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東南アジア建築
南アジア建築
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『マーナサーラ』
『マーナサーラ』▼"Manasara"▼インドでシルパシャストラ(Silpasastra)と呼ばれる古典的建築文書群の一つであり、サンスクリット語で書かれている。シルパは手工芸、シャストラは科学を意味するとされる。マーナサーラは、人名であるという説もあるが「寸法の本質」を意味する。全体は70章からなるが、内容は、寸法計画、マンダラ、都市・要塞・村なの配置計画、建築の形式、家具の形式と寸法、神像の形式と寸法などであり、建築全般にわたっている。成立年代は、紀元後500~700年頃とされるが、異説もある。
クラトン
クラトン▼Kraton▼ジャワ語で王宮を意味する。また、広義には王都全体を指す。現存するのはジョグジャカルタおよびソロ(スラカルタ)の四王家のものであるが、かっては各地のヒンドゥー土候国に建設された。クラトンは、アルン・アルン(広場)を囲む形で、ダラム(王の館)、回廊、内廷、謁見所、式台所などからなる。ジョグジャカルタ(Yogyakarata)の王宮は1682年に建てられたものであり、敷地は14000㎡にも及ぶ。また、敷地の南北端に二つのアルンアルンをもつ。ジョグロと呼ばれるジャワの伝統的な建築形式の建物が用いられている。
トロウラン
トロウラン▼とろうらん▼Trowulan▼インドネシア、東部ジャワのモジョケルト市の南西約10キロに位置するマジャパイト王朝の遺跡。マジャパイト王国は、13世紀末から15世紀中頃までの約150年間続き、最盛期にはその勢力をマレー半島にまで及した。ジャワの叙事詩『ナーガラクルタガマ』には、14世紀当時の王都の様子が描かれている。周辺には、当時のヒンドゥー遺跡であるチャンディ・パナタラン、チャンディ・スロウォノ、チャンディ・ティゴワンギがある。
チャンディ・セウ
チャンディ・セウ▼Candi Sewu▼インドネシア、ジョクジャカルタ近郊にあるヒンドゥー遺跡。中部ジャワ期のプランバナン遺跡群の一つ。8世紀後半から9世紀初頭に建設されたと考えられている。「セウ」とは千を意味し、一般に「千仏寺」として知られている。敷地は南北185メートル、東西165メートルの方形で石垣に囲まれている。正面入口は東に有り、東西南北の各門には二体の巨大な守門神像がある。中央祠堂を囲むように四方に214の仏堂が規則正しく配置されている。四方四仏の配置法が建築のプランに適応され、密教系寺院とも考えられる。
ディエン高原遺跡群
ディエン高原遺跡群▼でぃえんこうげんいせきぐん▼Dieng plateau▼インドネシア、ディエン高原、プラウ山の南側にある遺跡群。中部ジャワ期の遺跡で、チャンディ・アルジュナ、チャンディ・セマール、チャンディ・スリキャンディ、チャンディ・プリタディヴォ、チャンディ・スンバトラ、チャンディ・タラヴァティ、チャンディ・ガトッカチャ、チャンディ・ビマの8基の建物が残っている。8基ともシバ神を祭ったもので、建立年代は異説もあるが、7世紀末から8世紀に建てられた考えられている。
タキシラ
タキシラ▼Taxila▼パキスタン北部、イスラマバード北西約40キロにある都市遺跡。BC.6世紀~AD.6世紀に栄えた。最古のものが、ビル・マウンドであり、B.C.6~5世紀に建設された。その東北方向に第二番目の都市シルカップ(Sirkap)がある。B.C.2世紀にバクトリア・ギリシア人によって建設された。都市は城壁に囲まれ、北部の街路が碁盤目状に配置された下町、南部の丘陵がある上町からなる。西南隅にはアクロポリスがあり、ヘレニズム文化の都市計画を踏襲している。北の城門から南に約500mの東側に王宮がある。王宮は正面が106m、奥行きが120mあり、中庭式建築である。
プラ・ブサキ
プラ・ブサキ▼Pura
Besakih▼インドオネシア、バリ島最大のヒンドゥー寺院。バリ島で最も聖なる山とされるアグン山の山麓に位置し、一万数千に及ぶとされるバリのヒンドゥー寺院の総本山の役割を果たしている。斜面に沿って大きく三つの神域が順番に設けられ、ヴィシュヌ、シヴァ、ブラーフマの三神を象徴する三つの塔が深奥の内陣に置かれている。建立は14世紀のヒンドゥーの侵入以前のことで一千年以上前とされるがはっきりしない。現在見られる寺院を構成する数多くの建造物は、1963年のアグン山の大噴火によって大きな被害を受けた後再建されたものである。
ハイバク石窟
ハイバク石窟▼はいばくせっくつ▼Haibak cave▼アフガニスタン、ハイバクの西南約2キロ、タクティ・ルスタムの寺院跡の石窟群。4世紀から5世紀にかけてつくられたとされる。僧衆窟以外の仏像窟は、それぞれ長方形の前室の奥に主室がある。円形でドーム天井に大蓮華、壁に小蓮華を配した主室がある。また、方形で三方に厨子を設けたものもある。さらに、四角にスクインチ・アーチをもつものがある。石窟群の中心と思われる丘の頂上にはストゥーパが置かれている。
トンコナン
トンコナン▼とんこなん▼Tonkonan▼インドネシア、スラウェシ島、内陸山間部に居住するサダン・トラジャ族の伝統的家屋。棟が両端で反り、妻側を長く張り出した鞍型の屋根が特徴的である。屋根は竹を細かく割ったもので二重、三重に葺かれている。また、前後に棟持ち柱をもつ。棟持ち柱には水牛の角が飾られ、その数によって家の格式が示される。米倉も家屋と同じ形態、構造をとる。トンコナンとそれに付随するいくつかの米倉は平行に並べられて、トンコナン5~10棟でひとつの集落となる。高床の居住面は、入り口の客間を兼ねた寝室、中央の一段低くなった居間兼食堂、奥の家長のスペースの三つの部分からなっている。
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