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2021年11月17日水曜日

10 異文化との共生-ル-ル作りが日常的課題,スペ-スspace,読売新聞家庭欄,読売新聞社,19931110

 スペ-スspace16回 読売新聞家庭欄1992020519931229 151992020519920325 2111993~19931229

 

10  異文化との共生-ル-ル作りが日常的課題スペ-スspace読売新聞家庭欄読売新聞社19931110

 

 ゴミの透明袋が論議を呼んでいる。透明袋の指定は全国三〇都市に及び記名を求める自治体もその半数にのぼるという。従来のゴミ袋は焼却の際高熱を出すのが問題だ、いや、透明袋こそ灰が残りかえって問題だといった議論もあるけれど、大きいのはプライバシーの問題であろう。

 ゴミの問題というと前からトラブルがある。写真は、外国人が多く居住する住宅地のゴミ置き場である。ゴミの分別収集のルールが三ヶ国語で書かれている。

 日本の各地に外国人の居住が増えて様々な問題が起こった。ゴミの問題がそのひとつだ。決められた日以外にゴミを出すトラブルが頻発したのである。

 ゴミの問題はひとつの象徴であるが、住居に関しては敷金や礼金の習慣が理解されないことも問題になった。また、住宅のスペースの使い方の問題でも色々トラブルが起きている。

 廊下で水浴びをしたり、床で料理をしたり、何人かで部屋を共有し一室を礼拝室に使ったり、日本人には思いもかけない使い方がなされる。住文化の違いである。銭湯に水泳パンツをはいて入るのもそうだ。

 夜洗濯したり、友達を呼んで大声で騒ぐ、というのも習慣の違いかもしれない。大きな問題は日本の住宅が多様な住み方を許容しないことである。また、日本の住居が極めて閉鎖的であることである。

 日本人には当たり前でも、外国人にとって抵抗を感じることは多い。逆も同じで住文化の違いは細かいところに現れるものだ。困るのは、面倒くさいからと日本人とはほとんど接触しないで外国人だけで生活する形である。コンビニエンスストアや様々なメディアの発達でそうした生活も可能なのである。

 文化的背景を異にする人たちとどう共に生きるか、どういうルールをつくりあげていくかは日本人にとって既に日常的な課題である。ゴミ袋の問題は根が深いと思う。



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