと前からトラブルがある。写真は、外国人が多く居住する住宅地のゴミ置き場である。ゴミの分別収集のルールが三ヶ国語で書かれている。
日本の各地に外国人の居住が増えて様々な問題が起こった。ゴミの問題がそのひとつだ。決められた日以外にゴミを出すトラブルが頻発したのである。
ゴミの問題はひとつの象徴であるが、住居に関しては敷金や礼金の習慣が理解されないことも問題になった。また、住宅のスペースの使い方の問題でも色々トラブルが起きている。
廊下で水浴びをしたり、床で料理をしたり、何人かで部屋を共有し一室を礼拝室に使ったり、日本人には思いもかけない使い方がなされる。住文化の違いである。銭湯に水泳パンツをはいて入るのもそうだ。
夜洗濯したり、友達を呼んで大声で騒ぐ、というのも習慣の違いかもしれない。大きな問題は日本の住宅が多様な住み方を許容しないことである。また、日本の住居が極めて閉鎖的であることである。
日本人には当たり前でも、外国人にとって抵抗を感じることは多い。逆も同じで住文化の違いは細かいところに現れるものだ。困るのは、面倒くさいからと日本人とはほとんど接触しないで外国人だけで生活する形である。コンビニエンスストアや様々なメディアの発達でそうした生活も可能なのである。
文化的背景を異にする人たちとどう共に生きるか、どういうルールをつくりあげていくかは日本人にとって既に日常的な課題である。ゴミ袋の問題は根が深いと思う。
第1期
01 高床式住居-床下でリサイクル,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19920205
02 屋根-民族のアイデンティティ,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19920304
03 土間-活用したい床の段差,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19920311
04 物の住まい-人との“すみ分け”図る,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19920318
05 コートハウス-都市文明とともに登場,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19920325
第2期
06 三角の部屋-うらやましい普請道楽,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19931013
07 ビルの谷間の町家-木造建築,消えゆく運命,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19931020
08 山岳都市-欧州の町へのあこがれ,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19931027
09 壁面劇場-自分の家だから自己表現,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19931103
10 異文化との共生-ル-ル作りが日常的課題,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19931110
11 生きている広場-部外者お断りで一体感,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931124
12 同潤会の教え-集合住宅の将来を考える教材,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931201
13 成長する家-居住者が増築に参加,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931208
14 共用リビング用途様々,街路の雰囲気,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931215
15 立体街区-各戸が自由設計の集合住宅,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931222
16 環境共生-,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,19931229
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