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2024年11月29日金曜日

都市計画、地域計画、都市地域論、京都大学、問題集1~7、1992~97

 問題集7 

Ⅰ.次の計画と関係のある用語を選び説明せよ。 

 A.明治10年代東京防火計画

 B.震災復興計画

 C.市区改正

 D.大同都邑計画

 E.銀座煉瓦街建設

 F.首都圏整備計画

 G.日比谷官庁集中計画

 H.東京市近郊町村区画整理計画

 I.市街地建築物法

 J.戦災復興都市計画

 

  1.伊部貞吉 2.ウォートルス 3.神田橋本町 4.同潤会 

 5.内田祥三 6.芳川顕正 7.エンデ、ベックマン 8.1919年

 9.100メートル道路 10.グレーターロンドン計画

 

Ⅱ.次の用語を説明せよ 

 A.アディケス法

 B.BEBAUNGS PLAN(地区詳細計画)

 C.ゾーニング(用途地域制)

 D.LOCAL PLAN(イギリス)

 E.建築線

 F.地価税

 G.日本のニュータウン計画

 H.総合設計制度

 I.権利変換

 J.公開空地

 K.特定街区

 L.建築協定

 M.風致地区

 

Ⅲ.日本の都市計画の歴史をいくつかの段階に分けて振り返り、それぞれの段階(時代区分)の特徴を簡単にまとめよ。 

Ⅳ.現代日本の地域計画をめぐる最も重要な問題を箇条書きにし、地域計画のありかたについて論ぜよ。 

Ⅴ.京都の景観問題について持論を展開せよ。


 │レポート課題

 近現代における「地域計画」の方法をめぐって、最も興味深い建築家・都市計画家(理論家)による事例あるいは理論をとりあげ、論ぜよ。                                                           締切 1992年9月9日(水) 厳守

 A4レポート用紙 枚数自由 必要に応じて、図、表、図面、写真を添付すること。

 

問題集6 

Ⅰ.次の人名と関係のある用語を選び説明せよ。 

 A.ロバート・オーエン  Robert Owen 1771-1858

 B.サン・シモン Saint Simon  1760-1825

 C.トマス・モア Thomas More  1478-1535

 D.エチエンヌ・キャベ Etienne Cabet  1788-1856

 E.シャルル・フーリエ Charles Fourier  1772-1837

 F.アンドレ・ゴーダン Andre Godin  1817-88

 G.トマッソ・カンパネラ Tomaso Campanella  1568-1639

 H.フランシス・ベーコン Francis Bacon  1561-1626

 I.ウイリアム・ペン William Pen

 J.ヨハン・ゲオルグ・ラップ  Johan Georg Rap 

  1.ファランステール 2.ファミリステール 3.ユートピア 4.パノプティコン  5.ニュー・ハーモニー 6.ニュー・ラナーク 7.フィラデルフィア クエーカー  8.ニュー・ラナーク 9.イカリア 10.アンファンタン

 

Ⅱ.次の用語と関係深い建築家(人名)を挙げ、説明せよ 

 A.田園都市

 B.近隣住区理論

 C.ブロード・エーカー・シティ

 D.パリ300万人都市計画

 E.「工業都市」

 F.線型都市

 G.ブリッツ・ジードゥルング

 H.ユニテ・ダビタシオン

 I.パリ大改造計画

 J.チャンディガール

 K.ブラジリア

 L.イスラマバード

 M.アムステルダム南地区再開発計画

 Ⅲ.近代都市計画制度の歴史についてまとめてみよ。 

Ⅳ.日本の都市計画制度を欧米のそれと比較し、特徴を述べよ 

Ⅴ.近代建築家と都市計画の関わりをめぐって、具体的な例をもとに論じなさい。

 

門題集5

 Ⅰ.次の用語を説明し、発展途上国の都市及び都市化の特質についてまとめなさい。 

 A.プライメイト・シティ

 B.過大都市化

 C.複合社会

 D.都市村落 アーバン・ヴィレッジ

 E.植民都市

 F.二重構造

 G.インフォーマル・セクター

 H.従属的都市化

 I.低開発の開発

 J.世界資本主義システム 

Ⅱ.発展途上国の地域開発方式を列挙し、その特徴を述べよ。また、その流れを整理せよ。 

Ⅲ.C.ギアツのインボリューションという概念について調べてみよ。 

Ⅳ.発展途上国の居住政策をめぐって以下の手法の評価について論ぜよ 

     ローコストハウジング         LOW COST HOUSING

    スラムクリアランス           SLUM CLEARANCE

    スラムアップグレーディング   SLUM UPGRADING

    サイツアンドサービス         SITES & SERVICES

    リセツルメント               RESETTLEMENT IMMIGRATION

    ルーラルハウジング           RURAL HOUSING 

Ⅴ.コア・ハウスプロジェクトについて自分の意見をまとめよ。また、自分が設計するとしたら、どのようなコアハウスをデザインするか考えてみよ。 

Ⅵ.地球環境と「持続的発展論」(Sustainable Development)理論について論ぜよ。

 

問題集4 

Ⅰ.次の人名と関係ある用語を選び、簡単に説明せよ 

 A.丹下健三

 B.黒川紀章

 C.原 広司

 D.磯崎 新

 E.大谷幸夫

 F.槙 文彦

 G.大高正人

 H.菊竹清訓

 I.川添 登

 

 1.「か、かた、かたち」 代謝建築論 塔状都市 海上都市

 2.『建築に何が可能か』 有孔体理論

 3.東京計画1960 美しいもののみ機能的である

 4.Urbanics試論 麹町計画

 5.ヘリックスシティ 行動建築論

 6.プロセス・プランニング論 空中都市

 7.群造形 生成建築論

 8.人工土地

 9.建築とマルクス  

Ⅱ.メタボリズムとは何か、その建築思想を説明し、その評価をめぐって論ぜよ。 

Ⅲ.日本の建築家と住宅設計のあり方について、歴史を振り返り、現状を論ぜよ。

  また、建築家は「住宅問題」にどう取り組むべきかを論ぜよ 

Ⅳ.コミュニティー計画の意義について論ぜよ 

Ⅴ.日本建築における地域主義の流れについてまとめよ 

Ⅵ.ティーム・ズーの方法論について論ぜよ

 

問題集3 

Ⅰ.次の人名と関係のある用語を選び、簡単に説明せよ 

 A.伊東忠太

 B.J.コンドル

 C.下田菊太郎

 D.辰野金五

 E.佐野利器

 F.西山夘三

 G.関野貞

 H.村田治郎

 I.藤井厚二

 J.武田五一

  K.今和次郎

 L.森田慶一

 

 1.東京駅、日本銀行、「家屋装飾論」

 2.『建築計画論』1889 帝冠併合様式

 3.鹿鳴館1883 三菱一号館1894 工部大学校造家学科 『造家必携』

 4.日本分離派建築会1920 『ヴィトルヴィウスの建築十書』

 5.『法隆寺建築論』1893『建築哲学』1892 築地本願寺 平安神宮

 6.東本願寺内侍所1923 藤井美術館1926

 7.『日本の住宅』1928 聴竹居 

 8.『東洋建築史』1957 『東洋の建築』1945

 9.考現学 バラック装飾社

10.『日本の建築と芸術』 『朝鮮の建築と芸術』

11.『家屋構造論』1916

12.『これからのすまい』 『国民住居論攷』

 

Ⅱ.日本の建築学の成立はいつ頃とみなせるか。またその出自の様相から専門分化の過程を大まかに述べ、日本の建築学の特性について論じよ 

Ⅲ.「計画」という概念をめぐって論ぜよ 

Ⅳ.「地域」という概念について論ぜよ

 

問題集2 

Ⅰ.都市の起源をめぐって論じよ。 

Ⅱ.都市の発展段階、あるいは都市の類型に関する諸説を調べてみよ。また、自分なりにまとめて論じよ。 

Ⅲ.古代文明の都市について、エジプト、メソポタミア、インダス、中国の各地域毎にまとめ、その基本的構成要素を挙げ、それぞれの特性と共通性についてまとめよ。 

Ⅳ.プラトンの『法律』の「理想都市」の記述から、その「理想都市」を復元してみよ。これまでの復元案も参照すること。 

Ⅴ.ヒポダモスについて、また、「ヒポダモス風」都市計画について調べよ。さらに、「グリッド・パターン」の特性についてまとめよ。 

Ⅵ.ギリシャ・ローマの都市計画の伝統について、具体的な都市の例を挙げながら論じよ。

  

 アテネ ザゴラ エンボリオ デロス テラ オルビア メガラ・ヒュブライア ポセイドニア メタポントゥム セリヌス アクラガス ミレトス ロドス オリュントス クニドス プリエネ ハリエイス ハリカルナッソス カッソペイア セウトポリス ゴリツア デメトリアス アンティオキア ラオディケイア ダマスコス アッソス ペルガモン ポンペイ マルツァボット コサ オスティア ヴェロナ ローマ 

Ⅶ.ヴィトルヴィウスの『建築十書』のなかから、地域計画、都市計画に関わる記述を抜き出して見よ。 

Ⅷ.ギリシャ・ローマの都市の街区構成について述べよ。街区とインスラの規模について調べて見よ。

Ⅸ.古代ローマの都市計画についてまとめてみよ。 

Ⅹ.デミウルゴスについて論ぜよ。


 

      都市地域論         試験問題               19960626         布野修司          持ち込み自由 

 

問Ⅰ 次の図について以下の問いに答えなさい(問題番号と図の頁は一致している)。 

  1 都市とは何か。都市の定義をめぐって、図を手がかりに諸説を挙げなさい。 

 2 グリッド・パターンの伝統について、特に図Aを中心に述べなさい。 

 3 図Aについて、その都市計画の背景について述べなさい。

      ヒント:新大陸の宗教ユートピア

 4 図Aとその都市計画の伝統について述べなさい。 

 5 図を説明し、インドの都市計画の伝統をまとめなさい。 

 6 図Aおよび図Bを説明しなさい。 

 7 図Aについて説明しなさい。 

 8 図Aについて知ることを述べよ。   

 9 図を説明せよ(8頁図Bも同じ)。 

問Ⅱ 以下の設問のひとつを選んで解答しなさい。 

 1.都市の起源をめぐる諸説を列挙し、簡単に説明しなさい。 

 2.次の用語をいくつか用いて、発展途上国の都市及び都市化の特質について簡単にまとめなさい。 

 A.プライメイト・シティ

 B.過大都市化

 C.複合社会

 D.都市村落 アーバン・ヴィレッジ

 E.植民都市

 F.二重構造

 G.インフォーマル・セクター

 H.従属的都市化

 I.低開発の開発

 J.世界資本主義システム 

 3.近代日本における都市計画の特質を箇条書きにし、簡単に説明しなさい。 

問Ⅲ 近代都市計画の歴史において注目すべき意味をもってきた次のA~Jの用語(計画あるいはプロジェクト、理論、概念)と最も関係のある人名、団体等を下の語群(1~10)から選び記号で答えよ。また、A~Jのうち3つを選択し簡単に説明せよ。

                                                       記号欄

 A.ニュー・ラナーク                                (  )

 B.震災(関東大震災)復興計画                      (  )

 C.ファランステール                                (  )

 D.パリ改造計画(グラン・トラヴォー)              (  )

 E.銀座煉瓦街建設                                  (  )

 F.ブリッツ・ジードゥルング                        (  )

 G.『工業都市』                                    (  )

 H.東京市区改正                                    (  )

 I.グレイター・ロンドン計画                        (  )

 J.ブロード・エーカー・シティー                    (  )

 

  1.G.E.オースマン

 2.T.J.ウォートルス

 3.シャルル・フーリエ

 4.同潤会       

 5.ロバート・オーエン 

 6.B.タウト 

 7.C.A.ペリー   

 8.E.ハワード    

 9.ル・コルビジュエ

10.T.モア      

11.サン・シモン   

12.T.ガルニエ

13.芳川顕正     

14.佐野利器     

15 アーバークロンビー

 

 共通基礎(計画 問4 都市計画・地域計画) 

 Ⅰ 都市計画・地域計画の理論と方法をめぐって、以下の(1)(2)の問に答えよ。 

 (1)以下のA~Fの人名に最も関連する用語をⅠ~Ⅱの語群のそれぞれからひとつづつ選び記号で答えなさい。 

 A パトリック・ゲデス(Patrick Geddes, 18541932

 B  後藤新平(18571929

 C  フランツ・アディケス(Frantz Adickes, 18461915

 D  ダニエル・バーナム(Danier Burnahm, 18461912

 E  C.A.ペリー(C.A.Perry, 18721944

 F  T.J.ウォートルス(Thomas James Waters

 G G.フェーダー(Gottfried Feder, 18831941

 H E.ハワード(Ebenezer Howard, 1850-1928

 I  ロバート・オーウェン(Robert Owen 17711858

 

 Ⅰ群

 1.シカゴ Chicago 

  2.台北 Taipei

  3.ニューヨーク New York

 4.カルカッタ Calcutta

 5.ニューラナーク New Lanark

 6.フランクフルト Frankfurt

 7.銀座(東京市)

  8.ベルリン Berlin

 9.パリ Paris

10.レッチワース Letchworth 

 

 Ⅱ群                                        

  あ.『都市開発』(Urban Development 1904

 い.田園都市 Garden City 

 う.区画整理

 え.『新都市』(Die Neue Stadt 1939

 お.シティ・ビューティフル City Beautiful

 か.帝都復興計画

 き.『新社会観』(1813) 

 く.煉瓦街

  け.『工業都市』(1917

 こ.近隣住区理論 Neighbourhood Theory 

 (2)上記Ⅱ群のあ.~こ.の中から二つ選んで説明しなさい。

 

共通基礎(計画 問4 都市計画・地域計画) 

Ⅱ 次の設問の内ふたつを選んで解答せよ。 

 1.都市の起源をめぐる諸説を列挙し、簡単に説明しなさい。 

 2.次の用語をいくつか用いて、発展途上国の都市及び都市化の特質について簡単にまとめなさい。 

 A.プライメイト・シティ

 B.過大都市化

 C.複合社会

 D.都市村落 アーバン・ヴィレッジ

 E.植民都市

 F.二重構造

 G.インフォーマル・セクター

 H.従属的都市化

 I.低開発の開発

 J.世界資本主義システム 

 3.近代日本における都市計画の特質を箇条書きにし、簡単に説明しなさい。 

 4.近代建築家と都市計画の関わりをめぐって、具体的な例をもとに論じなさい。 

 5.現代日本の地域計画をめぐる最も重要な問題を箇条書きにし、地域計画のありかたについて論ぜよ。

 

共通基礎(計画 問4 都市計画・地域計画) 

Ⅰ 都市計画・地域計画の伝統あるいはその方法をめぐって、下記の(1)(2)(3)の問に答えよ 

 (1)以下のA~F、6枚の図に最も関連する用語をⅠ~Ⅱの語群のそれぞれからひとつづつ選び記号で答えなさい。 

 A B C D E F 

  Ⅰ群

 1.ジャイプール Jaipur

  2.プリエネ Priene

  3.スフォルツィンダ Sforzinda

 4.チャンディガール Chandigarh

 5.チュニス Tunis

 6.ブラジリア Brasilia

 7.ガーデンシティ Garden City

  8.ミレトス Miletus 

 

 Ⅱ群                                        

  あ.マーナサーラ manasara                   

 い.フィラレーテ Filarete(Antonio Averlino) 

 う.L.コスタ Lucio Costa                  

 え.ヒポダモス Hippodamus                    

 お.ル・コルビュジェ Le Corbusier           

 か.E.ハワード E. Howard                  

 き.V.スカモッツィ V. Scamozzi            

 く.シャリーア(イスラーム法 Islamic law 

  (2)図のCと図のDを比較し、それぞれの都市計画の伝統の差異を簡単に論じなさい。

 (3)図A、図B、図E、図Fの4つの図からひとつを選び、都市計画の方法としての特徴を箇条書きにしなさい。 

 

解答欄

 (1)

          Ⅰ群   Ⅱ群  

 A    (  ) (  ) 

 B    (  ) (  ) 

 C    (  ) (  ) 

 D    (  ) (  ) 

 E    (  ) (  ) 

 F    (  ) (  ) 

   (2) 

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 (3)  選定した図の記号 ・・・・・・・・・・(  )

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  説明1 選択した記号(  )

 説明2 選択した記号(  )  

 説明3 選択した記号(  )

 

専門(計画)

  格子状(グリッド)パターンの都市の事例を知り得る限り挙げ、相互に比較しながら、その計画原理をめぐって論ぜよ。

2024年11月28日木曜日

日本建築学会 2001年学会賞(作品賞) 総評、建築雑誌、2001

 日本建築学会 2001年学会賞(作品賞) 総評

 布野修司

 今回の選考は、正直言って、あまり乗らなかった。現地視察を行う8作品にこれぞと思う作品のいくつかが残らなかったことと、残った作品のうちに重賞がらみの作品が3作品もあったことが大きい。

 重賞は絶対認めないというのではないが、余程の作品でなければ投票しない、というのが、基本姿勢である。要するに、学会賞は、「新人賞」的でいい、と思う。荒削りであれ、将来の日本の建築界をリードするような力のある若い作家に可能性をみたいと思う。学会賞のレヴェルが問題になるのは、若手の作品に勢いが無く、それなりのキャリアを積んだ卒のない作品の受賞が続いているからであろう。これも時代の流れである。

 受賞作の内では、公立はこだて未来大学は文句無いと思った。実に単純なビルディング・システムがかくも多様な空間を産むということにいささか感動を覚えた。山本理顕さんのプランニングの力量とともに、木村俊彦先生の到達点を見る思いであった。テクニカル・アプローチの、大袈裟に言えば日本の近代建築の目指したのはこのような作品であったのかもしれない、と思った。

 地下鉄線大江戸線飯田橋駅は、土木分野への建築家の果敢な試みとして評価したい。余計な仕上げを剥ぎ取るだけで地下空間の豊かな展開を示唆し得ている。しかし、それ以上を期待したい気がある。排気塔や天井を這う照明器具のインスタレーションはそれ以上の方向を指し示しているようには思えなかった。

 W・HOUSEは、版築の壁に好感をもった。しかし、都市型住宅のプロトタイプとしては、街に対しても、市場としても、いささか閉じすぎてるように思った。

 若い力に期待するという意味では「八代の保育園」に大いに期待があったが、勢いが感じられなかった。徹底するところがない、という印象である。透静庵は極めて水準の高い作品であるが、公開性に欠ける点がひっかかった。8作品に惜しいところで残らなかった竹山聖、宇野求の作品にしても、住宅スケールの作品には、「一連の作品」というのを、受賞対象から外した学会賞規定のハードルはいささか高い。

  

2024年11月27日水曜日

日本建築学会 2000年学会賞(作品賞) 総評、建築雑誌、2000

 日本建築学会 2000年学会賞(作品賞) 総評

 最終判断には委員会全体のある種のバランス感覚が働いていると思う。そういう意味では妥当な選考であった。

 ただ個人的評価は異なる。第一次選考で残った8作品の中で最後まで押したのは「上林暁文学記念館」「三方町縄文博物館」「中島ガーデン」の3作品である。前2作品は第一次選考で最も多い票を集めたが、現地調査で支持を失ったのが残念である。細かい収まりより大きな構想、新しい空間の予感、薄くてぺらぺらの建築ではなく存在感のある建築を評価基準としたけれど、眼につく欠陥の指摘を圧倒し返す言葉を持ち得なかった。

 「熊本県立農業大学校学生寮」は、豪快で、さすが当代の目利きの作品と、好感が持てた。特に食堂の空間が不思議な魅力がある。ただ、平面計画にしろ構造計画にしろ素人そのものなのは買えなかった。特に木造の扱いはこれで時間に耐え得るかと思う。また、旧態たる奇妙な設計施工の体制も気になった。「東京国立博物館法隆寺宝物館」は完成度において文句はないが、この作品によって「重賞」問題を突破するのをやはり躊躇(ためら)った。「中島ガーデン」は、日本型都市型住宅のプロトタイプ提出の試みとして「茨城県営長町アパート」とともに評価した。

 

2024年11月26日火曜日

21世紀の建築の展望, poar(Korea),199909

建築人

 

21世紀日本建築の展望

布野修司

 

 21世紀の日本建築がどうなっていくのかを予言するのは難しい。ほとんど何も変わらないかもしれないし、日本という国そのものが危うくなっているかも知れない。おそらくこれからは日本という国民国家(Nation State)の枠組みで考えるのはやめた方がいいだろう。国際化はどんどん進み、国境を超えた建築交流はさらに進むであろう。地球環境問題はますます世界をひとつに統合するであろう。しかし、日本の近代化の過程で、建築表現としての「日本的なるもの」が繰り返し問われてきたきたように、「日本的な表現」は依然としてテーマであり続ける気がしないでもない。ナショナリズムと建築表現の問題はそう簡単ではないが、韓国でも「韓国的表現とは何か」というテーマがしばらくは問われるであろう。しかし、テーマはそう明確ではない。

 グローバルに見ても、ポストモダン建築が勢いを失って以降、世界の建築界は方向を失っているのではないか。テクノロジーの発達が世界をひとつに結びつける一方、冷戦構造の崩壊によって各地で民族紛争が勃発している。世界中で最新技術による建築デザインがファッショナブルに追い求められる一方、民族的な表現が各地でもとめられることになるかもしれない。

 全てよくわからないけれど、日本建築はこうあるべきだと思うことはある。また、近い将来はこうだろうと思うことはある。以下に無責任に記してみよう。

 

 フローからストックへ

 まず言えることは、日本建築をとりまく環境が大きく変わることである。戦後復興→高度成長→オイルショック→バブル経済→経済危機という日本経済のサイクルが再び上昇する保証はない。「右肩上がり」の成長主義の時代は終わったのであり、建設活動は確実に減るだろう。フローからストックへ、というのが趨勢である。

 農業国家から土建(土木建築)国家へ、戦後日本の産業社会は転換を遂げてきた。建設投資は国民総生産の2割を超えるまでに至ったが、建設ストックが安定しているヨーロッパの場合、建設投資は一割ぐらいだから、極端に言うと、建設活動は半減してもおかしくない。日本の産業構造の大転換は必至であり、その構造改革(Restructuring)の中心が建設業界なのである。建設業界は既に生き残りをかけたサヴァイヴァル(survival)戦争の渦中にある。

 第一にこれからは長持ちする建築が求められる。スクラップ・アンド・ビルド(建てては壊し)というのがこれまでの日本であった。木造建築を主にしてきた日本では、一定の期間で建て替えるのが自然だと考えられてきた。伊勢神宮など神社の式年造替(一定の年限で建て替える。伊勢の場合は20年)や鴨長明の『方丈記』が代表するような「仮の住まい」意識が日本の建築観の基底にある。しかし、これからはスクラップ・アンド・ビルドというわけにはいかない。建設にこれまでのように投資できないのである。

 地球環境問題への意識からも建て替えより既存のストックを再生利用する試みが増えていくであろう。耐震診断の技術や設備などメンテナンスの技術がこれまで以上に必要とされるのは必然である。要するにライフ・サイクル・コスト(LCC)が主要なテーマになり、建設の全過程におけるCO2排出量が問題にされるであろう。

 

 自然か人工環境か

 以上のような環境変化は、建築を支えるパラダイムを当然変えるだろう。既に、地球に優しい建築、環境共生建築といった言葉が盛んに使われ始めている。エネルギー消費型の建築から省エネルギー型の建築へ、耐久性のある建築へ、リサイクル可能な建築へ、・・・という流れが支配的になりつつある。確実なのは、自然(緑)を取り入れた建築が増えていくことである。屋上緑化、壁面緑化の掛け声は次第に大きくなっている。

 一方、人工環境化の流れは必ずしも変わらないだろう。室内環境をきちんとしっかりコントロールすることが地球環境への負荷の低減につながるという思想は根強い。「高気密、高断熱」という環境の理想は宇宙ステーションのような閉じた自律的な環境である。失敗に終わったが、地球上でもかって「バイオスフィア」という全くエネルギー自律的な環境実験が行われたことがある。自給自足、エネルギー自給型の建築都市のあり方が一方で高度に追求されるであろう。

 現実的には、屋根付きドーム球場のような人工環境がさらに増えていくことになろう。建築表現としてはハイテックな表現がその主流になる。自然か人工環境か、まずは建築表現の流れは二極化するであろう。

 

 工業化と地域性

 建築表現のあり方を大きく規定するのは建築テクノロジーのあり方である。鉄とガラスとコンクリートという工業生産された素材とラーメン構造(剛構造)を基本とする近代建築は世界中の都市景観をこの一世紀で一変させてしまったのである。建築材料やテクノロジーのあり方が変われば建築表現も変わる可能性がある。

 まずあげるべきは,CAD(Compuer Aided Design)表現主義とでも呼ぶべき流れである。これまでは容易に図面化できなかった形態もCADによっていともたやすく実現できる。また、CADという津具を手にすることによって思いもかけない形態を生み出すことができる。CADによる設計の大きな流れは変わらないであろう。

 しかし、CADはあくまで道具であって、現実の建築生産システムが自由自在に操作可能となるわけではない。モニュメンタルな建築を除けば現在の工業化構法の延長が主流であろう。その場合、スケルトン(躯体)ーインフィル(内装)分離が耐用年限とメンテナンスを考えて主流になる。すなわち、スケルトンの耐用年限を出来るだけ長く考え、内装や設備はより短期間にリサイクルするのである。

 建築の生産システムとしては、一方、地域産材利用など地域における生産システムを再構築する試みも現れるであろう。工業化構法によって日本列島の北から南まで覆うには無理がある。日本建築の伝統である木造建築は本来ローカルな生産システムにおいてつくられてきた。だからこそ、地域毎に固有な民家が見られたのである。近代化の過程はそうした地域的な建築生産システムを解体変容させてきたのであるが、果たしてそれでよかったのかが問われるのである。そうした中でひとつの流れとして地域性を強調する表現も求められていくであろう。

 鍵になるのは景観である。個々の建築表現は町並み景観(タウンスケープ)につながる。しかし、近代建築はその原理、理念において、地域の固有の景観を破壊してきた。世界中どこでも同じものが建てられるというのが近代建築である。それに対して各地で町のアイデンティティが問われ始めてきた。歴史的な町並みの保全や修景の試みが行われるのは地域から固有性が失われつつあるからであろう。各地域の町並み景観の固有なあり方として建築表現のあり方も問われるのである。

 

 変わらぬテーマ

 こうしてみると、建築的テーマは21世紀もそう変わらない、ということになる。インターナショナリズムかナショナリズムか、あるいはグローバリズムかローカリズムか、自然環境か人工環境か、成長拡大主か保全か、フローかストックか、・・・テーマは既に出揃っている。あるいは筆者の頭が古くて固いのかも知れない。しかし、少なくとも以上のようなテーマが、21世紀の日本建築、そして世界中の建築のあり方に大きく関わっていることは確実のように思えるのだけれど、如何だろう。

  

2024年11月25日月曜日

しまね景観賞 審査表、島根県、1996

 

メテオプラザ

布野修司

 

 隕石の落ちたというハプニングを積極的に町おこしに生かしたいということもあって、また、隠岐島への玄関口であるということもあって、通常の機能を超えた象徴的な表現が強く求められた建築作品である。公開ヒヤリング方式の設計競技(コンペティション)によって設計者が選ばれたのであるが、その際、周辺の漁港の風景に調和的に連続する案とこの実施案とが最終的に残り、議論となった。最終的に象徴性を最大限に表現するこの作品が選定されたのであるが、決め手となったのは隠岐への行き帰りに必ず眼にする海側からの景観である。

 景観というのは、時に、新しく創り出されるものである。また、敢えて自然と対立する表現としてすぐれた景観が成立する場合もある。記憶に残る景観創出の新しい意欲的な試みとして大いに評価したい。

 

 

羽須美村立羽須美中学校

 

 山間に建てられたしっとりと落ちついた中学校である。指名コンペ方式で選定され実施された作品だという。校庭に面して設けられた緩やかにカーブした二層の回廊がやわらかな雰囲気を醸し出している。打ち放しのコンクリートの仕上げが主体である中に、木材が使用されているのも効果的で、柔らかな空間の印象を与えるのに寄与しているように思えた。周囲の景観に溶け込む秀作である。 

  ただ、落ちついた雰囲気の中庭に対して校庭側の色彩の扱いが少し中途半端で徹底しないように個人的には思った。すなわち、青、赤、黄色、緑といった原色が鉄骨部分に塗られるのであるが、そう効果があがっていないように思えたのである。色を絞るか、面積をもう少し増やすか、少しものたりないのである。景観を考える上で色彩は難しい。生成(きなり)の色が日本人の感覚に合うというのであるが、もう少し、大胆に色を使う例があってもいいとも思う。

 

2024年11月24日日曜日

どぜうや通信、螺旋工房クロニクル、20000419

 螺旋工房クロニクル               2000.0419

どぜうや(布野研究室)通信

布野修司

 

布野指令(20000419

 

  .植民都市空間の起源・変容・転成・保全に関する研究(国際学術研究199901

   Cochin Pulicatについての文献をまとめる     →山田脇太

    Maraccaについての文献をまとめる        →田中秀和

    Galleについての作業             →松本玲子

  4南米蘭植民都市についてまとめる              →酒井潤也

  5平戸についての文献をまとめる        →魚谷重礼

  6世界システム論についての文献リスト作成   →全 美恵

 

 Ⅱ.田園都市の世界史的展開に関する研究(科研1999-01

  1日本の田園都市のリストアップ        →角橋彩子

  2Garden City翻訳の整理             →上住彩華

 

 Ⅲ.アジアの都市型住宅に関する研究

   →連休前合宿 →全員協力してください

 

 Ⅳ.アジア都市建築史

  1古代オリエントの都市と建築・・・イスラーム以前のアラビア→

  2チュニス・・・アラブ・イスラーム都市の構成原理

    3中国のイスラーム建築

    4中国の仏教建築

    5エスファハン

     

 Ⅴ.世界住居誌

  1ヨーロッパ

  2北アメリカ

  3ラテン・アメリカ

  4アフリカ

 

 Ⅵ.Of Planting 翻訳                                   4月24日

  1章

  2章

  3章

  4章

  5章

  6章

  7章

  8章

 

 Ⅷ.論文

  1カルカッタ                  →根上、渡辺

  2ヴィガン                    →柳沢、山口

  3ゴール                                       

 

2000年度研究室方針

 

□研究プロジェクト

 

    ◎植民都市空間の起源・変容・転成・保全に関する研究(国際学術研究199901)→報告書目次案参照

 

    ◎田園都市の世界史的展開に関する研究(科研1999-01

   →報告書目次案作成中

 

  ◎アジアの都市型住宅比較研究

      4月中!!!!!!→全員協力してください 目次案参照

 

  ◎エコハウスin Malaysia

 

  ◎西成

 

  ◎京都

 

□研究室活動

 ○アジア都市建築研究会

 ○木匠塾

 ○京都デザインリーグ 京都・歩く・見る・聞く

 

 ○GA特集

  群居 HPU

  AF

  SSF

 

□出版編集プロジェクト

 

 □当代日本城市規劃撰集

 □アジア都市建築史

 □世界住居誌

 ○Of Planting   翻訳完成

 

 

□研究フレーム

 

Ⅰ 計画理論・計画手法・計画技術

 

Ⅱ 生活空間研究-住居論・住居集合論・集落論・空間論

 

Ⅲ 都市空間研究-都市論・都市史・都市計画論

 

Ⅳ 保存修景計画-保存論・景観論

 

Ⅴ アジア都市建築研究

 

 

□各個研究

 D6 闕 銘宗  台湾の寺廟・神壇に関する研究(仮)台中震災後の街づくりと寺廟一本書いて、後はひたすら学位論文を仕上げる。

 D5 山本直彦    そんなに猶予なし。

 D4 渡辺菊真  京都の「山辺」の環境整備に関する研究 とにかく3本書く。

 D3 M.パント カトマンズ盆地 ティミ。論文書くだけ。

 D3 今川朱美(内藤研) eko-city

 D2 佐藤圭一  黄表紙とりあえず一本。ケープ・タウンの都市形成過程に関する研究 オランダ植民都市に関する研究

 D2 トウイ(神戸大)   北京に関する研究

 D1 山本麻子 大連1本。論文フレーム。

 D1 根上英志(神戸大) グジャラートの都市住居に関する研究

 

 M3 角橋彩子 オランダの戦後ハウジングに関する研究

 M2 柳沢究  ヴァーラナシの空間構造に関する研究

 M2 高松健一郎 スラバヤのカンポンの変容過程に関する研究

 M2 林李宣  台湾の社区総体営造に関する研究・・・台湾大震災後の復興計画の評価

 M1 山田協太 インドの植民都市に関する研究

 M1 松本玲子

 M1 山口潔子(AA研) フィリピン都市形成史研究 ヴィガン

 M1 高木文華(奈良女子大 増井研究室)

 

 卒業研究

 6 全美恵  飛田新地 西成

 5 魚谷繁礼  ケープタウン、インド

 5 酒井淳也 タイ ヴェトナム、ラオス、カンボジャ

 4 上住彩華    イスラーム

 4 堀切健太郎(渡辺研) 

 

 研究生

      田中秀和   京都の町家街区の再生手法に関する研究

      フェリーFerry   バタヴィアの都市計画に関する研究

      ナウィットNawit タイの都市史に関する研究 チェンマイ・・・    

 

□論文報告集作業リスト

 A M.パント Thimi2本目

 B 渡辺菊真 山辺

 E 佐藤圭一 ボーカープ

 

  C ◎カルカッタ・チョウリンギー地区の変容に関する考察

 D トウイ 北京3 乾隆京城全図の分析2

 F ◎山口潔子 Vigan

 G ◎根上 Galle

 H ◎吉村 チェンナイ

 I ◎角橋 アデレード

  J 山本麻子 大連

    闕 台中廟

 L ◎山根 ニューデリー

 

 ◆審査中

  ○マネク・チョウク地区の空間構成に関する研究 再審査 4月10日

  ○祇園祭  京都。建築生産組織・正岡 再審査 3月31日

  ○山根 アーメダバード(根上 山根)その1, 10月10日

  ○M.パント ティミ 11月10日

  ○韓三建 日本統治期における慶州旧邑城の土地利用の変化に関する研究 2月10日

   ○闕 台北東門地区の寺廟に関する研究 3月10日

  ○トウイ 乾隆京城全図における街区構成と宅地分割に関する研究 4月10日

 

 ◇訂正中(Return Match

  ●ジャイプルの住区とその変容 その3

  ●森田 ラサにおける宗教施設の配置とオリエンテーション

  ●竹内 パタン(カトゥマンドゥ盆地、ネパール)における聖祠の分布に関する考察

 

 

 DrShuji Funo

  Department of Architecture and Environmental Design

  Faculty of engineering

  Kyoto University

 Yosidahonmati,sakyo-ku

  kyoto,Japan

 E-Mail funo@archi.kyoto-u.ac.jp  or i53315@sakura.kudpc.kyoto-u.ac.jp

  tel. 075-753-5755 fax.

2024年11月23日土曜日

螺旋工房クロニクル : どぜうや(布野研究室)通信、20000929

 螺旋工房クロニクル : どぜうや(布野研究室)通信   

20000929

布野修司                       

 

 マレーシアから帰国しました。マラッカ調査は充実。マレーシアにおけるエコハウス・プロジェクトのイメージはおよそできました。7月からのストックは追々報告します。

 

 突然ですが、ヤンがパリ大学の学生連れてやってきています。29日17:00に研究室に来られる人は来てください。ヤンと「お食事」します。相手はヤンのみ、といってましたが。 

 29日午前中からカルカッタの作業をします。根上君、トウ君他手伝える人は手伝ってください。トウ君の論文やります。終わったらラサやります。柳沢が手伝うべきかな。

 佐藤!時間が空いていたら、ボーカープも見ます。

 山口さん、ヴィガンのまとめに入ります。これたら来てください。

 

  27日ゼミのつもりで研究室に行ったのですが・・・

 研究室が荒れています。もう少し、詰めて仕事するように。

 連絡を受け取ったら、きちんと責任持って連絡すること。

 

 ・松本さん・・・コピー代至急入金してください。コピーについて心当たりあるものは申し出なさい。コピー代を稼ぐために、布野の本を現金に還元するため、組織的に販売してください。

 ・海外調査をしたものはきちんと報告(会計、内容とも)しなさい。

 ・コンピューターの設定を自分勝手に弄らないでください。

 

 ゼミは6日から開始します。

 ・M2(柳沢究、高松健一郎、林李宣)は、目次、研究目的等序章を書いてくること。

 ・卒業設計(魚谷、上住)はプログラム提出のこと。卒業論文(全、酒井)は、目次、研究テーマ、目的提出のこと。

 ・麻子、パント、佐藤は、D発表の準備状況を報告のこと。

 ・M1(山田協太、松本玲子、山口潔子(AA研)、高木文華(奈良女子大)については、それぞれ修論の方向性をめぐってレジュメを提出のこと。特に山田、松本については、布野がまだ確信ない。

 ・フェリー、ナウィットは試験勉強に入ってください。

 

 ・ゼミとは別に、ワーキングをもうけます。

 ひとつは、「Of planting」の仕上げ作業

 ひとつは「世界システム論」輪読です。

 29日に集まれる人は集まってください。

 

 DrShuji Funo

 

  Department of Architecture and Environmental Design

  Faculty of engineering

  Kyoto University

 Yosidahonmati,sakyo-ku

  kyoto,Japan

 E-Mail funo@archi.kyoto-u.ac.jp  or i53315@sakura.kudpc.kyoto-u.ac.jp

  tel. 075-753-5755 fax.

2024年11月22日金曜日

螺旋工房クロニクル : どぜうや(布野研究室)通信、 20010716

 螺旋工房クロニクル : どぜうや(布野研究室)通信   

20010716

布野修司              

 

 久々の通信です。

この間、京都CDL(コミュニティ・デザイン・リーグ)の立ち上げで忙しかったようです?。この6月から建築学会の建築雑誌の編集長に就任(20021月号~20033月号まで担当します)、いつものことですが、ばたばたしています。

 さて、本日から8月18日まで出掛けます。オランダ植民都市研究最後の年です。また、京都大学に来て10年が終わる夏です。今回は、バンコクでM1のナウィット君のフィールドを手伝って、ロンドン、オランダ、ブラジル、メキシコという行程。ロンドンで応じ先生と合流、ブラジルで最合流。山根とオランダで合流、メキシコで青井とランデブーという予定です。旅行中に報告書の目途をつけたいと思っています。田園都市研究も最後なのでまとめます。

 帰って大学院入試。9月4日から13日、学会のツアーでマレーシア、タイに出掛けます。

 布野研10周年の企画があるとか。これを機会に何かまとめてくれればありがたい。大学は相変わらずですが、大変な変革を外部から求められています。

 もうじき『植えつけられた都市』(京都大学学術出版会)が出ます。5200円です。8掛けになると思いますが、研究室に申し込んでください。ロンドンで著者のR.ホームに会います。秋に呼ぶことになると思います。

 また、『アジア都市建築史』(昭和堂)のゲラが出てます。しかし、原稿はまだ未完成。特に、山根、応地先生。この旅の第一の仕事は、原稿執筆になります。

 研究室で雑誌「ひろば」に「建築の1940年代」連載中です。知ってますか。

 木匠塾は、今年は参加できると思っていたのですが残念。今年は神社をつくるとか。年々面白くなります。今年から学科の正式行事になり、若干の補助が出ます。一回性も参加するとか。加子母村村長粥川さんがAF賞受賞です。

 群居終刊、都邑通信なる新雑誌今年中に出す予定です。乞うご期待。

 博士論文は、パントさんがほぼ完成。8月末から手続きに入ります。

 黄表紙は、山口潔子さんがヴィガンを一本提出。以下再審査になっていますが、さぼってペースダウンです。旅行中にゴールに手をつけます。千葉大のムンバイ、チェンナイものになりそうです。また、英文論文集に原稿を求められています(9月10日締切)。ジャイプルまとめます。これも旅行中にやります。パントさんの英文があるので簡単?と思っています。ちなみに、チャクラヌガラは、ライデン大学から出る本に掲載される予定です。サンフランシスコのピーターにネイティブ・チェックしてもらいました。

●掲載予定 

 ◎チョウリンギ地区(カルカッタ、インド)の形成と変容 200110

  ◎田中麻里 

Spatial Formation in Cakranegara, Lombok

 

再審査中

  ◎山本直彦、蘭領東インドにおけるカンポン改善事業とマドゥラ人労働者階級カンポンの発展過程に関する考察

  ◎佐藤圭一 ボーカープ

◎田園都市計画運動の歴史的評価に関する考察 コーネル・ライト・ガーデン(アデレード、オーストラリア)の計画理念とその変容

審査中

◎ヴィガンの街区構成に関する研究

 ◆修正中

  ●森田 ラサにおける宗教施設の配置とオリエンテーション

  ●竹内 パタン(カトゥマンドゥ盆地、ネパール)における聖祠の分布に関する考察

 

 名誉D? 闕 銘宗  渡辺菊真

 D6 山本直彦    論文纏めるように

 D4 M.パント 最後のつめ頑張ってください。

 D4 今川朱美(内藤研) 論文?

 D3 佐藤圭一  黄表紙訂正と二本目。オランダ都市 論文のフレームつくって見よ。

 D3 トウイ(神戸大) 結婚→論文今年中

 D2 山本麻子 仕事順調。結婚。そろそろやばい。GA企画。論文フレーム。

 D2 根上英志(神戸大) 就職→結婚?

 D1 柳沢究  ヴァーラナシの空間構造に関する研究    黄表紙。

 M2 山田協太 コチンの構成に関する研究   ドクター志望

 M2 松本玲子  世界遺産としての植民都市の保存に関する研究  おおばやし都市開発

 M2 山口潔子(AA研) フィリピン都市形成史研究 ヴィガン 帰ったら二本目

M1 フェリーFerry   スンダ・クラパの空間構成に関する研究

  M1 ナウィットNawit バンコクの空間構成に関する研究 チェンマイ・

 M1 魚谷繁礼  テーマ設定急ぐように

 M1 佃    テーマ設定急ぐように。M1のうちにフィールドを考えること。

 M1 酒井淳也(石田研)

 M1 上住彩華(山岸研)

M1 田中秀和(古阪研)

 卒業研究   

 7 全美恵  飛田新地 西成 卒論本気でやって下さい。設計演習Ⅰ

以下院試頑張るように

 大辻

 金谷

 米津

 研究生

 堀切

 高橋

 

宇都宮

桑原

 

716日~22日 Bangkok  Royal River Hotel +66-2-4330300 fax=+66-2-4335880

723日~30  London  Tavistock Hotel   +44-20-716-368383

731日~8月6 Den Haag  オランダ・ハーグ(予約済み)

Park Hotel

 Molenstraat 53, 2513 BJ Den Haag, Holland

 TEL : 31-70-362-4371

 FAX : 31-70-361-4525

 

88日~12

ブラジル・レシフェ(予約中)

Pousada d'Olinda

 PCA. JOAO ALFREDO, 178,CARMO,OLINDA,PE,56000-000, BRAZIL

 TEL : 81-439-1163, 81-439-5654

 

813日~16

メキシコシティ(予約済み)

FIESTA AMERICANA REFORMA

 Reforma 80, Mexico City, 06600, Mexico

 Phone: 011-52-5-705-1515

 Fax: 011-52-5-546-1784

 

はそろそろ限界です。

 

 

 

□論文報告集作業リスト

 A M.パント Thimi2本目

 B 渡辺菊真 山辺2本目

 E 佐藤圭一 ボーカープ

  C 布野 ◎カルカッタ・チョウリンギー地区の変容に関する考察

 D トウイ 北京3 乾隆京城全図の分析2

 F ◎山口潔子 Vigan

 G ◎根上 Galle

 H ◎吉村 チェンナイ

 I ◎角橋 アデレード

  J 山本麻子 大連

    闕 震災と台中廟

 L ◎山根 ニューデリー

 

 

 DrShuji Funo

 

  Department of Architecture and Environmental Design

  Faculty of engineering

  Kyoto University

 Yosidahonmati,sakyo-ku

  kyoto,Japan

 E-Mail funo@archi.kyoto-u.ac.jp  or i53315@sakura.kudpc.kyoto-u.ac.jp

  tel. 075-753-5776 fax.