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2024年8月4日日曜日

日本建築学会著作賞:韓国近代都市景観の形成ー日本人移住漁村と鉄道町ー,建築雑誌Vol.128,No.1648,201308

 



2013年日本建築学会著作賞候補推薦書

 

 

 

 

2012年 9月 5

著 書 名(( ふ り が な ))

(かんこくきんだいとしけいかんのけいせい にほんじんいじゅうぎょそんととてつどうまち)

韓国近代都市景観の形成 日本人移住漁村と鉄道町

刊行日

2010530

出版社

京都大学学術出版会

ISBN

ISBN978-4-87698-967-6

著 者(( ふ り が な ))

(ふのしゅうじ ) 

会員番号

(しがけんりつだいがく・ふくがくちょう・りじ・きょうじゅ)

布野修司

 

7710096

滋賀県立大学・副学長・理事・教授

(はん さむくん       ) 

会員番号

(かんこく・うるさんだいがくけんちくがくぶ・きょうじゅ )

 韓 三建

 

0237380

韓国・蔚山大学建築学部・教授

(ぱく ちゅんしん           ) 

会員番号

(かんこく・ちょんじゅだいがくだいがくいんけんちくがっか・とくにんきょうじゅ)

 朴 重信

 

 

韓国・清州大学大学院建築工学科・特任教授

(ちょ すんみん     ) 

会員番号

(かんこく・うるさんだいがくけんちくがくぶ・としけんちくけんきゅうしょ・けんきゅういん          )

 趙 聖民

 

 

韓国・蔚山大学建築学部・都市建築研究所研究員

連絡先

(〒522-0056) 彦根市開出今町1700 A-203

        布野修司

電話 0749-26-8464

FAX  0749-26-8464

推       薦       理       由

本書は,韓国都市の原像とその今日に至る変容の過程を明らかにすることを大きなテーマにし, 日本植民地時代に焦点を当て,朝鮮時代の都市あるいは集落がどのように変化してきたのかを「景観の日本化」を切り口として明らかにしている。具体的にとりあげているのは,かつての王都であり,朝鮮時代に邑城が置かれていた地方都市,慶州,また,日本植民地期に形成された鉄道町,そして日本人移住漁村を核として発展してきた都市,,三浪津,安東,巨文島,九龍浦,外羅老島である。

何故韓国の地方都市なのか、何故日本人移住漁村なのか、何故鉄道町なのか、何故、身近な居住空間や街区に眼を向けるのか。

 本書の第1の意義は、韓国近代都市の形成をめぐって明らかにされてこなかった地方都市に眼を向け、韓国の地方都市がどのような過程を経てどのように変化したかを明らかにしたことにある。

地方都市の変化を促した大きな要因となるのは、日本による植民地化、日本人の移住である。日本人は入植した各地にいわゆる「日式住宅」を建てて住んだ。本書の第2の意義は、韓国の近代的都市景観の「日本化」を「日式住宅」の移入と変容の過程に即して具体的に明らかにしたことにある。この「日式住宅」による風景の日本化は、朝鮮半島の日本による植民地化の象徴でもあるが、朝鮮半島の都市の近代化の象徴でもある。本書では、各都市に即して、街区構成を含めて明らかにした。これが第3の意義である。本書は以上のように日本人の移住に焦点を当てて、韓国における近代都市の形成の一側面に光を当てるものであるが、それでは、韓国のそれ以前の都市はどうであったのか、朝鮮半島に固有な都市はあるのか、という問いが基底にある。特に、慶州を取り上げ、邑城について考えたのは、韓国都市の原像を問うためである。韓国の都市史研究への貢献が第4の意義である。

本書のもとになっているのは,韓三建『韓国における邑城空間の変容に関する研究ー歴史都市慶州の都市変容過程を中心にー』(京都大学,199312月)、朴重信『日本植民民地期における韓国の日本人移住漁村の形成とその変容に関する研究』(京都大学,20053月)趙聖民『韓国における鉄道町の形成とその変容に関する研究』(滋賀県立大学,20089月)の3つの学位請求論文である。共著者である布野修司は、序章,Ⅰ章,終章を執筆したが、この3本の学位請求論文の全てに指導教官として,また共同研究者として関わり、それぞれの論文の基になったほとんど全ての臨地調査を共にした。長期にわたる国際的共同研究の高水準の成果としても本書の意義を評価していただきたいと考えて、自薦する次第である。

本書の意義を的確に認めて頂いた書評(青井哲人、『日本図書新聞』)を添付させて頂く。

 

推薦者

 自薦(布野修司)

所 属

滋賀県立大学

 

* 自薦の場合は推薦者欄に「自薦」と記入し、自ら推薦理由を記入すること。



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