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2022年9月23日金曜日

日経アーキテクチャーへの注文,素人っぽさがいい,日経アーキテクチャー,日経BP社,19921221

 日経アーキテクチャーへの注文,素人っぽさがいい,日経アーキテクチャー,日経BP社,19921221

日経アーキテクチャーへの注文  

                 布野修司


 『日経アーキテクチャー』のいいところは、一も二もなく、徹底して記者の取材を基本とすることである。建築業界のあれやこれやにとらわれずクールなのがいい。素人っぽいといってもいいのであるが、一般人が普通に建築をみるバランスがいいと思う。

 当たり前のことなのだけれど、足で取材する建築ジャーナリズムがあまりにも少ない。デスクに座っているだけで、気の合う建築家からの情報や大建築家からの命令(?)に従うだけの、あるいは持ち込みを待っているだけの専門誌が多すぎる。編集部員が少ない、取材が費が出ない、言い訳はいつも聞くけれどもいっこうに改善の気配がない。

 その点『日経アーキテクチャー』は、編集部員が極めて多い。副編集長が4人もいる雑誌なんてそうざらにはない。編集費も潤沢のようにみえる。他の専門誌がかなわないのも無理ないのであろう。

 『日経アーキテクチャー』に不満があるとすれば、やはり、一般に開かれていないことである。一般の書店に置かれ、一般の人が手にすることが出来れば日本の建築界にとって「カクメイ」的だと思うのであるが、そうもいかないのだろう。日本建築学会の『建築雑誌』の書店置きにも色々と問題があるという。

  『日経アーキテクチャー』の独走は当分続くと思う。ほめ殺しかな。





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